She’s Mercedes meets Japan / Vol.16

徳島県 美馬郡つるぎ町半田(撫養街道)
前編 塩田製麺 塩田直行
熟練の技から生み出される、至宝の半田そうめん

撫養街道を進み、徳島県の内陸へ。吉野川上流の美馬で真摯に伝統と向き合う、手延べの半田そうめんの製麺所を訪ねます。

photo/ 戸松愛 text&edit/石崎由子(uraku) navigator/田沢美亜(uraku)

奈良の三輪から伝わる技術

メルセデスで巡る旅、今回も引き続き阿波五街道の一つ撫養街道(むやかいどう)を、前回よりさらに内陸へと進み徳島県美馬郡つるぎ町へ向かいます。半田と呼ばれるこの地域で、江戸時代から続く製法で、手延べそうめんを作られている「塩田製麺」を訪れました。
この手延べそうめんも前回ご紹介したように、この地に流れる大河、吉野川の水運を使って江戸時代に、奈良の三輪よりその技術がもたらされたようです。日本の他の地域で見られるそうめんよりも太く食べ応えがあるところが特長です。
つるぎ町は徳島県の内陸地あたりに位置し、徳島市街地より吉野川沿いに車を走らせ1時間ほどで到着します。美しく豊かな吉野川の様子は今朝も美しく、また少し足を止めて川辺でゆったりとした時間を過ごしてから向かいました。
今回も旅のお供は、C 220 d STATIONWAGON AVANTGARDE。カラーはダイヤモンドホワイトです。長旅にピッタリなゆったりとした内装のおかげで、疲れることなく旅が続けられます。お土産もどんどん詰めこめる収納も魅力の一つです。郊外の田畑の間の細道も快適に小回りができて安心できます。
さて、快適なドライブを楽しんでいたらあっという間に「塩田製麺」に到着です。

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霊峰・剣山の麓、半田で作られるそうめん

つるぎ町という場所は、その町名にあるように徳島県の霊峰剣山の北側斜面から吉野川にかけて広がる高低差のある地域です。つるぎ町の中でも麓から中腹あたりが半田という区域にあたり、そのちょうど中ぐらい、吉野川から少し登った場所に「塩田製麺」はあります。
「塩田製麺」は塩田さんと奥様の2名で昔ながらの手作業でそうめんを作っていらっしゃいます。
冬から春の寒い時期にしか手延べの作業を行わないとのこと、取材に訪れた時期は早春、山間のこの半田はまだまだ寒い時期でした。
一年で一番忙しい時期にもかかわらず、塩田さん御夫妻は優しく出迎えてくださり、暖かい事務所で体を温めさせてくださいました。少しお話をさせていただき、早速隣の作業場へ向かいます。
作業場へ入ると、いくつかの機械が置いてありますが、あとは大きな倉庫のような空間が広がります。部屋は寒くあまり暖かくしてない状況です。
私たちが到着する前、早朝4時から小麦粉を混ぜ、こねて、のばし、よりをかけて、まずはうどんのような太さの麺にして木の箱に寝かせてあるそうです。その麺をこれからのばしていく「手延べ」の作業を行うのだとか、ワクワクしながら見学させていただくことにしました。

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リズミカルな「手延べ」の作業

木の箱の中のたけ竿に太いまま吊るされたそうめんを、大きな木枠のラックにどんどん2人が
かけていきます。かけ終わったら、一つずつリズミカルに、まるでゴムを伸ばすかのように、ぬうっとのばしていきます。すべてムラなくほぼ同じ太さに整っていて、力のかけ方が絶妙なことに驚きます。2人の動き、コンビネーションもとても手際よく、テンポよくどんどん作業が進んでいきます。のばし終えたら今度は2本の棒を使って、麺を二つに引き裂き細くしていきます。
この作業も途中で切れたり、太さが変わることなく、とてもリズミカルにすいすい裂いていくので驚いてしまいました。
実はこの作業、後でやらせていただいたのですが、全くうまくできない上に、すごく時間がかかってしまい、ひどい仕上がりになってしましました。とても単純で簡単そうに見えますが、本当に力の入れ方とタイミングが絶妙なのだなと強く感じ、熟練の技の凄さを感じました。
すべての「手延べ」作業が終わると、次のラックに移り、どんどん作業は進みます。
作業を終えたラックは、空いている広い空間に綺麗に並べられ、大きな扇風機のようなものを回して乾燥させてそうめんが出来上がります。

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日々変わる環境を読み、良い塩梅を見極める

「手延べ」を終えたそうめんは、日の光を浴びてキラキラとして美しいカーテンのようです。
ついつい見入ってしまいました。
私たちが手延べの技に感動していたら、塩田さんが良い感じにのびるための配合や練りも大切なのだとお話ししてくださいました。
そうめんは、塩、小麦粉(強力か中力)水、というシンプルな素材の組み合わせでできています。
塩の配合や、練りの加減など毎日の気候、温度によって読み取り、良い塩梅で麺を作り上げなければ、ちょうど良い質ののびを出さないのだそうです。
私たちは実際、「塩田製麺」のそうめんを普段いただいていて、とても美味しいと感じていたので、
美味しくできる秘訣をうかがったのですが、塩田さんは、「とにかく毎日良い塩梅を見極めること、それはそうめんと向き合って、そうめんと仕事することかな」とおっしゃっていました。
「とはいえ、俺の味の完成は一生かかってもできないかもな」と自然環境を読みときながら、良い塩梅を見極めることはまだまだ奥が深いという思いも話してくださいました。

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この半田という地域は水がよく、気候も適していたこともあり、そうめん作りが盛んになったのだそうです。農作業がない時期、だいたい11月から6月までの間に行っていたようで、農家の方の副業のような感じで発展して行ったようです。
以前は300件ほどあった製麺所は今では30件ほどに減ってしまったようで、高齢化と、環境の変化が原因なのだそうです。
そうめんを乾燥させるのも昔は屋外で天日干しを行っていたのだそうですが、今は林業の衰退のため放置されてしまった杉から発生するスギ花粉と、大陸からの黄砂のため屋内で乾燥せざる得なくなってしまったのだそうです。
こういった自然環境の変化も、考えながら塩田さんご夫妻は2人で仲良く毎日作業をされています。
自分たちも年をとってしまったので1日100kg作るのが精一杯だなと、おっしゃる塩田さんですが
そうめんと向き合うその姿はまっすぐで強い眼差しをしていました。

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工場データ

塩田製麺

塩田製麺

〒779-4405 徳島県美馬郡つるぎ町半田字日開野143番地
tel: 0883-65-0028
fax: 0883-65-0028
http://www.shiota-seimen.com
店舗営業はしておりません、お電話にてのお問い合わせをお願い致します

<urakuプロフィール>  http://urakutokyo.com/
ファッション誌や広告などで活躍中のモデル田沢美亜(たざわみあ)と
TOKYO DRESS などのプレスやアパレルブランドのディレクションを勤める
石崎由子(いしざきゆうこ)2人で立ち上げたユニット。
日本各地に残るぬくもりある手仕事や確かな技、それら日本人が大切にしてきた美意識や心を現代の生活や次世代に残し伝えて行く事を目的にしています。またそこから海外への発信、架け橋になるようにと活動を続けています。

<Special Thanks>
Continuer:Sunglass

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