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Mercedes-Benz History

メルセデス・ベンツ その130年の哲学。

世界初の自動車誕生から130年を迎えるにあたり、メルセデス・ベンツのこれまでの歩みをご紹介いたします。

The Philosophy of 130 Years Innovation History
Part1 自動車の発明 同時代のドイツに生まれた二人の天才エンジニア
カール・ベンツ(1844年~1929年)バーデン大公国 ミュールドルフ出身。地元カールスルーエの工業学校で内燃機関の技術を学ぶ。1878年に2サイクルエンジンを完成させると研究の対象は自動車ヘ。ゴットリープ・ダイムラー(1834年~1900年)南ドイツのヴュルテンベルグ王国ショルンドルフ出身。幼い頃から機械好き。1875年に“内燃機関の父”アウグスト・オットーのもとで、世界初の4サイクルエンジンの運転実験に成功これを受けて自身の研究所を設立。
1886年1月29日 自動車が生まれた日
世界初完成!ドイツ政府より特許がおりる(カール・ベンツ作 原動機付き三輪車「ベンツ・パテントモーターカー」水冷単気筒:984cc/最高出力:0.89ps)、当時は馬車の代わりだった(ゴットリープ・ダイムラー作 四輪自動車「モトキャリッジ」462cc/最高出力:1.1ps)
この二人の天才技術者が、自動車の発明者であり、メルセデス・ベンツの生みの親
1888年 世界初の長距離ドライブ
カール・ベンツの妻ベルタ「パテントモーターカーの売り上げが悪いわ…売れるにはどうしたらいいかしら…」⇒「車で100km走ってPRしよう!」二人の息子と長距離ドライブ(夫には内緒)マフラーにあたるものがあり、大きな音はしなかった:人に不快な思いをさせない・馬を驚かせない
ドライバー、広報、メカニック 1人で3役を努め、インフルエンサーとして自動車の認知度アップに大きく貢献
1900年 メルセデス・ブランドの記念すべき最初のモデル「メルセデス 35PS」がデビュー
腰高な「エンジン付き馬車」⇒現代的な意味での「自動車」へ メルセデス 35PS:すべての現代的な乗用車の原型。その後の自動車の一般的な設計概念を明確に定義づけたクルマ
1900年「スリーポインテッド・スター」が商標登録
ゴットリープ・ダイムラーは妻に星が描かれた一枚の絵はがきを送る「この星がいつか私の工場の上に輝いて成功を祝ってくれる」。彼の死後、その思いを受け継いだ息子が「父の思いをエンブレムにしよう!」3つの先端は、それぞれ「陸・海・空」を表しており、各分野での事業の繁栄を表している。
1926年二社の合併
第一次世界大戦による敗北で経済が破綻したドイツ。ベンツ&カンパニー、ダイムラー・モトーレン社「輸入車の攻勢に立ち向かおう!」両者とも密接だったドイツ銀行を通じて…メルセデス・ベンツの誕生。高性能エンジンに強みをもつダイムラーと実用性を重視するベンツ。互いの強みが結束。
1934年メルセデスW25「シルバー・アロー」がデビュー。代々受け継がれる伝説の名となる
シルバー・アロー
大量生産技術の発展、先進国による「国民車構想」、そしてモータリゼーションの勃興といった時代背景のなか、乗り物としての「車」を発明したメルセデス・ベンツは、黎明期の自動車文化と産業を確立させていった
Part2 安全技術の発明 1939年「安全技術」という概念の発明
オーストリア=ハンガリー帝国出身。「ミスター・セーフティ」と呼ばれた技術者。「自動車は安全な乗り物でなければならない」それが彼にとっての終始一貫した設計の基本。世の中に「自動車の安全性」という概念と現在では常識となった革新的技術を次々と生み出す。
バレニーが生み出した安全技術の例1:1951年世界初のセイフティシャーシを開発、特許を取得。ボディのフロントとリアを潰れやすい形状にしつつ、形状不変の室内空間を確保
例2:1958年クラッシュテストの開始。ジンデルフィンゲンの施設で初めての衝突実験とクラッシュ・ロールオーバーテストが行われ、メルセデス・ベンツ車の事故に対するあらゆる面からのリサーチが開始
例3:1958年メルセデス・ベンツ 事故調査部の創設。ジンデルフィンゲン周辺で起こったメルセデス・ベンツ車の事故に対して、現場に調査チームを派遣して原因分析とデータ収集をする試み。現在までに4200件以上もの調査を行い、ほかに代えがたい貴重なデータを数多く蓄積している。バレニーが会社に在籍した35年間⇒取得した特許2500件無償で公開。それらの技術が将来の自動車に欠かせないものであることを確信し、世界中の自動車が安全になることを真摯に願って…
メルセデス・ベンツが初めて量産化した革新技術の代表例[実際の危険性に対する創造的な安全装備]・クラッシャブルゾーンを持つ強固なキャビン(1951年)・ブレーキの際にタイヤがロックすることで操舵不能になることを防ぐ、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)(1978年)・SRSエアバッグ(1980年)
今日の自動車のすべてにメルセデス・ベンツのエッセンスが入っていると言われるゆえんとされる
現代に受け継がれる、安全哲学と開発技術
アクティブセーフティーへの取り組み:パッシブセーフティーに加えて、能動的な安全技術へにもいち早く取り組んだ。典型的な事故原因に対処する革新的な技術をいくつも開発
[メルセデスが世界に先駆けて開発した安全コンセプトPRE-SAFE® 予見的乗員保護システム]事故が起きる可能性を察知⇒危険回避⇒乗員保護に備える。急ハンドルや急ブレーキの操作をした際、安全装備の効果を最大限に発揮する機能を備える
クラスを超えた安全装備へのこだわり。コンパクトなAクラスからSクラスまで、安全性能を追求した設計思想を一貫して共通。衝突安全性と居住性を高レベルでバランスさせたレイアウト⇒一貫した哲学のもと数々の革新的な安全技術を開発、進化
[「事故を減らすための技術」の視点⇒1986年~1996年 未来のクルマ社会に向けて新しい視点を設定。「Prometheus プロジェクト」]⇒メルセデスが導き出した答え「車に知性を」カメラ、センサーを使用し、クルマが交通状況を判断する
The PROMETHEUS project。約30年前の自動運転車
2013年歴史的快挙を達成!Sクラスを使用した「完全自動運転実験」に成功。かつてベルタ・ベンツが敢行した100kmのドライブルートを、完全自動運転で走行。
Sクラスを使用した「完全自動運転実験」
メルセデスが開発した数々の安全技術の先に生まれた、安全性と快適性を融合させた結晶
こうして積み重ねられてきた数々の技術が、最新のラインナップにフィードバックされている
1:インテリジェントドライブ。レーダーや超音波など複合的なセンサーで車の周囲を常に監視。状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシスト
2:リモートパーキングアシスト。運転手が車外から車両の車庫入れ/車庫出しをスマートフォンで操作。縦列駐車も可能(車庫入れ、車庫出し)
3:Mercedes me connect。ルマの「快適サービス」を可能にするテレマクティスサービス(※2017年7月から日本でもサービスイン)事故検知時・車内のSOSボタン押下時⇒クルマが消防に通信「24時間緊急通報サービス」。車内の(電話マークの横にi)ボタンひとつで専門オペレータが24時間対応。・リモートで目的地設定・おすすめ場所・レストラン予約 など(メルセデス・ベンツ24時間コンシェルジュサービス)(Send2Carスマホアプリの地図から目的地を車に送信)
Part3:未来のモビリティへ。メルセデスが見据える未来のモビリティ・コンセプト
2015年Concept Car Mercedes-Benz F 015 Luxury in Motion。2030年を目指したコンセプトカー「Mercedes-Benz F 015 Luxury in Motion」は完全自動運転を前提に設計され、メルセデス・ベンツの各分野のエキスパートが集結して作成した「未来の都市 2030+」というシナリオとともに、将来のモビリティの可能性を示した
コンセプトカーのインテリア
そして、メルセデス・ベンツが自動車の未来に向け、新たに掲げる中長期戦略が…コンセプト「CASE」
C:Connectivityコネクティビティ(つながりやすさ)。クルマとドライバー、クルマとクラウド、そして、クルマとクルマなどをコネクトさせることで、より豊かで利便性の高いモビリティへ
A:Autonomousオートノマス(自動運転)。音声/画像認識でドライバーの要望を判断。地図データとAIを活用し、自動運転による理想的なドライブを提供
S:Shared & Servicesシェアード&サービス(カーシェア、各種サービス)。新しいカーシェアリング体験、車の利便性や快適性を体験できるサービスを提供
E:Electric Mobilityエレクトリックモビリティ(電動化技術)。車本体のみならず、充電設備や、家庭での充電システム、公的サービスとしての充電設備、バッテリーのリサイクルまで全てを包括したプロジェクトを推進
2017年フランクフルト国際モーターショーで発表された将来ビジョン
メルセデス・ベンツ「コンセプトEQA」2016年に立ち上げた電気自動車専門ブランド「EQ」の新作コンセプトモデル。smart「vision EQ fortwo」CASE戦略の全てが統合され、将来の都市におけるカーシェアリングのビジョンを示している
今後、2020年に向けてさらなるチャレンジを進めていく…
メルセデス・ベンツには、代々受け継がれる言葉がある。曰く「われわれには車を発明した責任がある」だからこそ、メルセデス・ベンツは常に自動車業界のスタンダードに一歩先駆けて革新的な技術を開発してきた。その哲学は現在にも、そして未来にも受け継がれていく−


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