

アリーナが祝祭空間になった
YOASOBI初のアリーナツアー『YOASOBI ARENA TOUR 2023“電光石火” 』は、愛知県名古屋市の日本ガイシホールで幕を開けた。そして初日となった4月5日の公演は、YOASOBIのふたりにとっても、オーディエンスにとっても特別なものとなった。というのもマスク着用での声出しが認められるようになったからで、2019年11月にデビューしたYOASOBIにとって、自身の主催公演でファンからの声援を受けるのは初めての経験となるのだ。
“電光石火”というツアータイトルの通り、ライブ序盤は疾走感にあふれたアップテンポのナンバーが続く。観客席を煽るボーカルのikuraからも、コール&レスポンスに応えるオーディエンスからも、ダイレクトにコミュニケーションをとることの歓びがひしひしと伝わってくる。
はたしてセットリストが進行するにつれ、日本ガイシホールはライブ会場から、祝祭空間へと移り変わっていった──。

この祝祭ムードをさらに盛り上げていたのが、会場の一角に展示されていた、特別なラッピングが施されたメルセデス・ベンツの新型AクラスとBクラスだった。ラッピングのデザインを手がけたのは、楽曲『夜に駆ける』のMVや、このアリーナツアーのキービジュアルを担当した藍にいな。YOASOBIが、“電光石火”と名付けたツアーに込める想いが、見事なアートワークで表現されている。

「直木賞作家コラボプロジェクト」など、世間をあっと言わせるような取り組みにチャレンジしてきたYOASOBIが、今度はメルセデス・ベンツとのコラボレーションに挑んだ。
メルセデス・ベンツのブースで足を止めたファンの方は、YOASOBIとラグジュアリーブランドの組み合わせに一瞬意外そうな表情を見せたものの、すぐに藍にいなのアートワークがYOASOBIの世界観を表現していることを理解して、記念写真を撮影する方が後を絶たなかった。
おそらく多くの方が、ここで撮った写真をインスタグラムなどのSNSにアップしたのではないだろうか。ストリーミング再生時代のアーティストらしい、時流に合ったコラボレーションだ。
そして初日の公演を終えてひと息ついたところで、コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraに、今回のコラボレーションについて話を聞くことができた。

YOASOBIの世界観を表現したラッピングカー
会場では、YOASOBIとメルセデス・ベンツの組み合わせについて、「意外」とか「おもしろい」という声があがっていた。ふたりは、メルセデス・ベンツとのコラボレーションの提案があった時に、率直にどのように感じたのだろうか。ikuraは、「最初は驚きました」と、率直に振り返る。
「幼い頃からメルセデス・ベンツに憧れを持っていたので、こんなに素敵なコラボの機会をいただくことができて、とても嬉しかったです。実際にメルセデス・ベンツのAクラスとBクラスを拝見すると、洗練されたデザインがとてもスタイリッシュだったので、憧れる気持ちがさらに強まりました」
ikuraの発言に、Ayaseもうなずく。
「とても光栄ですし、ワクワクしましたね。僕もAクラスとBクラスについては迫力があり、かつ気品を帯びていて、とてもクールだという印象を抱きました」

藍にいなが手がけたラッピングを初めて見た時には、どのように感じたのだろうか。ふたりにその時の感想を尋ねると、Ayaseは「ツアー名である『電光石火』にふさわしく刺激的で情熱的な、かっこいいデザインだと思いました」と語った。
ではikuraはどう感じたのだろうか?
「めちゃくちゃ格好良い! と声が出たんです。特に、ビビッドな色使いに目を惹かれました。遊び心もありつつ情熱的なデザインで、とても素敵でした」

メルセデスの似合う大人になりたい
ここで、話題をふたりのクルマ生活に切り替えると、ikuraは「まだ運転免許を持っていないので、乗せてもらうことばかりなんですが、家族でのお出かけや友だちとの旅行でクルマに乗る時は、いつも音楽をかけて、一緒に歌ったりしています。先日友だちとドライブした時には、私の最新アルバムをたくさん歌ってくれて楽しかったですね」
Ikura のこの発言に、Ayaseは「僕もクルマの中で音楽を流して、よくカラオケ大会をしていましたね」と反応した。
「でも8年前に東京に出てきてからはクルマを運転する機会がほとんどなくなってしまったので、一番乗るクルマは移動の際のタクシーになってしまいました。でももともとドライブは好きなので、いつかクルマを持った時には箱根や伊豆に遠出をしたいですね」

実際にコラボレーションをしてみて、メルセデス・ベンツというブランドに対するイメージはどう変わったのかという質問を投げかけると、ikuraは時間をかけてじっくりと考えてから、言葉を選んだ。
「憧れの存在という部分は変わらないのですが、以前は自分にとって手の届かない遠い存在だと感じていました。けれども実際にAクラスとBクラスに接することで、もっと近い存在だと思えるようになっています。いつかは手にしたい、メルセデスに似合う素敵な大人に成長したいですね。ロサンゼルスの街を自分のクルマで走りたいという夢があるので、いつかはかなえたいです」
確かに、ikuraがメルセデスのAクラスやBクラスのようにスタイリッシュなモデルで西海岸の街をドライブしていたら、絵になりそうだ。
「日本を代表する音楽ユニットになります」と言うAyaseと、「これからも創造の限界を設けずにチャレンジしたい」と語るikura。常に新しいことにチャレンジしてきたふたりの感性に、メルセデス・ベンツの新型AクラスとBクラスが新たな刺激を与えたようだ。
コンパクトなモデルではあるけれど、少し背の高いボディが与えられることで、ルーミーな居住空間やゆとりのあるラゲッジスペースなどを手に入れたのがBクラス。リアのデザイン処理や、LEDのテールランプによって、安定感のあるワイドなボディ形状に見え、ダイナミックに走ることを予感させるのがデザイン上の特長。オプションのAMG仕様を選べば、フロントグリルがスターパターンをあしらったものとなり、より精悍でアグレッシブな表情となる。MBUXや最先端の安全・運転支援機能が備わるのはAクラスと共通で、コンパクトなボディのなかに、メルセデス・ベンツらしさがぎっしりと凝縮されている。