
言い訳無用の環境を自ら作り出す
ストイックな姿勢
軽やかに、そして、リズミカルに。思いもつかない動きを繰り出す、刺激的な競技。それがブレイキンだ。いわゆるブレイクダンスを競技化したもので、日本選手の活躍も目覚ましく、日増しに注目度が高まっている。
そんななか、次回のパリ大会において金メダル候補と目されるのが、弱冠20歳のShigekixさんだ。一足先にスタートしていた姉の影響で7歳からこの世界に入り、11歳のころから頭角を表した。冒頭で触れたとおり、まず目が止まるのは輝かしい経歴だろう。国際大会での優勝が46回を誇るのだから。
「どんな結果になろうとも優勝は公言します。言い訳となる要素を作りたくないので。結果と過程、その両方を同じくらい重要視しています」
いわく結果と過程は、タマゴとニワトリの関係だという。結果は、追求するけれど固執はしない。結果が出た瞬間に過程にフォーカスするのだ。
「過程というのは、ひとつとして同じものはないんです。勝っても負けても、そのときにしかできない経験があるので非常に重要。けれど、終わればすぐに次に向かって切り替えます」
ダンサーとしてのストイックな姿勢は、さすがの実力者というよりほかない。フィジカルな鍛錬については、クロスフィットなどを取り入れながら、筋持久力や強度、心肺機能を高めている。そうしたアスリートはだしのトレーニングだけで勝ち上がれないのも、アーティスティックな競技の宿命だ。
「ダンスは、メンタルコンディションが見る人にダイレクトに伝わりやすい競技。体を酷使しすぎて、メンタルを削ってしまっては元も子もないんですよ」
結果と過程にフォーカスしながら、フィジカルとメンタルのバランスを取る。想像もつかない匙加減だが、その塩梅にこそShigekixさんならではの感性が宿るのだろう。

ブレイキンはアート。
感性を高めるインプットも重要
「感性を研ぎ澄ませることも重要で、よりよいブレイキンを表現するためには、発想力やアイデアが占める割合も高くなります。柔軟な発想から、自分にしか踊れないダンスが生まれることもありますから」
ブレイキンはアートだとも語るShigekixさん。ダンスという非常に感覚的な表現においては、インプットもまた不可欠なのだ。
「毎日、違う場所で、違う景色を見て、異なる人に出会う。さまざまなものを自分のなかに取り込むことが重要。毎日、練習にばかり根を詰めていても体がもちませんしね(笑)」
インプットとリラックス、その両面をサポートしてくれるのが、クルマだという。

「見たことのない景色は、抽象的、間接的にでも、自分にインスピレーションを与えてくれます。クルマはプライベートな空間でもありますから、大好きな音楽を聴きながら、その世界観に浸るのも大事な時間です。練習の往復だけでなく、ときにはドライブにも出かけます。まだ、頻繁には行けていませんが(笑)」
生活にGLBが加わったことで「第3の空間での新たな自分時間」が生まれたという。
「部屋と練習場の往復、たまのテレビや雑誌の撮影などで、日々のスケジュールが過ぎていってしまいます。これまでになかった“車内”というプライベート空間が、自分に特別な何かをインスパイアしてくれていると感じています」
最近は、天王洲付近が好きなのだとか。
「倉庫街や壁のグラフィティなど、風景も好きですし、お気に入りのインテリアショップもある。そこでは色んな方の個展がよく開かれているのでよく足を運んでいます。自分の好きなものが集まっているエリアです」
GLBを得たことで、行動範囲を広げているそう。
「衣装など、多い荷物の移動が楽なのは言わずもがなですが、練習後に仲間や後輩を家に送ることも増えました。練習中は、お互い踊っていて、なかなかプライベートな会話はできませんが、車内なら、“最近どう?”なんてところから、思わぬ話題になることもあります。そういうコミュニケーションは、自分が若かった頃、先輩にしてもらったこと。それを、自分が後輩にできるのもいいですね」
ドライブに始まり、荷物の移動や人の送迎など。7人乗りのGLBなら、人数が増えても安心だろう。
「メルセデスも憧れのクルマ。格闘界のレジェンド、尊敬するアスリートも乗られているのを知っていて、いつかは自分も、と思っていたんです。実は、上京したときにつくった“20歳までにやりたいことリスト”は、今回“クルマに乗る”を実現したことで、全部成し遂げました(笑)」

自分でも予想のつかない
“未来の自分”になるために
「自分は、アスリートというよりもアーティストだという自負があります。今でこそ、オリンピックの競技にもなり、注目もされ始めていますが、やはり表現のひとつ。たまたま選んだ道がブレイキンというだけなんです」
ここまで語ってもらったとおり、ストイックに我が道を追求してきたShigekixさん。とりわけ視覚的感覚にはこだわりをもっているという。
「絵を描くことも好きですが、写真を撮るのも好きなんです。だから、レンズを向けられながら、どんなふうに映されているか、自分なりにイメージするのも面白いですね」
今回の撮影は、Shigekixさんのセルフスタイリングによるもの。そのファッションセンスもどこか洗練されたものを感じさせる。
「スタイリッシュでありたいという気持ちはあります。何かを通して自己表現をしたい。これが僕の考える人生。両親から“やるならとことん”と教わり、とにかく学びたい・成長したいとここまでやってきました。まだまだ20歳の若輩者。このダンスの世界で、まだ誰も見たことがない景色を見にいきたい。続く人たちの可能性も広げられたらと思っています」
メルセデスのサポートのもと、2023年のパリ大会の後には、メダリストとして世界中から注目される未来が待っているかもしれない。
ABOUT CAR
新世代メルセデスが誇る7人乗りSUVのGLB。ミドルサイズらしい取り回しの良さと、磨かれたオフロード性能も自慢。もちろん都会のクルーズや長距離のクルーズ走行など、幅広いシーンで活躍必至。アクティブなライフスタイルの良き相棒として。