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三重県 鈴鹿市(旧東海道)
後編 椿大神社、鈴松庵、はなもも

photo/ 浜野智(glife)
text&edit/石崎由子(uraku)
navigator/田沢美亜(uraku)

2021年の歴史を持つ神社

優しくて意思の強いお二人と別れた後は、鈴鹿市の内陸の方、鈴鹿山脈の麓あたりの歴史ある神社、椿大神社へ向かいます。
椿大神社は紀元前3年創建、ということは実に2021年の歴史を持つ由緒正しい神社です。神社の背後にある高山入道ヶ嶽を天然の社として 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を主神としその妻神である天之鈿女命(あまのうずめのみこと)が祀られていることで有名です。
椿大神社のあるあたりは、一面の御茶畑が美しい場所でもあります。前回に引き続き、旅のお供はGLC 220 d 4MATIC Coupé Sports 。カラーはヒヤシンスレッド、内装は本革仕様です。SUVタイプでありながら優雅なルーフラインが特徴的です。
内陸地なので積雪もある寒い地域でもありますが、この日はお天気に恵まれ、寒さも和らいでいたので、気持ち良くドライブできました。大きなボディーの割には小回りが利くので、お茶畑の間の道も安心して運転できます。
椿大神社へ到着すると権禰宜の田中さんが私たちをお迎えしてくださいました。
実はこちらの神社、私たちにはちょっと思い入れのある神社でもあるのです。

みちびき、道開き、道別(ちわき)、興玉の神様

毎年訪れる伊勢参り、そのあとにこの椿大神社もお参りするのが恒例なのですが、初めて参拝に訪れた時に、この清々しく気持ちよい場所の虜になってしまいました。uraku結成もこちらを訪れた直後に2人同時に思いついた事なので、椿に因んだ名前をつけたほどです。そんな特別な思いを抱く椿大神社はその名前の通り、境内にたくさんの椿が植えられています。様々な品種の椿があるので、お花を見るだけでも楽しめるほどです。
この神社の主神 猿田彦大神は神話の世界では天照大神(あまてらすおおかみ)の命でこの地に降り立った、瓊瓊杵命(ににぎのみこと)を先導し導いたということで「みちびき、道開き、道別(ちわき)、興玉」の神様として知られています。新しいことなどチャレンジする時にお参りすると良いとされています。私たちもまさにそんなタイミングだったのかもしれません。
背後に高山入道ヶ嶽があるせいか、深い緑と、みずみずしく清らかな空気が境内には漂います。鳥居をくぐり参道を少し進むと左手には古代の祭祀の場所であったと言われる「御船磐座(みふねのいわくら)」があります。木漏れ日が差し込んで神秘的な場所です。その隣には古墳のようにこんもりとした小山になっている、「高山土公神陵(たかやまどこうしんりょう)」があります。こちらは猿田彦大神の御陵だそうです。
この神社が創建された頃は海水面が高く、この辺りの近くまで海が迫っていたそうです。その頃の景色は一体どのような風景だったのだろうと考えながら歩いていたら、本殿の前に到着です。

本殿は伊勢神宮と同じ神明造りという建築様式で、現在の本殿は昭和43年に建て替えられたのだそうです。それまでは見た目も伊勢神宮のようなスタイルだったそうです。
伊勢神宮は鎮座した翌年に、この椿大神社も鎮座したとのこと、他の神社とは違い、方向も伊勢の方向を向いているのだそうです。実は、毎年こちらを訪れているのですが、ずっと気になっていたことがあります。それはなぜ「猿田彦神社」という名前ではなく「椿大神社」なのだろう、ということです。田中さんに伺ってみると、どうやら「道別(ちわき)大神の社」としてこちらに鎮座されたので「ちわき」の言葉が長い年月をかけて変化して、「つばき」となりそこへ美しい漢字を当てたのではとのことでした。日本の神社や地名などではよく聞く言葉の変化のお話です。こちらもそんな変化があり、当てられた文字の「椿」を後からたくさん植えられたのだと思うと、ここを守るこの地域の人々が創り上げていったのだなと人の営みのぬくもりを感じました。 
今年は3年に1度の「椿宮獅子神御祈祷神事」(つばきのみやしししんごきとうしんじ)が行われる年でもあるそうで、2月11日から4月12日まで各地を巡舞されるのだそうです。この神事も1300年の歴史があるそうで、丑、辰、未、戌にだけ行われる神事とのこと、なかなかお目にかかれないので、また訪れたいなと密かに思いました。

猿田彦大神の妻神、天之鈿女命

本殿で参拝を済ませたら、脇にある神社へ向かいます。こちらには猿田彦大神の妻神である、天之鈿女命が祀られた「鈿女本宮椿岸神社」(うずめほんぐうつばきぎしじんじゃ)があります。
女性の神様らしく朱塗りの鳥居や本殿が美しい神社です。「鎮魂、夫婦円満、芸能上達、縁結び」の神様なのだそうです。猿田彦大神が、「道開き、興玉」とアクティブなのに対し、優しく静かで収まるイメージの神様です。2人で1つにまとまる、まさに夫婦の神様なのだなと感じました。絵馬も椿の絵柄でとても可愛らしく、並んでいると絵になる可愛らしさです。
また、こちらの神社の脇には「かなえ滝」という滝がありこちらを参拝すると、願い事がかなうのだそうです。こちらの写真を携帯の待ち受け画面にすると、良いのだそうです。こちらの水は、背後にある高山入道ヶ嶽からの湧き水らしく、その昔はこの周辺の人々の生活用水でもあったのだそうです。地域の人々に守られて、愛されていたのだなと微笑ましく思いました。

松下幸之助さんも愛した場所

実はこちらの「椿大神社」は、あのパナソニック(旧松下電器産業)の創始者、松下幸之助さんにも愛され、ご縁があったのだとか、広い境内の中には、松下幸之助さんが寄進された日本庭園と、お茶室「鈴松庵」(れいしょうあん)があります。こちらのお茶室は流派に限らず広く一般に解放されていて、誰でもお茶をいただけます。私たちも毎年、参拝の後に一服いただきに訪れています。今年ももちろん、ゆったりとした時間と美味しいお茶、お菓子をいただこうと訪れました。
小間(三畳台目)、広間(十畳書院)、立礼席の三室からなるお茶室で、静かで心落ち着く場所です。日々の慌ただしい時間から解放されてゆったりと過ごせます。
床の間には椿のお花が活けてありました。

ゆったりと時間が流れる場所

恒例の参拝を済ませ、気持ちを新たに清々しいくゆったりとした時間を、過ごした椿大神社を後にして、私たちが次に向かったのは四日市市水沢にある「はなもも」という野菜懐石のお店です。四日市市といっても隣の市のさほど離れていない場所で、同じようなお茶畑の真ん中に「はなもも」はあります。
こちらのお店を切り盛りしていらっしゃるのは つじなおこさんという小柄で優しい印象の女性です。そんなつじさんが営むお店も同じように、自然光がたっぷりと優しく入る明るいお店で、暖かくてゆったりとした空気が漂います。この空間にいるだけで、気持ちが優しくなっていく感じです。
メニューは予約制で3種類、やさい点心弁当と、やさい懐石(お肉とお魚、お野菜が選べます)、はなもも懐石、どちらもデザートとドリンクまで付いています。季節のお野菜を美味しくいただいてもらおうと、お料理はどれを取っても優しく、体に染み入る美味しさです。この空間で食事をいただいていると、まるで別の世界に入ったようで、時間の感覚を忘れてしまうかのようです。

心と体のための食事を考えて

つじさんは料理が好きでこの世界に入ってきたという経歴ではありません。人の体を作っているもの、心健やかで本当に健全な生活を送るためには、何が必要かという学習をされていて、体を作る食べ物に着目するようになり、料理家への道へ進んで行ったそうです。それぞれ、大切にこだわってつくられた食材を、丁寧に心を込めて調理して提供する、それがつじさんの大切にしているところです。そのこだわりがこのお店そのものなのだと思うと、とても納得できます。お野菜が中心ですが、お肉もお魚もあります。どれもこだわりの食材達ばかり、正しい季節の旬にもこだわり大切にしていますので、メニューは24節気ごとに変わるのだそうです。私たちが長い間慣れ親しんできた季節を感じられる和暦です。また食材だけでなく、器やお箸など、口にするものには全て気をつかっていらっしゃるのです。
またお料理を提供するにあたって、自分も優しい気持ちと、安定した心で取り組むように気をつけているのだそうです。作り手の気持ちは間違いなく作ったものに影響してしまうからだそうです。
つじさんの生まれ育った、大好きな水沢のお茶畑の真ん中で、ぽっかりと開いた異空間「はなもも」、私たち日本人が大切に引き継いできた季節感を「食」を通して感じられる心安らぐ空間です。
ふと見ると、テーブルの上の一輪挿しに椿が挿してありました。お茶の木は椿科とのこと、鈴鹿山脈麓のこのあたりの地域は、まさに椿の里なのだなと思いました。

立寄りデータ

椿大神社

椿大神社

三重県鈴鹿市山本町1871
tel:059-371-1515
http://tsubaki.or.jp
参拝時間:日の出~日の入り(大晦日は翌朝まで) 
専用駐車場はございます。

店舗データ

はなもも

はなもも

三重県四日市市水沢1638-6
tel:059-329-3454
https://hanamomo.amebaownd.com/
定休日:毎週月曜日、火曜日 
営業時間:ランチ:11:00~14:00(完全予約制)
     カフェ:14:00~夕方(予約不要)
専用駐車場はございます。

<urakuプロフィール>  http://urakutokyo.com/
ファッション誌や広告などで活躍中のモデル田沢美亜(たざわみあ)とTOKYO DRESS などのプレスやアパレルブランドのディレクションを務める石崎由子(いしざきゆうこ)の2人で立ち上げたユニット。
日本各地に残るぬくもりある手仕事や確かな技、それら日本人が大切にしてきた美意識や心を現代の生活や次世代に残し伝えていく事を目的にしています。またそこから海外への発信、架け橋になるようにと活動を続けています。

<Special Thanks>
ROPE ETERNEL:Jacket
ROPE ETERNEL:Pants
Continuer:Sunglass

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