She’s Mercedes meets Japan / Vol.3

埼玉 坂戸市から比企郡小川町へ(旧街道児玉往還) 後編 割烹旅館二葉、小川町和紙体験学習センター、埼玉伝統工芸会館

日本各地に今も伝わるぬくもりのある手仕事や、受け継がれてきた確かな技を次世代へつなげて行こうと活動をしている「uraku」、彼女達が旅のみちみちで出会う日本の美しい風景や物、事、をメルセデスと共にみつめる旅紀行。女性2人ならではのゆったりとしたロードストーリーの行き着く先は・・・

photo/ 濱野智(glife) text&edit/石崎由子(uraku) navigator/田沢美亜(uraku)

旧街道児玉往還(別名秩父往還)をたどって

和紙アーティストの森田さんの工房で和紙の魅力を再発見させていただいた私達は、森田さんの技術を育んだ和紙のふるさと小川町へ、行ってみたくなりました。
森田さんにあれこれ伺い、さっそく比企郡小川町へ、江戸時代は児玉往還とよばれた街道をメルセデスGLC 220 d 4MATIC Sportsのセレナイトグレーで進みます。
ちょうどお昼の時間なので、まずはいつもどおり、おいしいランチをいただこうと小川町で270年の歴史を誇る「割烹旅館二葉」へ向かいます。

山岡鉄舟が名付けた「忠七めし」

小川町の駅からもほど近い市街地に「割烹旅館二葉」はあります。国登録有形文化財に指定された建物は昭和8年に建てられた二階建ての数寄屋造りでありながら、どこか洋風の様式を取り入れたモダン和風のスタイルが印象的です。本館の入り口に掲げられた大きな看板は江戸幕末期、江戸無血開城の立役者として活躍した山岡鉄舟の書から作られていて、重厚な重みを与えています。中へ入ると柔らかく間接的な日の光が美しい空間が待っています。内装の土壁は、さびを利用して仕上げられる蛍壁になっていて、壁を見るだけで、手間をかけて丁寧に作られた心が感じられます。割烹旅館として創業し、270年を迎えるこの老舗は、前述した山岡鉄舟がこの地にゆかりがあった事もあり、頻繁に訪れていた様です。
日本五大名飯とうたわれる「忠七めし」はそんな交流から生まれたそうです。
歴史にも詳しい、14代目の当主八木さんが、建物のこだわりや、小堀遠州流の流れをくむ庭園のしつらえ、忠七めしの事など、歴史的事象を交えながら詳しくお話してくださいました。

昼食は新館の庭園が見える落ち着いた部屋で、かごにお造りなどまとめたものに「忠七めし」がついてくる「はなかご膳」をいただきました。(国登録有形文化財に指定された本館は保全のためお食事はできません)
「忠七めし」はご飯に薬味や海苔をのせてその上に秘伝のおつゆをかけていただく、お茶漬けの様な食事です。当時八代目の忠七に山岡鉄舟が「調味に禅味を盛れ」とお話しされ、忠七が苦心して作り上げた逸品なのだそうです。「剣(わさび)禅(のり)書(ゆず)」それぞれこだわり抜いた食材を盛り込み、その味をまとめる秘伝のおつゆでいただくのだそうです。海苔は「山本海苔」、おつゆの鰹節は「にんべん」とどちらも日本橋の老舗の素材を当時から使っていたようで、江戸の町との交流が盛んだった事がうかがえます。
おひつをあけると、初めにほんのりと海苔の良い香りが漂います。ご飯を茶碗にもり、好みで薬味をのせ、熱いおつゆをかけて、ささっと口の中に入れてみると、味のバランスがとにかく絶妙です。さらさらっと食べてしまうので本当に美味しくて、何杯もおかわりしてしまいます。日本五大名飯とうたわれる事に、おおいに納得のメニューです。

ユネスコに無形文化遺産として登録された小川の「細川紙」

小川町の味と歴史に満たされたあとに目的の「小川町和紙体験学習センター」へ向かいます。前編で登場していただいた森田さんは、こちらで働きながら学ばれたそうです。こちらは埼玉県製紙工業試験場だった場所をそのまま引き継いで運営されている場所で、昭和11年に建てられたモダンな建築物も見所となっています。初心者や、気軽な体験から、しっかり学びたい方まで幅広く対応しています。せっかくここまできたのですから、もちろん体験させて頂きました。
体験させていただいたのは、短時間で出来るはがきの紙漉きを体験するコースでした。

体験が終わった後、館内を案内して頂き、原料や製作工程を説明していただきました。
森田さんにも伺っていましたが、和紙へ加工する工程途中段階の「こうぞ」の様々な状態を実際に見せていただいたり、もう一つの原料の「とろろあおい」を見せていただいたりと、詳しく学習が出来て有意義な時間がすごせます。小さなお子様も体験出来るので、家族で訪れるのもお勧めです。
小川町でユネスコに無形文化遺産として登録された和紙は「細川紙」と呼ばれています。特徴としては、とても丈夫であるところ、なのだそうです。小川町はお昼に訪れた二葉楼さんでもうかがったように、江戸にほど近く、そのうえ秩父山系のきれいな湧水が豊かな場所ということで紙漉きが盛んになりました。主な売り先は江戸の商人や、お役人さんだったそうです。江戸は火事が大変多く、火事が起こった時に商売に大切な大福帳を井戸に投げ入れておき、火が収まるとまた引き上げ使用する事ができたのが小川町の和紙なのだそうです。江戸の需要にあわせて、丈夫で美しく紙を漉く技術を高めていったのだと思います。
全盛期には1000件ほどあった紙漉の工房も今では片手で数えられるほどに減ってしまったのだと、案内して下さった保田さんがお話しして下さいました。
保田さんたち、小川町の和紙普及宣伝グループの皆さんは、少しでも和紙の魅力を知っていただこうと、日々様々な活動を行っています。小川町に訪れたら是非立ち寄って頂きたい場所です。

新しい和紙の可能性をさがして

保田さんに様々な和紙や、和紙を使った商品がたくさんあるとうかがい、次は「埼玉伝統工芸会館」へ向かいます。ここでは、簡単な紙漉体験もできますし、様々な和紙や、和紙の商品を買う事ができます。和紙の色数も実に豊富でいろいろな側面を見る事ができます。美しく丈夫な和紙制品はとても魅力的です。前半で登場して頂いた森田さんの様な和紙アーティストの方の作品もいくつか見られますので、和紙の新しい可能性を発見できるかもしれません。

割烹旅館二葉

店舗データ

割烹旅館二葉
埼玉県比企郡小川町大塚32
tel:0493-72-0038
http://ogawa-futaba.jp/
定休日:毎月 月曜日
営業時間:昼席:11:30~14:00
夕席:16:30~20:00(19:00ラストオーダー)
専用駐車場はございます
国登録有形文化財に指定されております本館ではお食事はできません

小川町和紙体験学習センター

立寄りデータ

小川町和紙体験学習センター
埼玉県比企郡小川町小川226
tel:0493-72-7262
http://www.town.ogawa.saitama.jp/0000001515.html
定休日:毎月 火曜日 (火曜日が祝日の場合はその翌日)
年末年始
営業時間:9:00~16:00
専用駐車場はございます

立寄りデータ

埼玉伝統工芸会館
埼玉県比企郡小川町小川1220
tel:0493-72-1220
http://www.saitamacraft.com/
定休日:毎月 月曜日 (月曜日が祝日の場合は開館)
祝日の翌日(この日が土、日曜日、祝日の場合、開館)
営業時間:9:30~16:30
専用駐車場はございます

イベント情報

小川和紙の日制定記念 「小川和紙フェスティバル」
平成29年11月25(土)~27日(月) 9:30〜15:30
展示・体験・実演・講演 の4テーマでイベントを開催
イベント参加費は無料です。

<urakuプロフィール>  http://urakutokyo.com/
ファッション誌や広告などで活躍中のモデル田沢美亜(たざわみあ)とTOKYO DRESS などのプレスやアパレルブランドのディレクションを務める石崎由子(いしざきゆうこ)の2人で立ち上げたユニット。
日本各地に残るぬくもりある手仕事や確かな技、それら日本人が大切にしてきた美意識や心を現代の生活や次世代に残し伝えていく事を目的にしています。またそこから海外への発信、架け橋になるようにと活動を続けています。

<Special Thanks>
Continuer:Sunglass

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