
著書「村雨辰剛と申します。」新潮社より Photo: Naoki Kimura

村雨さんの仕事着、印半纏(しるしばんてん)と著書。マークは、彼のスウェーデンの家紋と 日本の家紋にある「三つ追い組み松葉の丸」を組み合わせてデザインしたもの

メルセデスに宿る職人魂に共感
スウェーデン生まれの村雨さんは、中学生の時に歴史の授業で日本の戦国時代について学んだことをきっかけに興味を抱く。高校生の時にホームステイで日本を訪れ、さらに強い興味を持った彼は19歳で移住。23歳で造園の世界に飛び込んだ。
「ライフワークとして日本の伝統文化に関わりたいと思っていました。そんな時、たまたま住んでいた家の近くの造園屋さんが職人を募集していて。そこで見習いから始めました」
和の美というものは、自然由来のものだと思っている、と村雨さんは話す。そんな自然と直接対話する庭師という仕事には、日本の文化を理解したかった彼にはぴったりの職業だった。庭師になって3年が経つ26歳の時、日本に帰化した。

「以前はアメ車にも乗っていました。エンジンの振動や匂いといった、機械が動いている実感があるものが好きで。大型バイクにも興味があります」
そんなメカ好きの村雨さんは、メルセデスに、他のカーブランドにはない魅力があると言う。
「メルセデスは、機能性を重視した上質なブランドというイメージがあります。特に強く感じるのは、メルセデスのクルマには“職人魂”があるなと。AMGという高い技術を追求するパフォーマンスブランドがあることや、そのエンジンには組み立てを担当したマイスターの名前が記されていることは、技術に強いプライドを持っていることの表れ。とても好感を持っています」
庭師としての村雨さんには、中途半端なものは世に出したくないという強いこだわりがある。そんな彼流の職人魂をメルセデスにも感じると言う。

美しいデザインと上質な素材の
インテリアが魅力
「職人魂という点では、電気自動車のEQEにも魅力を感じます」
そう話す村雨さん。今回試乗したEQEにも好印象を持った。
「まずエクステリアは、クリーンなラインで構成されたデザインが印象的です。非常にシンプルでかっこいい。無駄な装飾がなく、ミニマリズムに通じる美しさが随所から感じられました。運転席に座ると、運転姿勢を崩すことなく操作に必要な動作が可能なように計算し尽くされていることを感じました。一言でいえば、とても使いやすいクルマだと思います」
石や苔、水面や植物、そして木々。さまざまな質感のマテリアルを駆使して美しい庭園を作り出す村雨さん。EQEのインテリアについて、彼ならではの視点で教えてくれた。
「レザーのしっとりとした質感、アルミニウムの金属感が印象的に配置されていると感じました。樹脂のパーツの表面の処理も含めて、随所に高級感が演出されています。使われているどの素材の質感もチープなものではなく上質。メルセデスには自然と高級感を期待してしまいますが、全く裏切らない、美しく整った空間が作り出されていますね」


「運転していても非常に乗りやすい」と語る村雨さん。印象的だったのは、システム最大出力215kWのEQEの持ち味でもある、電気自動車ならではの立ち上がりの良さ。
「電気自動車だけあって瞬間的に出るパワーがタイヤに直接伝わり、アクセルを踏んだ分だけすっと移動できる感覚が気持ち良いです」
さらに指摘するのは、走る、曲がる、止まるといった基本性能の高さだ。普段彼が乗っている小さなクルマと比較すると、EQEは全長4,955mmで全幅は1,905mmの5人乗りセダンということもあり、サイズはずいぶん異なる。
「狭い道路は走りづらいのかなと思っていたんですが、乗ってみたら意外にも楽。視界が取りやすいように工夫されているのか、クルマの周りの状況も分かりやすいですし、ステアリングの反応もよく、操作した通りにすっと車体が向きを変えてくれる。ブレーキを踏めば気持ちよくピタリと止まってくれます。乗り心地も非常によいですね。車内がとても静かでリラックスできるので、まるで日本庭園を見て気持ちが落ち着くような感覚です」
EV専用アーキテクチャーを採用したことによる、安全性、強度・剛性、そして軽量化を高い次元でバランスよく備えたボディ。そして低重心をもたらすバッテリーレイアウトやリア・アクスルステアリング、さらにAIRMATICサスペンションによる、スムースな挙動と安定感あるハンドリングといったEQEの特長が、村雨さんのコメントには凝縮されている。

フル充電での走行距離は624km(WLTCモード一充電走行距離*)

充電は普通充電(AC200V)と急速充電(CHAdeMO)に対応
長く使い続けたくなる
サステナブルなクルマ
サステナビリティの点で世界を先導する北欧で生まれた村雨さん。クルマ文化について日本との違いを感じることはあるのだろうか。
「僕が生まれたスウェーデンは人口がものすごく少なくて、人口密度も低い。だから家と家の間には距離があって、働く場所や買い物をする場所も遠いんです。クルマがないと生活できないのでみんな持っていますが、日本人よりも一台のクルマを長く乗り続けている印象があります」
クルマに限らず、家をリフォームしたり、家電が壊れたら修理したり、モノを長く使うという点が日本と異なると村雨さんは語る。
「日本と比べて湿度が低くて地震もないから、モノが長持ちする。自然環境の違いもあるでしょう。ただ、スウェーデンの人たちの古いモノを使い続けて経年変化で生まれる味を楽しむ文化は、日本の“侘び寂び”に通じるものがあるかもしれません。長く使い続けられるモノってどういうものか考えると、やっぱり職人魂と真心を持って作られていると思います。さきほどお話しましたが、職人魂を感じさせるモノづくりができるメルセデスが生み出したEQEなら、長く乗れて、時間の経過と共に味わい深くなっていくのかなと想像が膨らみますね」

こだわり抜いた素材で生まれる
ラグジュアリー
EQEについて語り始めると止まらない村雨さんだが、訪れた庭園はどのように写ったのか。
「コンパクトなスペースですが、山の斜面を活かして奥行きを出すよう作り込まれているので、ダイナミックに見えます。僕の好きな、室内から見ることを想定した鑑賞式の庭園ですね。とても気に入りました。改めて、自然と対話できる空間としての日本庭園は、僕にとって一番心を満たしてくれる場所だと感じましたよ。EQEの随所に見られるミニマリズムのように、日本の侘び寂びも普遍的に心を豊かにしてくれる価値観。このクルマも日本の古き良き文化も、この先の時代で良い形で残り続けてくれるといいなと思います」

最先端のラグジュアリーを象徴するEQEと、日本の伝統的文化を象徴する上質な日本庭園を共に体感した村雨さんは、ラグジュアリーとはどのようなものだと考えているのだろうか。
「素材へのこだわりじゃないかな。庭師の観点で言えば、例えば良い石を使うことがそれに当たると思います。やはり立派な石は高価なのですが、完成した印象は大きく違うんですよね」
こだわり抜いた良い素材を使う。そこから生まれるものがラグジュアリーだと村雨さんは言う。村雨さんがEQEのインテリアを語ったときに、まず素材の上質さを指摘したのは、そんな考えからだろう。

日本の美意識に魅了された村雨さんが、日本の伝統文化である日本庭園とメルセデスの最先端の電気自動車を体験した今日。村雨さんにとってはどんな体験だったのだろうか。
「最新の電気自動車にはやっぱりワクワクしましたし、今日乗ったEQEはどんなクルマなのかなとずっと楽しみにしていたんですよ。同じように日本庭園を見るときには、スウェーデン人だった自分にとって新しい文化を体験するワクワクがあります。常に自分がユニークな環境にいるという視点は、ずっと持ち続けていたいと思っているんです」
EQEも日本庭園も、村雨さんにとって新しい刺激を与えてくれる存在。充実した笑顔が、今日村雨さんが感じた喜びを雄弁に物語っていた。
PROFILE
PROFILE
村雨辰剛 / Tatsumasa Murasame
1988年、スウェーデン生まれ。中学の世界史の授業で日本に興味を持ち、独学で日本語を習得。高校時代に初来日しホームステイ先で様々な日本文化に触れる。19歳で日本に移住。語学能力を生かし、スウェーデン語や英語の教師として働き始める。日本古来の文化と関わって仕事をするために23歳で造園業の見習い庭師に転身。26歳で帰化、日本国籍取得と同時に村雨辰剛に改名。現在は庭師としての仕事に軸足を置きつつ、俳優やタレントとしても活躍。「みんなで筋肉体操」、「カムカムエヴリバディ」(NHK)に出演。著書に「僕は庭師になった」(クラーケン)、「村雨辰剛と申します。」(新潮社)がある。
【着用アイテム】※全て税込価格
セットアップのジャケット¥31,900・パンツ¥17,600、ニット¥14,300/全てRAXA(ザ・スーツカンパニー 新宿本店 TEL:03-3226-3319)、スニーカー¥25,800/BajoLugo(FatherR TEL:078-380-5281)
ABOUT CAR
メルセデスのEV専用プラットフォームを採用したエグゼクティブセダン。エクステリアは、ショートオーバーハング、ロングホイールベースがもたらす独自のプロポーション、美しい弧を描くルーフライン、豊かな表情をまとう滑らかな面が特徴。WLTCモード一充電走行距離624km。
* WLTCモードでの一充電走行距離の数値。定められた試験条件のもとでの数値のため、お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、整備状況(タイヤの空気圧等)に応じて値は異なります。電気自動車は、走り方や使い方、使用環境等によって航続可能距離が大きく異なります。
SPOT INFORMATION
能仁寺
ADDRESS 埼玉県飯能市飯能1329
TEL 042-973-4128
駐車場 あり