
コンパクトながら存在感を放つ上品な佇まい
撮影したのは、新型Aクラス セダン。コンパクトなボディサイズであり都会の狭い道でもスムーズに運転できる操作性の高さが親しまれてきたAクラスが、新たに全体としてスポーティなプロポーションに進化したことで、より上質さが増した。コンセプトである「格別な毎日を。」の通り、日常使いすることで、生活が豊かになるような高揚感を与えてくれる一台と言えるだろう。
小川さんは、スティルライフフォトの分野で活躍するフォトグラファー。物言わぬ被写体が潜在的に備える特徴を的確に捉え、独自の撮影技術を用いて被写体の個性を際立たせるアート作品のような写真を撮ることに定評がある。
そんな彼は今回、新型Aクラス セダンがコンパクトとラグジュアリーを併せ持つという一面に着目。さらに、クルマの全景とディティールという異なる箇所を見てもメルセデスの美的意識が一貫していることを表現したいという意図から、2つの手法で撮影した。

まずは、高級感を感じるきらびやかな鉱物とともにクルマ全体を撮影。遠近法を利用することによって、手のひらサイズの鉱物たちとクルマが同じ大きさであるかのようなトリック写真に仕上げた。

撮影に鉱物を用いた理由はというと、撮影前、クルマについて調べていた小川さんが、交通状況に応じてハイビームとロービームを切り替えて照射範囲を自動調整するアダプティブハイビームアシストを搭載したヘッドライトに対し「鉱物のように見える繊細な作りが印象的」と感じ、インスピレーションが湧いたからだという。



次に手法を変え、照明を使って新型Aクラス セダンのディティールを切り取った。軽快な走行性能を印象付けるデザインアクセントであるボンネットのパワードーム、上質さを高めるスターパターングリル(AMGラインパッケージのみ採用)、水平基調にしたことでよりシャープな印象を与えるLEDリアコンビネーションランプなど、フォーカスするデザインに照明を当てることでドラマティックに演出。コンパクトな車体ながらも、妥協なく作り込まれた細部に気品を感じる作品になった。

撮影後にクルマの感想を訊くと「新型Aクラス セダンはコンパクトながらに佇まいがラグジュアリーなので、とても存在感がありました」と小川さん。
小さな車体に秘められた新型Aクラス セダンの魅力は、まだまだ計り知れないだろう。
PROFILE
小川 真輝 / Masaki Ogawa
1984年京都府生まれ。陶芸、テキスタイルデザイン、彫刻を学んだ後、広告カメラマンに師事、2014年に独立。『Casa BRUTUS』、『Pen』、『VOGUE JAPAN』、『FIGARO japon』等の雑誌で、インテリアやジュエリー、コスメなどの物撮影をメインに活動するほか、美術品、空間なども撮影する。
ABOUT CAR
マイナーチェンジを果たした新型Aクラス。エクステリアは、ダイナミックでありながら安定感のあるフォルムに、シャープな印象を与える前傾したフロントグリル、大型のエアインテークがあしらわれたフロントバンパーなどをレイアウト。毎日を心のままに駆けるための、力強いスポーティネスをまとった一台。