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SUPER GT 2021

2021年SUPER GTニュース

words:Takeshi Sato

ツーリングカーで競う日本最高峰のレース、SUPER GT。メルセデスAMGの活動をレポート。

レーシングカーを大きくわけると、街を走る市販車をベースにしたツーリングカーと、タイヤがむき出しのフォーミュラカーにわかれる。SUPER GTは、ツーリングカーで競う日本最高峰のレース。日本のレースで最も多くの観客を集める、華やかなイベントでもある。

2021年シーズンの展望をお伝えするにあたっては、まず異例ずくめだった2020年シーズンを振り返っておく必要があるだろう。
新型コロナウィルスはモータースポーツ界も直撃、4月に開幕する予定だったSUPER GTも延期を余儀なくされた。結局、第1戦が行われたのは7月19日で、予定されていたタイとマレーシアの海外2連戦は中止。国内のレースも富士スピードウェイ、ツインリンクもてぎ、鈴鹿サーキットの3箇所に限定して開催された。
開幕から第4戦までは無観客とし、以後、徐々に観客数の上限を引き上げながら感染症対策に万全を期した。

今シーズンは、4月10日に岡山国際サーキットで開幕、11月27〜28日に富士スピードウェイで開催される最終戦まで計8戦が行われる予定になっている。昨年とほとんど変わらない数のチームがSUPER GTにエントリーしているとのことだ。

さて、閑話休題、SUPER GTというレースをご紹介したい。
SUPER GTには、他のレースと違う特徴がふたつある。まずひとつは、GT300とGT500というふたつのクラスが一緒に走ること。もうひとつは、1台のマシンを2人のドライバーで走らせることだ。つまり、レース途中でドライバー交代があるのだ。
2つのカテゴリーが混走し、ドライバー交代があることからレースは複雑になり、劇的なドラマが生まれる要素も増えることになる。

Mercedes-AMG GT3はふたつのクラスのうち、より市販車に近いGT300クラスに属する。GT300クラスには、Mercedes-AMG GT3をはじめとして、世界的に人気のあるGT3というカテゴリーのマシンが数多く出走する。
街で見かけるスポーツカーが競うことから、「ひいきのメーカーを応援するのに感情移入がしやすい」という声がある。また、世界の名車が揃うGT300クラスは、「スポーツカー世界一決定戦」と紹介されることもある。

GT300クラスに出走するマシンはバラエティ豊かで、たとえばエンジンの搭載位置ひとつをとっても、車体前方、ドライバー背後、車体後方と、さまざまだ。また、Mercedes-AMG GT3のように国際的な規格であるFIA-GT3に則ったマシンもあれば、日本独自の規格であるJAF-GTに則して開発されたマシンもある。

千差万別のマシンが競うのがこのクラスの魅力だが、あまりに車両の性能に差があるとレースが成立しない。そこで行われるのがBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)と呼ばれる性能調整だ。
エンジン出力を抑えたり、車体を重くするなど、さまざまな方法で各マシンの性能を一定のレベルに揃えるのだ。このBoPのさじ加減が関係するので、どのマシンが勝つかはふたを開けるまでわからない。シーズンを通じて他を圧倒するチームやマシンはほぼ皆無で、常にエキサイティングな接戦になることがこのレースの大きな魅力だ。

2016年シーズンより、SUPER GTのGT300クラスには市販モデルのMercedes-AMG GTをベースに開発したMercedes-AMG GT3が投入されている。
Mercedes-AMG GT3は、2020年モデルへの移行時に大幅な改良を受けるとともに、外観にも手が加わった。性能面では、空力性能が大幅に向上したことがポイント。ルックスでは、1950年代のレースで大活躍した名車、300SLをモチーフにしたグリルが目を惹く。性能もルックスも大きな改良が加わったことから、Mercedes-AMG GT3“Evo”と呼ぶ声もある。
2021年シーズンも、引き続きこのMercedes-AMG GTで戦うことになる。

過去の戦績を振り返れば、2017年はグッドスマイル 初音ミク AMG、2018年にはLEON RACING AMGと2年連続してチャンピオンを獲得したMercedes-AMG GT3であるが、2019年はグッドスマイル 初音ミク AMGの年間3位が最上位。
2020年は長足の進歩を遂げたMercedes-AMG GT3“Evo”で巻き返しを図り、3カ月遅れの開幕戦でLEON PYRAMID AMGがポールポジションを獲得。第4戦ではLEON PYRAMID AMGが優勝を飾るなど速さを見せた。
最終的には同チームの年間ランキング3位が最上位となったが、Mercedes-AMG GT3“Evo”のポテンシャルは証明されたと言っていいだろう。2021年シーズンは、この速さをどれだけ安定してものにできるかが課題となる。

2021年のGT300クラスは、2018年にチャンピオンを獲得したLEON PYRAMID AMG、2017年の王者であるグッドスマイル 初音ミク AMG、そしてMercedes-AMG GT3で4年目のシーズンとなるアールキューズ AMG GT3とARNAGE AMG GT3の4チームが参戦。 他ブランドとの争いはもちろん、同じMercedes-AMG GT3を走らせるチームでどこが一番速いのかという点にも注目が集まる。

最後に、GT3はカスタマーモータースポーツとも呼ばれることにふれておきたい。
レースに出走するためのライセンスを取得する必要はあるが、Mercedes-AMG GT3を購入して、メインテナンスを担当するレーシングチームを雇えば、だれでもレースに参戦できるのだ。つまり、アマチュアのジェントルマンドライバーの最高峰という側面もある。もしかすると自分や友人が出走することがあるかもしれない、そんな可能性もあるレースなのだ。

TEAM

Car No.4
GOODSMILE RACING & TeamUKYO

GOODSMILE RACING & TeamUKYO

グッドスマイル 初音ミク AMG
監督:片山右京
ドライバー:谷口信輝/片岡龍也

Car No.22
R’Qs MOTOR SPORTS

R'Qs MOTOR SPORTS

アールキューズ AMG GT3
監督:黒田朋宏
ドライバー:和田久/城内政樹

Car No.50
Arnage Racing

Arnage Racing

ARNAGE AMG GT3
監督:伊藤宗治
ドライバー:加納政樹/柳田真孝

Car No.65
K2 R&D LEON RACING

K2 R&D LEON RACING

LEON PYRAMID AMG
監督:黒澤治樹
ドライバー:蒲生尚弥/菅波冬悟

CAR

エンジン形式:V型8気筒
エンジン排気量:6.3ℓ
最高出力:非公表
トランスミッション:6速シーケンシャル
最高速度:310km/h

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