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【SUPER GT 2017 REPORT】第4戦 SUGO

words:Takeshi Sato

3度もセーフティカーが導入される、荒れに荒れたレース。
混戦を制したのは、GAINER TANAX AMG GT3!

「魔物が棲む」。
宮城県の仙台近郊に位置するスポーツランドSUGOは、そう言われるほど毎回ドラマが起こるコースである。
そのスポーツランドSUGOを舞台に、7月22日(土)、23日(日)SUPER GT第4戦が開催された。

山間部にあるこのコースの特徴は、アップダウンが連続する地形を活かしたテクニカルなレイアウト。特に最終コーナーからメインストレートにかけての急激な登り勾配のカーブは、パワー、足まわり、空力性能など、マシンのポテンシャルが露わになる要チェックポイントである。また、テクニカルなレイアウトである上に1周が3.704kmと短いために周回遅れが他のコースより多く発生し、しかも山間部であるために天候が変化しやすい。こういった条件が合わさり、毎年劇的なレース展開となるのだ。果たして、今回も「魔物」は現れるのか。

予選が行われた土曜日は、開始直前に雨がパラついたものの、ドライの路面コンディションで行われた。
GT300のカテゴリーには、Mercedes-AMG GT3に代表されるインターナショナルなFIA GT3規定、日本独自のJAF-GT300規定、そしてレースを運営するGTアソシエイション(GTA)が供給するGT300マザーシャシーという3つのレギュレーションが存在する。スポーツランドSUGOは、JAF-GT300規定とGT300マザーシャシーに有利だと予想され、実際に予選の上位はこの2つのカテゴリーのマシンが占めた。
Mercedes-AMG GT3の最上位は8位のグッドスマイル 初音ミク AMG、続いて9位にLEON CVSTOS AMG。そして、17位のGAINER TANAX AMG GT3。この時点では、驚くようなドラマが起きるとは誰も予想ができなかった。

決勝が行われた日曜日は、朝から雨。なにやら波乱の気配が漂い始める。レーススタート時点の気温は25度、路面温度は27度。さらにスタート直前になって雨があがったが、フォーメーションラップ中に再び雨粒がコースを打つ。このような難しいコンディションもあり、各チームはタイヤ選択に頭を悩ませることになる。
レーススタート後、やはり「魔物」が存在するのか、クラッシュや接触などでセーフティカーが導入される。その中で着々と順位を上げたのがGAINER TANAX AMG GT3のスウェーデン人ドライバー、ビヨン・ビルドハイム。F1のテストドライバーの経験もあるベテランは、混乱の中で着実に順位を上げ、一時は6位につける。そして、このレース3回目のセーフティカーが勝負の分かれ目となる。

53週目にレースが再開されると、この時点でピットインをしていなかった上位チームが相次いでピットへ。その隙に、すでにピットを済ましていたGAINER TANAX AMG GT3がトップに浮上、2番手にFerrari 488 GT3、その後ろをグッドスマイル 初音ミク AMG、VivaC 86 MCが続いた。

ビルドハイムは、自身がステアリングホイールを握った前半戦をこう振り返る。
「最初の10周はいろんなアクシデントがあり忙しかったです。けれども、セーフティカーが入ったらピットインするというチームの戦略がうまく機能しました」

ビルドハイムからバトンを受けた平中克幸は、2位に7秒以上の差を付け、トップでチェッカーを受けた。レース展開の読みがずばりと当たった会心のレース。そしてグッドスマイル 初音ミク AMGも粘り強い走りを見せ、4位入賞を果たす。

平中克幸は、チームへの感謝を口にした。
「第3戦から約2か月ぶりのレースでしたが、ピットワークの時間が非常に速くなっています。ピット作業のおかげで築くことができたマージンを、なんとか守ることができました」

終わってみれば、GAINER TANAX AMG GT3にとっては「魔物」ではなく「勝利の女神」が微笑んだのか。実に16台抜き、2014年シーズンの最終戦もてぎ以来待望の優勝となった。

次戦は8月5日(土)、6日(日)に、富士スピードウェイで開催される。

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