日本サーフィン界のシンボル、大野修聖
静岡県下田出身、両親がサーファーという環境に育ち、常にサーフィンと海とともに生きてきた大野修聖は、日本のサーフィン界を牽引するプロサーファーだ。世界中を旅し、国内外を問わず、数々のタイトルを手にしてきた大野だが、現在の活動はプレイヤーとしてだけではない。サーフィンの更なる発展を目指し、アンバサダー的存在としてサーファーズ・マインドを広め、発信し続けている。「世界に一番近い男」が目指す頂は、必ずしも表彰台の景色だけではない。大野が背負うものは、サーフィンのあるべき姿とその未来なのだ。
日本の海をもっと感じたい

今回、プロサーファーの大野修聖は、「GLE」とともに「Driven by Heart」の旅に出る。
その旅先に選んだ場所は、ふたつ。初めて訪れる北海道の海とホームタウンの伊豆下田の海である。
「北海道の海は、国内では唯一と言っていいくらい、まだサーフィンをしたことのない未開の地。だからどんな海なのか挑戦したいんです。伊豆下田は僕の生まれ育った場所。他郷と故郷。初めて入る海と何度も入ってきた海。真逆の地で何を感じるのか、自分で自分を見てみたかった」と大野は言う。
まず向かう先は、北海道・帯広の海。様似町冬島と浦幌町昆布刈石、百人浜へのサーフトリップだ。「GLE」のフラットで広いラゲッジルームに大量の荷物を積み込む。サーフボードにウェットスーツ、ギター、ヨガマット、タオル……。「多い時は、サーフボードも10本くらい積みますが、“GLE”のラゲッジルームの広さなら全く問題ないですね」
新型「GLE」には、リアバンパーの下側に足を近づければ自動にテールゲートが開閉するフットトランクオープナー(テールゲート自動開閉機能)が初採用されているため、「サーフボードを抱え、手が塞がった状態でも荷物の出し入れができるのは嬉しいですね」
自然界への敬意。僕は余所者

様似町冬島は波が立たない静かな海ゆえ、テイクオフはできないが、「海とのフィーリングを見るのに最適」と言う。なぜなら「サーフィンはパドリングが基本中の基本なので、波に乗れなくてもそれだけは毎日練習するのでちょうど良いです」と言葉を続け、一歩一歩海へと向かう。到着した時間も手伝い、夕日が沈む中、ドラマチックな風景を形成する。北海道の海とのファーストコンタクトは、どのようなものだったのか。
「自然界からすれば自分は余所者。こちらは入れて頂いている身ですから、北海道の海に敬意を表し、失礼がないようご挨拶をさせて頂きました」。儀式ともうかがえる行為は、この海に限ったことではなく、全ての海で必ずしていると言う。そして、時折口元へ海水を運び、濡れた腕をゆっくりと何度も撫で、海との相性を心身で確認していく。何かを感じているようだが、まだそれを言語化するには及ばない。
荒々しい北の歓迎も「GLE」と乗り越える

百人浜では、地元サーファーとの出会いにも恵まれ、全長約15kmはある海岸の中でも南のシークレットポイントへ「GLE」と向かう。こうしたサーファーとのコミュニケーションや予定調和ではないライヴも旅の醍醐味だ。この日、大きな波こそないものの、多角的な方向からそれが寄せては返す。大野の特徴ともいえる入念なストレッチヨガを終え、いざ海へ。まるで波の動きを予測するかのように、波から波へ乗り換え、自分だけが描けている波筋の道を走る。途中、雨風にもみまわれたが、そんなことは関係ない。むしろ、そんな自然との一期一会な真剣勝負を楽しんでいる。青空や太陽はそこにない。自然はこちらの都合で晴れた世界を与えてはくれない。だが、雨が降れば降るほど、風が強くなればなるほど、大野は海から上がろうとしない。その姿は、まるで自然に試されているかのようにも見える。時間はどんどん流れていく。気が付けば2時間は過ぎていた。海から上がった大野の息は荒い。

「GLE」には、車という概念を超えた新機能がある。それがエナジャイジングパッケージだ。空調、照明、音楽、パフュームアトマイザー、シートの快適機能などをトータルでコントロールし、リラックス効果をもたらす。リフレッシュ、バイタリティ、トレーニングのプログラムが選べる他、運転時間なども考慮した提案もこの機能がしてくれるのだ。加えて、Garmin vivoactive3スマートウォッチ(Mercedes meにて販売)を使えば、心拍数やストレスレベルを分析し、オリジナルのプログラムを更に提案。心地よいドライブをサポートしてくれる。
「初めて入る海は、自分でも無意識に緊張し、知らず知らず疲れが溜まっていると思います。そんな時、このように“GLE”が心身をリラックスさせてくれるのは嬉しい限りです。大会がある時にもぜひ、サポートしてもらいたい。アスリートにとってはトレーナーのような存在(機能)。まるで車とサロンが一体になったようです」
応えは見つからない衝き動かされた心の行方

タフな道や砂浜を「GLE」とともに走り、その力強さを全身で感じる。 「険しい道や環境ほど、“GLE”のポテンシャルの高さを感じますね。洗練されているけど筋肉質でダイナミック。僕もそうなりたい(笑)」
そう言って向かった先は浦幌町昆布刈石。ここは、携帯電話の電波も届かないような秘境だ。広大な海は無人。その許容こそ感じるものの、どこか狂気すら漂う。荒々しい岸壁がまるで大野を見下ろすようにその身を構え、その他に周囲は何もない。生きる芸術的風景のそこは爆発的な生命の力を感じる。
ここでは、テクニックのサーフィンは意味を成さない。長い時間波に乗り、じっくり海と会話するようなサーフィンこそ最適なスタイルだ。それは同時に、大野が海と真摯に向き合う気持ちも意味している。北海道の海は初会ということもあり、海も大野も互いに緊張感を持った対峙だったのかもしれない。ただ、回数を重ねれば、いつか心と心が通う時がくるだろう。
「本州の海であれば、そのバイブレーションを想像できるのですが、北海道は未開の地。今回は、北海道の海が自分を受け入れてくれたような感覚があります。ですが、1度だけでは心を通わすことはできない。海はそんなに容易い相手ではないと思っています」
大きな波に乗り、魅せるサーフィンだけがサーフィンではない。「大切なことは、波の高さや天候ではなく、フィーリング」。更に、その旅先が知らない土地であれば、冒険心が掻き立てられるだろう。それは距離の問題ではない。心の問題だ。
大野は北海道の海の魅力に引き込まれ、ハンドルを握りながら帰路へ向かう最中にゆっくりと今回の旅を振り返り、自分が何を感じたのか己と対峙し、その記憶を丁寧に手繰り寄せる。そんな風に集中できる空間もまた、新次元の快適性を車内にももたらす「GLE」だからこそ。
「今まで感じたことのない何かが確実に芽生え、心が衝き動かされました。でもまだその応えはわかりません。ただ心が衝き動かされた直後に溢れ出た感覚はしっかりわかります。それは強い“再訪”への願望です。その先の応え探しはまだ時間がかかりそうなので、もう少し“GLE”と“ふたり”で北海道を走ってきますね」
Masatoshi Ohno X GLE
PROFILE
大野修聖/Masatoshi Ohno

1981年生まれ、静岡県伊豆下田出身。日本のサーフシーンを牽引し続けるTOPサーファー。若くして海外プロツアー、ワールドサーフリーグ(通称:WSL)のクオリファイシリーズ(通称:QS)を転戦し、世界大会において日本人史上初となる様々な偉業を成し遂げる。2013年、国内でも精力的に活動し、日本プロサーフィン史上初、国内外ツアー含め7戦連勝し、前代未聞の記録を樹立。そのほか、国内プロツアーJPSAグランドチャンピオンにも3度も輝く。近年は、2018年 に開催されたISA WORLD SURFING EVENT のキャプテンを務め、サーフィン日本代表 「波乗りジャパン」を日本初の金メダルへと導いた。プロサーファーをする傍ら、イベントのプロデュース、音楽活動、コラムニストなど、他分野でも活動の場を広げている。
2019年5月より、Mercedes-BenzのGLEアンバサダーに就任。