
購入のきっかけ〜これからの時代的な感覚を知りたかった〜
──神戸さんは、クルマに乗るようになったのが4年ほど前と聞きました。きっかけは何だったのですか?
神戸太郎(以下神戸) 若い頃は海外に住んでいて、自動車免許を取り損ねていました。帰国後はずっと都内に住んでいたのであまり必要性を感じてこなかったのですが、仕事が落ち着いてきて時間ができたタイミングで免許取得を思い立ち、取った後すぐにメルセデスのAクラスを買いました。2005年式のもので、丸みを帯びたおにぎりのような形が近未来的で気に入ったんです。それ以来、仕事の移動はすべてクルマです。
──それから数年後、2台目に電気自動車のEQAを選んだのはなぜですか?
神戸 最終的には電気自動車であることが決め手になりました。2台目は丸みのあるデザインと、コンパクトな車体、ゴルフバッグが入るトランクを条件に探していて、当時ちょうど発売になったEQAと排気量3,000cc以上のガソリン車が候補でした。この真逆な2台を比べたときに、自分には大きな排気量は必要ないし、世の中が電気自動車にシフトしつつある中で、時代的な感覚を求めて電気自動車に乗るのがベストな選択だと思ったんです。
──いきなりの電気自動車に不安はなかったですか?
神戸 昔から環境への意識は自分なりに持っていたので、電気自動車に対する不安や抵抗感はなかったですね。もともと好きなパンクカルチャーが環境意識への入口だったというのもあって、自分の中では自然な選択でした。

ガソリン車との差異〜違和感がないことにむしろ驚いた〜
──EQAに乗ってみて、第一印象はどうでしたか?
神戸 前に乗っていた2005年式のAクラスとは世代もグレードも全然違うので一概に比較はできません。ただすごく乗りやすくて、違和感や不満が全くないことが驚きでした。電気どうこうというより、まず感心したのは、メルセデスならではの安定した走行性能の高さやシフトレバーの操作のしやすさなど、クルマとしてのポテンシャルの高さでしたね。ガソリン車からの乗り換えだと、独特な感覚に違和感を覚えたりしそうですが、僕の場合はとてもスムーズに乗り換えることができました。その上で、電気自動車ならではの静粛性や加速感はとても気に入っているポイントです。街中では信号のストップ&ゴーがとても楽だし、静かだからとにかくストレスが少ない。長距離を乗ったときの疲れにくさは圧倒的ですね。

デザイン〜テクノロジー感とチャーミングさに惹かれる〜
──クルマを選ぶ基準に「丸みのあるデザイン」を挙げられていましたが、EQAは具体的にどこが気に入りましたか?
神戸 テクノロジーとチャーミングさが感じられるところです。例えばロボットって、昔は角張ったデザインでしたが、技術が進むにつれて角が取れてだんだん人間っぽくなってきたと思うんです。僕はそこに愛嬌や可愛さを感じます。EQAは、滑らかなデザインで近未来感があるけど、スッキリしたグリル周りや丸いフォルムがチャーミング。ガソリン車のラインナップとは違う、このデザインが好きですね。

自宅の集合住宅には充電ステーションがないため、近くの公園で充電
充電〜週1で行きつけの充電ステーションへ向かう、新しい習慣〜
──通勤で毎日EQAに乗られているなかで、どんなサイクルで充電していますか?
神戸 自宅は集合住宅で充電設備がないので、いつも決まった充電ステーションで急速充電しています。遠出をしなければ、基本的には1週間に1度の充電で問題なく乗っています。工夫していることといえば、夜の人が少ない時間帯に充電することと、出力電力の数値が大きい充電ステーションを選んでいることですね。特に出力が大きい場所で充電すると、同じ充電時間でもチャージできる電力量が多くなり効率的です。充電の待ち時間は本を読んで過ごすことが多くて、ちょうど良いリフレッシュになりますよ。今ではむしろ欠かせない時間になっています。
──不便さを感じることはないですか?
神戸 EQAに乗るようになって、周りからよく「うまく乗れてる?」って聞かれるようになりました。でも、正直に「ぜんぜん問題ないよ!」って答えています。週に1回、充電のために1時間くらい時間を確保するなんて簡単です。もちろん、まだまだ充電ステーションの数は少ないし、遠出をするときには、もっと早く充電できれば良いのにと思うことは確かにあります。でも、今はガソリンが高いし、混んでいる駐車場でも、充電用の駐車スペースは空いていてスッと入れたりするので、そういうメリットを考えると、別に負担ではないですね。慣れてしまえば苦にならないですよ。

神⼾さんがよくクルマで訪れる「Coffee Roast Vivace(コーヒーローストビバーチェ)」。販売している世界各国のコーヒー⾖は好みに合わせてその場で焙煎してもらえる。https://www.instagram.com/coffeeroastvivace/(TEL 03-3723-3954)
EVに乗る者の価値観〜失っていた“何でもない時間”が豊かさに繋がる〜
──EQAに乗って1年が経ちますが、電気自動車に対する印象に変化はありましたか?
神戸 乗ってみたいなとは前々から思っていましたが、正直、実際に乗ってみるまで分からないことが多かったんです。「航続距離はどうなのか?」「充電場所はどこにあるのか?」とか。一般的にはまだインフラが整っていないと思われることもあるかもしれませんが、この先もっと便利になっていくのは間違いないので、あまり気にしていません。というのも、環境問題をはじめ、よりよい未来のためには、自分ができる範囲で新しい生活スタイルにシフトしていく意識を個々人が持つのが大切だと思っていて。だからこそ僕は電気自動車に乗りました。

──最後に、EQAを所有することで、神戸さんのライフスタイルはどう変わりましたか?
神戸 環境に配慮することで心に余裕が生まれたり、普段の生活では意識が向かないところにも考えが及ぶようになる、というのが現代の豊かさなのかなと最近は感じています。EQAの良さって、まさにここにあると思うんです。充電時間の読書がまさにそう。僕はクルマで通勤するようになって本がぜんぜん読めなくなってしまっていたのですが、EQAに乗るようになって、充電の時間を使って本を読む習慣が復活しました。家に充電ポートがないのは、僕にとってはむしろ良かった。充電のために割く30分、1時間なんて、本当はないほうが効率的なんでしょうけれど、そういう“よく分からない暇な時間”こそ、実は人生においてすごく大切なもの。それを思い出させてくれたというだけでも電気自動車に乗る価値はあったと思いますね。
持続可能なクルマ社会を実現するために、メルセデス・ベンツが立ち上げた電気自動車ブランド「Mercedes-EQ」。EQAはそのエントリーモデルとして登場したベーシックなコンパクトSUV。フルエレクトリックドライブならではの滑らかで力強い加速と静粛性が快適なクルージングを生み出す。