Interview

ドライブの記憶は「景色」と「音楽」──THE BACK HORNが語る「空想型ドライブ」
「空想型ドライブ」をテーマにしたJ-WAVEのラジオ番組『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』。ゲストとして登場したロックバンド・THE BACK HORNの ボーカル・山田将司、ギター・菅波栄純に訊いた、忘れられないドライブとは。
──20年を超えるバンド活動の中では、メンバー全員でクルマ移動することも多かったと思いますが、そんな中で忘れられない「景色」はありますか?
山田将司(以下、山田) 昔よくメンバーで(楽曲づくりのための)合宿をしていて、山梨県にあるスタジオによく行ってたんですけど、その道中、クルマで山を登ってると富士山が目の前にドーン!と見えるところがあって、その景色は素晴らしかったですね。プライベートでもわざわざ行ったことがあるくらい。二十曲峠っていうところなんですけど、朝方に観る景色が絶景なんです。
菅波栄純(以下、菅波) スタジオからも歩いて20分くらいでいける場所だったから、よく楽曲づくりに行き詰まると、将司と歩いて峠の頂上まで行ったりしたよね。
──ツアーの移動など、クルマの中ではどんな過ごし方をしていますか?
菅波 夜の長距離移動の時は、運転している人のためにも寝ちゃだめだなって雰囲気になることあるじゃないですか、そんなときはメンバー全員でDJごっこしてましたね。1人1曲選曲して誰かがかけてる時に、他の誰かが選曲しておいて、曲が終わったらつないでいくっていう。
山田 この曲のあとにこの曲きたか!っていうね。
菅波 誰も知らない曲でもダメだし、定番過ぎても「なんだそれか」ってなっちゃうから、けっこう難易度が高くて面白いんです。でも、将司はわりと攻めた選曲してたよね。テンション上げていこうって時に、ローテンションな曲選んだりして。どんな曲だったっけ?
山田 森田童子の「ぼくたちの失敗」。ほら、流れ変えなきゃって時もあるじゃない(笑)。
──そんな曲の中で、車窓の景色とピッタリはまった曲ってありましたか?
菅波 ベースの岡峰光舟がかけたOasisの「Don’t Look Back In Anger」。日没、空が赤く染まっていて、ちょうど橋を渡ってる時の景色にピッタリ合って。光舟はDJの素質あると思ったよね(笑)。ドライブって、その時に見た景色と音楽がセットで記憶に残るんですよね。
──ドライブ中に、楽曲制作のインスピレーションが生まれる、ということはありますか?
菅波 昔、将司が運転して、俺が助手席っていう2人のドライブもありましたよ。その時、僕が書こうとしていた歌詞が全然できなくて、めちゃくちゃ悩んでいたら将司がレンタカー借りてドライブに誘ってくれて。それこそ歌詞書きながら移動するくらい切羽詰まってて……。
山田 静岡の海だったよね。
菅波 夜の海に月の光がゆらゆらしているのを見ていたら、ほんとに歌詞が出来て、(山田に)「ありがとう!」って言って。その時にできた曲は「桜雪」っていう曲なんですけど(インディーズ時代の1stシングル「風船」のカップリングに収録)、「月光がキラキラと舞う」っていう歌詞からはじまるんですけど、まさに、この出だしは、その時見た光景から出てきたものなんですよ。
PROFILE
ザ・バックホーン/THE BACK HORN
1998年結成。“KYO-MEI” という言葉をテーマに、聞く人の心をふるわせる音楽を届けていくというバンドの意思を掲げている。2001年シングル「サニー」をメジャーリリース。FUJI ROCK FESTIVALやROCK IN JAPAN FESTIVAL等でのメインステージ出演をはじめ、近年のロックフェスティバルでは欠かせないライブバンドとしての地位を確立。そしてスペインや台湾ロックフェスティバルへの参加を皮切りに 10数カ国で作品をリリースし海外にも進出。そのオリジナリティ溢れる楽曲の世界観から、映像作品やクリエイターとのコラボレーションも多数。2018年にバンド結成20周年の節目を終えてからも、12枚目となるオリジナルアルバム「カルペ・ディエム」、そして作家住野よるとのコラボレーション作品のリリースなど、その勢いを止めることなく精力的に活動中。
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THE BACK HORN CLUB-銀河遊牧民
8/30 OA プレイリスト
Mercedes-Benz THE EXPERIENCE

J-WAVE 81.3FM
ON AIR EVERY SUNDAY 21:00 -21:54
その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラム。ドライブには切っても切り離せないラジオと音楽で、リスナーのカーライフをより豊かでワクワクするものに。