Interview

クルマ空間は偶然の出会いがある場所──FPM田中知之が語る「空想型ドライブ」

「空想型ドライブ」をテーマにしたJ-WAVEのラジオ番組『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』。ゲストとして登場したFPM田中知之に訊いた、クルマ空間での楽しみ方とは。


──音楽のお仕事をされている方は、クルマの中がリスニングルームになっているという方も多いですよね?

田中 マスタリングという作業を経て自分のアルバムが出来上がった時に、1枚だけCDを焼いてもらうんですけど、それをクルマの中で聴きながら帰る、そこでアルバムが完成した喜びを一人で噛み締める、というのが恒例行事になっています。

──それは、音楽を制作する側から、初めてリスナーの立場になって作品を聴く瞬間ですよね。田中さんはプライベートでもドライブに行くことは多いですか?

田中 休みの日に行き先を決めずに気分でドライブするというのを、リフレッシュのためにやっています。ある時、ナビが調子悪くなったことがあって、ナビに頼らず、あてずっぽうというか、気の向くままに走って、クルマの流れに乗って右折、左折でまったく知らない場所に行ったり。それがおもしろくて、1回それをやってから、そういうのもいいなと思ったんですね。

──それは夜のドライブですか?

田中 いえ、昼間ですね。それも天気の良い日に限りますね。行こうと思った日が雨だったら中止します。先日は湾岸線走って、アクアライン通って、木更津の方まで行きましたね。適当にインターで降りて、ある程度走ったらドライブインに寄ってコーヒー飲んだり。僕、旅行に関しては綿密に計画を立てるタイプなんですけど、ドライブに限っては目的地も決めずに、ガソリンの残量も気にせず……とにかく運転していること自体が楽しいんです。

田中知之 (FPM)

──そんなドライブ中、音楽は聴かれますか?

田中 僕、ラジオを聞きながらクルマを運転するのが好きで、FMをつけていますね。CDチェンジャーもiPodもストリーミングのプレイリストも、結局は自分が選んだものですから、出会い頭で知らない音楽に出会えるラジオが好きですね。

──田中さんにとって、クルマ空間というのは?

田中 僕は人と会って仕事することが多いから、一人になれる時間ってほぼないんですね。だからクルマを運転している時間が唯一、一人になれる時間なんです。こんな楽しい時間、他の人に邪魔されてたまるかって感じですね(笑)。

 

PROFILE

田中知之 (FPM)

田中知之 (FPM)

DJ/プロデューサーとして国内外で活躍。多数のアーティストのプロデュースやリミックスも手掛け、世界三大広告賞でそれぞれグランプリを受賞したユニクロのWEBコンテンツ『UNIQLOCK』の楽曲制作や、全米映画『オースティン・パワーズ:デラックス』、『SEX AND THE CITY』へ楽曲提供も。近年では、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演『常陸坊海尊』(演出・長塚圭史)の音楽を担当。また「渋谷スクランブルスクエア」46階の展望フロアのミュージックバー「Paradise Lounge」や、JR原宿駅・新駅舎2階の「猿田彦珈琲 The Bridge」、そして11月5日に丸の内仲通りにオープンしたばかりの複合施設「丸の内テラス」9階・10階のレストラン「THE UPPER」の音楽監修も務めている。
活動の幅は音楽のみならず、業界随一の食通としても知られており、ヴィンテージウェアや時計、クルマにも造詣が深い。
http://www.fpmnet.com/

 

11/1 OA プレイリスト


 

Mercedes-Benz THE EXPERIENCE

Mercedes-Benz THE EXPERIENCE

J-WAVE 81.3FM
ON AIR EVERY SUNDAY 21:00 -21:54

その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラム。ドライブには切っても切り離せないラジオと音楽で、リスナーのカーライフをより豊かでワクワクするものに。