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F1マシンを先導して25年──メルセデス・ベンツのセーフティーカー

translation: livertaricca

F1セーフティーカーの務めを25年連続で果たしてきた“スリーポインテッドスター”にフォーカス。

導くのは、メルセデスのスリーポインテッドスター

セーフティーカー

何週にもわたってチャンピオンシップが争われる世界最高峰のモータースポーツ、F1世界選手権。そこで重要なポジションを占めているのがメルセデス・ベンツのハイパフォーマンスカーだ。F1セーフティーカー。その役割をこれまで25年にわたり、スリーポインテッドスターを冠したシルバーメタリックのメルセデスが担ってきた。
悪天候の時や事故発生後の周回走行を安全に先導するセーフティーカー。勝利だけを目指すF1ドライバーを確実にコントロールするには、彼らから敬意を払われる必要があり、それに相応しいパフォーマンスを備えた、卓越したクルマも不可欠だ。F1のセーフティーカーはその条件を常に満たしてきた。メルセデス・ベンツがアファルターバッハで製造されたセーフティーカーをFIAに提供するようになってからはとくにだ。

セーフティーカーのベテランドライバー、ベルント・マイランダー

セーフティーカー

また、F1では20年もの長きにわたり、あるセーフティーカードライバーが活躍している。多くのF1ドライバーたち以上に、その名を世に知られた人物だ。ルーフにイエローのライトバーを設けたシルバーのマシンに乗り込み、長年セーフティーカードライバーを務めているベルント・マイランダー。これまで20年間に開催された350戦以上のレースで、ステアリングを握らなかったのはケガのために帯同できなかったわずかに4戦のみだ。
元DTMドライバーのマイランダーは、セーフティーカードライバーとして初めて採用される数年前、たまたまセーフティーカーに関わる経験をしていた。当時は、4年後に専属のセーフティーカードライバーとなり、その仕事を現在まで続けることになろうとは思ってもいなかったという。マイランダーは1990年代半ばにメルセデス・ベンツのワークスドライバーとなった。そして、他のワークスドライバーと同じく、その地位にふさわしいスポーツバッジが付いたメルセデスの社用車を使用する権利を得た。 

本物のスポーツカー

セーフティーカー

ドイツ・シュヴァーベン地方ショルンドルフ出身のマイランダーが社用車として選んだのは、シルバーのメルセデス・ベンツ C 36 AMG。ナンバープレートの登録番号は自らが選んだS-BM 300。しかし、このクルマは本人の望みに反して早々に返却することになった。マイランダーは次のように回想する。「当時、メルセデスはよく走り込まれたC 36 AMGを急いで探していたので、まだ短い間しか乗っていなかった私のクルマを1996年5月に返却したのです。F1のセーフティーカーとして必要ということで……」
「2000年に私が初めてドライブしたF1セーフティーカーはメルセデス・ベンツ CL 55 AMGでした。ベンチレーター付きのレザーシートを備えた快適なラグジュアリークーペで、パワーもたっぷりでした」。卓越したレーサーであるマイランダーはその数年後、メルセデス・ベンツCLK 63 AMGをドライブするようになった。本物のスポーツカーをドライブしている感覚をそのとき初めて味わったのだという。「雨のときは、テールが軽いのでまったく気を抜けませんでした。本当に野獣のようなクルマでしたが、運転していて最高に楽かった」

常に90%以上で

セーフティーカー

Mercedes-AMG GT R

メルセデス・ベンツのブランドアンバサダーも務めるマイランダー。今シーズン、毎週のようにドライブしているのは最高出力585psのメルセデスAMG GT R。どこから見ても、F1カーと同じくサーキットがお似合いのクルマだ。市販仕様車にライトバーと無線通信装備、公道向けのタイヤを装着し、ESPをオフにしてAMGトラクションコントロールを起動して走らせる。コ・ドライバーを乗せてこのマシンを運転しながら、レースコントロールおよびメディカルカー(こちらはメルセデスAMG C 63 S ステーションワゴン)のドライバーと常に連絡を取り合うことで、先導を続けるか、レースを再開させるかが決まる。「もっと小規模のレースシリーズでセーフティーカーをドライブする場合は、その能力の70%ぐらいで走らせますが、F1ではいつも90%以上ですね。本物の耐久レースみたいなもので、ドライバーたちはみんなタイヤの温度を下げたくないので、私にもっとスピードを出してもらいたいわけです」

スリーポインテッドスターを冠する至高のブランド

セーフティーカー

過去25年間のセーフティーカーを並べてみれば、スリーポインテッドスターを冠するメルセデス・ベンツの「名車リスト」が出来上がる。マイランダーを含めた歴代のセーフティーカードライバーがステアリングを握ったハイパフォーマンスモデルとしては、メルセデス・ベンツC 36 AMG、CL 55 AMG、CLK 55 AMG、SLK 55 AMG、そしてSL(AMGモデルの最高出力は最大386kW/525ps)などが挙げられる。さらに目を見張るのが、メルセデスAMGが初めて独自開発したSLS AMG、そして現在のメルセデスAMG GT Rだ。往年の名車が並ぶF1のセーフティーカーは、いわばメルセデス・ベンツが歩んだ偉大なる軌跡のひとつとも言えるかもしれない。

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