誕生から現在まで、自動車の歴史と共に歩み続けてきたメルセデス。そのフラッグシップに当たるSクラスの開発は、自動車社会に大きな影響を与える出来事だ。Sクラスが変わればクルマのあり方が変わる。そういっても決して過言ではない。生まれ変わった6代目Sクラス最大のトピックスは、最先端技術によって運転を支援し、安全性と快適性の向上、運転ストレスの軽減に繋げるインテリジェントドライブが次の次元へと辿り着いたことだといえる。これまで搭載されてきた技術のベースとなっていたのは、高性能カメラとセンサーだった。今回はそこに新しくITが加わり、より多面的にサポートを行えるようになっている。ここでは、新型Sクラスに与えられた主な技術に触れていく。
その前に、上に掲載しているムービーを見てみて欲しい。映っている場所は、ドイツ・ジンデルフィンゲンに位置しているメルセデスの工場だ。新型Sクラスはここで、職人たちとコンピュータによって正確に制御される精巧なデジタルインダストリーとの協働によって、効率的に製造されている。その過程のダイジェストがこのムービーには収められているのだが、最後の場面に注目して頂きたい。最終組み立てが終わって息を吹き込まれた新型Sクラスが、デモではあるが、人の手を借りずに自ら工場内を走る姿を見ることができるのだ。製造責任者のマークス・シェーファーはいう。「新型Sクラスは、クルマの安全性やコネクティビティにおける新しいスタンダードをつくる」と。以下で紹介するのは、Sクラスが更新した歴史の一端だ。これらを是非一度、体感してみて欲しい。
Mercedes me connect
クルマがインターネットなどと接続され、乗り手の便利や安心を広げる、メルセデス独自の新しい考え方。Mercedes me connectは「安心・安全」「快適」「おもてなし」の3つのサービスカテゴリーから構成されており、下記がその代表的なものとなっている。
リモートパーキングアシスト

クルマの外から、スマートフォンのアプリで駐車操作できる機能。並列・縦列駐車する場合は、車両が駐車スペースを検知したらクルマから降り、その後はスマートフォンの操作で車両をコントロールする。また乗り降りしにくい狭い駐車場などでも有効で、駐車スペースの前でクルマを降りスマートフォンを操作すれば、クルマを前後に動かすことが可能。
※S 600 ロング、Mercedes-AMG S 65 ロングには装備されません
リモートドアロック&アンロック
クルマから離れたところにいても、スマートフォンで施錠状況の確認、施錠/解錠が可能に。ロックし忘れて離れてしまったときなどに便利。
駐車位置検索
駐車した車両の位置を、Mercedes meアプリの地図上に表示できる。広い駐車場を利用したときや、旅行先の不慣れな土地で駐車したときなどでも安心だ。
Send2car(センド・トゥ・カー)

行きたい場所のデータをスマートフォンからCOMANDシステムのナビゲーションに送り、目的地を設定することが可能。事前に設定しておけば、出発がスムーズになる。
※以上の無料利用可能期間は3年間。
24時間「緊急通報」「故障通報」サービス

上にある室内灯ボタンの下部に新しく設けられた、受話器のアイコンが描かれた3種のボタンを使って操作する。写真左のスパナのイラストが添えられたものは「故障通報」で、それを押すとメルセデスのツーリングサポートに連絡することができる。現場での応急処置や車両のけん引、運転者や同乗者の移動などをオペレーターが手配してくれる。真ん中のSOSと書かれたものは「緊急通報」。これを押したとき、もしくはエアバッグ、シートベルトテンショナーが作動したときなど、クルマが事故を検知した際に車両の位置情報とともに自動でコールセンターに繋がる。救助が必要な場合には、乗り手に代わってコールセンターが消防に連絡する。
※無料利用可能期間は10年。
24時間コンシェルジュサービス
車内にあるiボタンを押すと専門のオペレーターに繋がり、乗り手の要望に沿った目的地の提案、ナビゲーションシステムの目的地設定を遠隔で行う。また、ホテルやイベントなどの予約もコンシェルジュサービス経由でできる。
※無料利用可能期間は1年。
アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)&アクティブステアリングアシスト


旧称はディストロニック・プラス。元々はステアリング脇のコラムでのコントロールだったが、ステアリングスポーク上にスイッチが配され、操作がしやすくなった。高速走行から渋滞時にアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックを起動させると、前走車との最適な距離をキープしながら自動で走行する。また、カーブと前走車、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識し、車間を維持しながらステアリング操作をアシストするアクティブステアリングアシストもアップグレードした。
マルチビームLED(ウルトラハイビームつき)


ステレオカメラで前方の交通状況を検知し、さらに、片側84個のハイパフォーマンスLEDそれぞれを瞬時に制御することで、前走車などのドライバーを眩惑せずに、広い範囲を明るく正確に照射し続けられる。メルセデス初採用のウルトラハイビームは、前走車や対向車がいない直線路を約40km/h以上で走行している場合に作動する。
ABOUT CAR
S-Class Sedan
常に最高峰であり続けるために、自らを革新し続けるSクラス。
そこにあるのは、自動車の行く先の道標となる、揺るぎない未来。