最高級のロードスターという今日のポジションを60年以上の時間をかけ築きあげたSLの起源は、レーシングカーとして世界的な活躍をみせた1952年の300 SLである。
メルセデス・ベンツの量産車として初めて採用した、高い剛性と軽量化を両立するフルアルミニウムボディシェルと、4輪のコイルスプリングを個別に、瞬時に電子制御することでダイナミックな操縦性とフラットで快適な乗り心地をかなえるABC(アクティブ・ボディ・コントロール)サスペンションは、その先進的な精神を引き継ぐもの。さらに、ステレオマルチパーパスカメラが検知した情報を加味し、カーブ内側の車高を下げ、反対に外側を持ち上げる、ダイナミックカーブ機能はとくに象徴的だ。
そんなSLに新しく加わることになったのは、3.0ℓV型6気筒ターボエンジン(367PS/500N・m)を搭載するSL 400がベースのSL 400 Grand Editionだ。
オブシティアンブラック、グラファイトグレー、セレナイトグレー、ダイヤモンドホワイトのボディカラーを用意するエクステリアでは、いずれも専用アイテムとなるハイグロスブラックペイントのAMG 7ツインスポークアルミホイール(19インチ)、マットイリジウムシルバーのフロントスポイラー&ハイグロスクロームフィンがスタイリッシュな佇まいを演出。メルセデスAMG SL 65と同じ、タンドラブラウンパールとブラックを組み合わせたダイヤモンドステッチのナッパレザーシートをもつフルレザー仕様のインテリアでは、内蔵のエアクッションがきめ細かな調整を実現するマルチコントロールシートバックを備え、コーナリング時にはサイドサポートが自動で膨らんで身体を支えるドライビングダイナミックシートと、Herman/Kardon®ロジック 7 サラウンドシステムを特別装備。また、1回のボタン操作で約40㎞/hまで開閉が自動で行えるルーフは、ルーフトップの濃淡を(クリアモード/ダークモード)ボタンひとつ切り替えられるマジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフとなっている。
スポーティにもエレガントにも、ドライバーの想いにしっかりと応え、振る舞ってくれるSL。充実の装備をまとったSL 400 Grand Editionは、SLならではの魅力をより強く実感させてくれることだろう。