アメリカの軍需バッグ工場に生産拠点を置き、ハードな環境に耐えうる「ミルスペック」をクリアした素材、技術を用いた、機能美あふれるラゲッジをはじめ、様々なアイテムを生み出し続けるBRIEFING。このたび、世の男性たちに絶大な支持を得る同ブランドとメルセデス・ベンツによる、スペシャルなトートバッグが完成。その特徴、そして魅力を、BRIEFING デザイナー・小雀新秀さんに語ってもらった。
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「メルセデスさんはドイツのメーカーなので、『MADE IN U.S.A.』を全面に打ち出したBRIEFINGで大丈夫なのかと、最初、戸惑いがあったのは正直なところです(笑)。ですが、メルセデス・ベンツは頑丈さ、実用性において世界最高峰のクルマ。BRIEFINGのタフな素材や縫製といった部分に共感していただいたのだと感じ、これまでブランドが培ってきたものを惜しみなく表現しようと思いました」

ブランド立ち上げと同時にデザイナーに就任し、これまで人気セレクトショップはもとより、多種多様なブランドの別注モデルを手がけてきた小雀さん。今回、メルセデス・ベンツ コレクションの別注にあたって、どのようなことを意識したのだろうか?

「やはり丈夫さというか、“強さ”というキーワードは重視しました。強靭なバリスティックナイロンはもちろんですが、バッグ自体の強さを求めるなら、なるべく一枚の生地で作って、縫い合わせる箇所が少なければ少ないほど好ましい。縫製に関してはその点を意識しています。また、そんな作りが、すっきりした見た目にもつながります」

一方、丈夫さだけにとどまらず、痒いところに手が届く“機能性”もBRIEFINGの魅力。同ブランドのバッグに、そういった配慮がなされているのは一目瞭然だ。

「BRIEFINGはカジュアルな印象が強いのですが、ビジネス系のブリーフケースや3wayバッグも人気です。なので今回のトートバッグも、オン・オフどちらでも使えるようデザインしています。たとえば、大きなモデルのフロント部分には、B4ライナーという定番のブリーフバッグを意識した、左右非対称のジップポケットをつけました。一般的なトートバッグは簡素な作りのものが多く、内側にポケットがなかったりする。たとえ内側にオーガナイザーがあったとしても、バッグの中に入れるものと、外側に入れて取り出しやすくしたいものの区別はあったほうがいい。そんな部分を、よりわかりやすく表現したのがこのカタチです」

また、実際に“使う”ことを意識した、細かな配慮も行き届いている。
「人によって“利き肩”というものがあると思いますが、肩にかけたままジップポケットを開閉するとき、L字型のほうがアクセスしやすいんです。本体の天マチのジップも、ファスナーの端をホックで留められるようにすることで突っかかることがなく、開閉がしやすくなっています。また、天マチを隠すことができる仕様は、BRIEFINGではよく用いる仕様です。フロントの小さいほうのポケットは、モバイル機器を入れるために設けたものなのですが、500mlのペットボトルや折り畳み傘を入れる方も多いですね」

旅行はもちろん、仕事から、そのままジムまで。幅広いシーンで活躍すること請け合いだ。
「小さなモデルに関しては、ゴルフのカートバッグをイメージして作りました。今や持ち物はかなりミニマムになっているので、財布や携帯など必要最小限の荷物を持ち歩くのには、このくらいのサイズ感がちょうどいいんです」
最後に、どんな人たちに使ってほしいか、尋ねてみた。

「BRIEFINGを使ってくださっているユーザーさんは、平均すると40代の方が多いのですが、それ以外の、幅広い年代の方々にも使っていただけるようなものに仕上がっていると思います。先日、工場に行ったとき、そこの副社長さんがメルセデス・オーナーで、彼のMercedes-AMGのシートに入った赤いステッチを指して「BRIEFINGに似ているよね」とおっしゃってくれて。偶然ではありますが、そんなところもリンクしていますよね。メルセデスに乗っている方々は、ファッションに気を配っている方が多いと思いますので、そういった方々に興味を持っていただけるとうれしいです。スリーポインテッドスターとBRIEFINGが並んだこのロゴは、なかなかないと思うので(笑)。かなり特別感は出ているかなと思います」
Mercedes-Benz×BRIEFING BUCKET L ¥56,160(税込)
サイズ=縦34×横42×マチ19㎝
Mercedes-Benz×BRIEFING BUCKET S ¥19,440(税込)
サイズ=縦19×横25×マチ11㎝
PROFILE
小雀新秀/Shinshu Kosuzume

1966年生まれ。大手バッグメーカーでデザイナーとして活躍したのち、1999年セルツリミテッド(現ユニオンゲートグループ)に入社。バッグブランド「WRAPS」やOEMのデザインを手がけつつ、「BRIEFING」のブランド立ち上げと同時にデザイナーに就任し、数々のヒット作を世に出す。現在、同社の商品本部デザインセンター部長を務める。