現在のSLクラスの礎となったW113は、ガルウィングが代名詞のフラッグシップ300SLロードスターとその汎用タイプだった190SLを1台にまとめる狙いがあった。ほとんどレース用の仕様といって過言でなかった300SLに較べて、W113は当時の高級仕様だったオートマチックとパワーステアリングをオプションで選択可能にし、明確にスポーツ性能と快適性を両立させる量産スポーツクーペの礎を作ったとも言えるだろう。
ボンネット、トランクリッドなど軽量化のためにアルミパーツが使用され、比較的短いボディ形状とあいまってW113の優れたハンドリングを可能にした。W113は北米マーケットを意識した仕様となり1963年の登場以来、排気量はモデルを追うごとに増大していった。仕様は2シーターでハードトップ、ソフトトップ、フルオープンと3つの仕様が選べたが、後方スペースを拡大し2座追加した「カリフォルニア・ロードスター」というモデルも存在している。またハードトップは東洋建築にヒントを得ている「パゴダ・ルーフ」と呼ばれる形状で、そのまま愛称“パゴダ”と呼ばれていた。
デザインはポール・ブラックによるもので、画家や彫刻家の肩書ももつ異才のプロダクトデザイナー。そのブラックの最高傑作といわれるW113を「もっとも美しいメルセデス」に挙げるエンスージアストは多い。
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メルセデス・ベンツ浜松和田