メルセデス・ベンツ初の電気自動車“EQC”、ダイムラーの描く未来のモビリティを体現したスマートのコンセプトカー“smart vision EQ fortwo”をはじめ、さまざまなメルセデス・ベンツが次々とレッドカーペットに横付けされる。
クルマから降りてくるゲストたちの装いにも「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード」ならではの遊び心が。男性はブラックタイ、女性はカクテルドレスというきらびやかなフォーマルスタイルの足元にスニーカーを合わせるというユニークなドレスコードは、このスポーツの祭典をなによりも象徴するものだろう。

この年に一度の祭典「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード2019」が2019年2月、司会にハリウッド俳優ジェームズ・マースデン、プレゼンターにニコ・ロズベルグをはじめ、スポーツ界の名だたるレジェンドや著名な選手たちを迎え、開催された。昨年9月のUSオープンでグランドスラム初制覇を遂げた女子テニスの大坂なおみが、躍進著しいアスリートに贈られる「ブレイクスルー賞」を受賞したことが大きく報じられ、見聞きした方も多いであろう。この賞はこれまで、テニスのラファエル・ナダル選手、F1のルイス・ハミルトン、ゴルフのロリー・マキロイ選手が受賞した栄えあるもの。

「ケガから復帰して、ウィンブルドンと全米オープンで優勝できた昨年は信じられないシーズンだった。引退を覚悟した時期もあるほどだったが、妻はどんなときも私を支えてくれた。本当にありがとう」
2012年、2015年、2016年に続く4度目の最優秀男子選手賞を受賞したノバク・ジョコビッチがスピーチを終えると、スポーツ界のレジェントたちが一斉にスタンディングオベーション。その中には、イングランド・プレミアリーグのアーセナルを20年以上も率い、生涯功労賞を受賞したアーセン・ベンゲルの姿もあった。この稀代の名将を祝福するビデオメッセージの送り主はなんと、かつて舌戦を繰り広げた敵将ジョゼ・モウリーニョ。会場に起きたどよめきの大きさは、ライバルを讃えるスポーツの寛容性、偉大さを表したかのようだった。

ほか、最優秀チーム賞は2018年FIFAワールドカップで優勝したサッカーのフランス代表チームが受賞。最優秀女子選手賞には世界選手権で金メダル4個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得した体操のシモーネ・バイルズ、カムバック賞にはザ・ツアー チャンピオンシップでの優勝後、ライダーカップのアメリカ選抜メンバーにも復帰したタイガー・ウッズが選出された。F1のメルセデスAMG ペトロナスチームや男子フィギュアの羽生結弦もノミネートされた今年のセレモニーだったが、世界中のジャーナリストやローレウス・アカデミー会員による議論と投票を経て受賞者が決まるローレウス・ワールド・スポーツ・アワードが讃えるのは、なにも各競技で成功を収めたトップアスリートに限らない。

ハンディキャップを乗り越えて活躍した選手、ケガから復活を遂げた選手、あるいは途上国などの厳しい環境にありながらスポーツに励む子供たちまで、対象はスポーツにかかわるすべての人におよぶ。それは、ローレウスの掲げる理念が“Sport for Good”であるからだ。

スポーツの素晴らしさのみならず、スポーツの力であらゆる社会問題に立ち向かうことを目的に、ダイムラーAGとリシュモン・グループが設立したローレウス。2000年の第1回ローレウス・ワールド・スポーツ・アワードでの「スポーツには世界を変える力がある」という故ネルソン・マンデラ氏の言葉に集約される支援活動は現在、日本を含む世界40ヶ国以上に広がり、着実に成長している。


授賞式の前日に開催された「モナコラン」では、ローレウスのロゴを配したEQCが先導車としてモナコ公国とリヴィエラ海岸を走行。