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クルマで行く、マニアの聖地へ

インスタグラマーsaporinさんが案内する「海なし県」なのに絶品のお寿司

photo: Toshitaka Horiba
words: Masanori Yamada
movie:gootbox inc,

家族全員愛車はメルセデス。ウニ、いくら、マグロ、貝など魚介の写真がずらりと並ぶInstagramのフォロワーは3万人超。プリン体豊富な海の幸、季節の美味をこよなく愛するsaporinさんに、全国の寿司ファンが憧れる名店へと案内してもらった。

類は友を呼ぶ(?)でいつしか3万人超のフォロワーを抱えるまでになったsaporinさんのInstagram。ありのままをスマホで撮ったプリン体とお酒の膨大な記録は、おいしそう!を通り越して痛風の心配をしてしまうほど濃厚だが、グルメ関係の人かと思えばさにあらず、本業はなんと皮膚科医とのこと。

インスタグラマーsaporinさんとA 180
インスタグラマーsaporinさん

好きこそものの上手なれ──の表現が正しいかはさておき、食べ物とお酒へのほとばしる探究心と情熱、いわばある種の偏愛はもっぱら和食に注がれている。二十四節気を愛し、家では自ら出汁を取り、その昆布や鰹節で佃煮を作るほどの和食愛の持ち主だ。おいしさはもちろん、「四季が感じられるから」と和食を愛する理由は単純明快だが、お店や料理人=作り手との雰囲気や相性も重視するのがsaporin流。仲良くなったお店への偏愛が高じて、多忙を極める本業の合間を縫い、自ら志願し時間を見つけては休日にアルバイトに出向くほどの筋金入りだ。

A 180

そんなマニアにとって、大好きなプリン体と貝類を堪能できる寿司は至高の存在。今回は海のない群馬県は館林市で全国に名を馳せる<鮨おばな>の絶品を味わおうと、A 180 Styleの助手席に乗り、1年ぶりの再訪を果たすべく館林を訪れた。

館林の駅から離れた静かな住宅街、暖簾がなければイタリアンかフレンチとも見紛う<鮨おばな>。清水の舞台から飛び降りるつもりで訪ねて本当に良かった……そんな書き込みがネット上に散見されるほどの名店だが、その始まりはごく普通の寿司店だった。そして、二代目の大将・尾花 輝さんも20歳から32歳まで、ごく普通の寿司職人として仕事をこなしていたそうだ。

鮨おばな

「33(歳)のとき、ふと思ったんですよ。どこにでもある普通の店のままでいいんだろうか、職人として自分はこのままでいいんだろうかって」

スイッチの入った大将は遠く離れた館林から2日に1度、築地通いを始めたものの、新参者に厳しい“猛者たちの戦場”ではやはりというか苦戦の連続。それでも、とにかく買って買ってを繰り返しながらひたすら勉強を続けるうちに顔も知られ、いつしか市場で一目置かれる仲卸業者と深い信頼関係を結ぶまでになった。これもまた、探究心と情熱のたまものにほかならない。

「志を高くもって、ちゃんと仕事をする。そうすれば結果はついてくるんだなって実感してます」

関東を中心に春を告げるネタとして知られる春子(かすご)は鯛の稚魚。「〆方を少し変えてイメージする味になった」と大将もご満悦。
富山県の氷見で揚がった鮪の赤身。みずみずしさを活かすか、それとも寝かせて使うか、その見極めもまた職人の仕事だ。
シャリをあわせたムラサキウニにバフンウニを載せたウニ on ウニの『ウニパフェ』。リゾットのような食感が新鮮。
『えび丼』は10年(!)注ぎ足しているタレ=えび汁の香りがなんともたまらない大定番にして人気の一品。
赤酢を使うシャリと味わい深いタレ、経験がなせる香ばしさ際だつ焼き加減が絶妙に混ざり合う穴子。
saporin

名店の大好物を前にガマンできず、saporinさんはこれまた大好物の日本酒をオーダー。寿司に負けず劣らずのセンスが光る、唎酒師である“奥さまセレクション”から秋田の「山本」、館林の地酒「龍神」を立て続けにいただき持ち前のトークが加速する。とはいえ、【写真を撮るときはフラッシュ禁止、画質は落ちても無音カメラを使う】のマイルールは忘れない。マニアはクレバーであれ、である。

ムラサキウニ

大将「これは函館のムラサキウニ。詰め方からしておいしそうでしょ?」
saporin「すごく高いんですよね。写真撮らせてください!」

『ウニパフェ』をはじめ、経験からくるアイデアや他ジャンルの料理に着想を得た、見ても食べても幸せになれる独創的な品々は、気取らず飾らず、「まだおいしくなるんじゃないか」と常に上を目指す大将のキャラクターなしには生まれなかったに違いない。気の良いやりとりが繰り広げられる、堅苦しさのない空気感にもそれは言えるだろう。

Spot information

鮨おばな

ADDRESS 群馬県館林市大手町5-1
TEL 0276-72-1604
営業時間 火~金・土 17:30~21:30/日 12:30~17:00
定休日 毎週月曜、第2・第4日曜日
駐車場あり
※完全予約制

鮨おばな

「魚の名前が変わることはないけど、食材としてはいつも同じものはない。だからおもしろいし、おいしいんですよ」と笑顔をこぼす大将は極めつきの魚マニア。だからこそ、独創的な品であっても奇をてらいすぎず、素材を大事にするという寿司の原点はブレることがない。saporinさんと立ち位置は違えど大将もクレバーな人物であり、その真摯な姿勢が多くのファンを惹きつけるのだ。

A 180

バイタリティ溢れるプリン体マニア、saporinさんの聖地<鮨おばな>は、食材をこよなく愛し、自分の仕事に誇りをもって臨む大将の存在そのものだった。海もなければ市場も遠い、寿司とは縁遠く思える館林の地にもたどり着くマニアの研ぎ澄まされた嗅覚、恐るべし!

ABOUT CAR

A 180 Style

対話型インフォテインメントシステム、最新の安全運転支援システムを搭載。モダンなエクステリアに先端技術を注ぎ込み、快適性を大きく向上させたスポーツコンパクトモデル。

PROFILE

Saporin

Saporin

吉祥寺のデパ地下でアルバイトをしていたときに日本酒とワインに開眼。日々の飲み歩きは、つい没頭してしまう仕事モードをオフにするためでもあるとか。「意識的にプリン体というわけではないのですが…たしかに美味しいものはプリン体が多いですよね」と語る彼女、健康診断の結果は超優良なのだとか。

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