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PAPERSKY Hokkaido Road Trip with Mercedes-Benz: Day2

鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる

photo: Norio Kidera
words: Chizuru Atsuta

白老町から大樹町に向かう道中、鹿追町で手仕事と向き合うご夫婦を訪ねる。雑誌『PAPERSKY』が綴る北海道ドライブ、2日目の記録。

白老町から大樹町へ。その途中にある、鹿追町で「page」として活動する木工作家・高野夕輝さんと指輪作家・佳子さん夫妻のアトリエを訪ねた。

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高野さん一家。工房は子どもたちの遊び場でもある。

壊れた牛舎を改造してつくった大きな工房で、長男の峰くんと長女の桃子ちゃん、家族みんなで迎えてくれた。もともと大阪のクリエイティブオフィス「graf」で働いていた夕輝さん。現代美術作品の制作や家具製作を担当していたが、2012年に故郷の北海道に戻ることを決め、日高山脈を遠くに望める鹿追町に移り住むことにした。大阪にいたころから木彫り熊を集めていたが、なかでも八雲の木彫り熊と出会い、ルーツをたどるうちに、その魅力に惹かれた。

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夕輝さんの作品。

「八雲熊はペザントアート(農民芸術)。農閑期にみやげ用に手を動かすようなものだけではなく、暮らしのなかに芸術を、と彫り始められたことに感銘を受けて。いつしか僕自身の“北海道の熊”をつくりたいと思うようになりました」と夕輝さん。家具をつくっていたときから“削る”というシンプルな行為が好きだった。現在手がけている木彫り熊や日高山脈シリーズは、独特の面取りでひとつひとつに存在感がある。そびえ立つ山、そこに生息する熊、それぞれの存在を身近に感じているからこそ、削り出す線やフォルムに愛情と個性がにじみ出る。

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日高山脈は日によって表情を変える。

一方、「graf」でインテリアデザインを担当した後、彫金を学んだ妻の佳子さん。現在は、オーダー制の18金のマリッジリングを制作する。今は子育てをしながらではあるが、じっくりとひとつの指輪に向き合える時間を大切にしている。

昼食の時間が近づき、夫妻にぜひ行ってほしいとおすすめのパン屋「toi」を教えてもらう。

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パン屋「toi」のオーナー中西宙生さん。ビオのパンやコンフィチュールが人気

車に乗り込み、別れを告げる。見渡す限り何もない一本道で車が加速した後も、一家はしばらくの間、手を振り続けてくれていた。

鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
十勝地方らしい広大な牧場が続く。
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
鹿追町の画家・神田日勝記念美術館にて。
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
北海道らしい一本道が続く。
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
太平洋に面した大樹町の海岸にはトーチカが点在する。
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる
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サステナブルな暮らしを発信する宿泊施設として、2018年に誕生した「メムアースホテル」。
鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる

SPOT INFORMATION

神田日勝記念美術館

河東郡鹿追町東町3-2
TEL: 0156-66-1555

 

toi

河東郡音更町字上然別北6線23-4
TEL: 0155-32-9177

 

MEMU EARTH HOTEL

北海道広尾郡大樹町芽武158-1
TEL: 01558-7-7777

ABOUT CAR

A 180 Style

対話型インフォテインメントシステム、最新の安全運転支援システムを搭載。モダンなエクステリアに先端技術を注ぎ込み、快適性を大きく向上させたスポーツコンパクトモデル。

PAPERSKY

『PAPERSKY』は、2002年創刊のトラベル・ライフスタイル誌。「地上で読む機内誌」をコンセプトに、世界各地の自然や文化、暮らしのなかから生まれるストーリーを、ちょっと違った視点から紹介している。

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