自然豊かな群馬県北西部で季節を先取る
スポーツの秋、読書の秋、さらには食欲の秋と、何をするにも快適なこの時季は、絶好のドライブシーズンでもある。そして秋といえば、やはり紅葉。少しばかり早いのは承知で、関越道を北上することにした。E 250 アバンギャルド スポーツの行き先は群馬県だ。

渋川を越えて吾妻川沿いに進むと、平野が広がる県東南部とは様子が一変。新潟県との県境、2000m級の朝日岳、谷川岳、草津白根山が連なる三国山地に近づくにつれ標高はグッと高くなり、10月下旬からの見頃を待つこともなく、さっそく色づいた木々の葉が出迎えてくれた。道中で顔を覗かせる巨大な岩肌や深い渓谷は、群馬県が“火山県”であることを教えてくれるのだった。

火山性地質由来のダイナミックかつユニークな風景を楽しみながら、長野県上田市と栃木県日光市を結ぶ日本ロマンチック街道へ鼻先を向ける。火山性地質に由来するダイナミックでユニークな地形は景観も素晴らしく、ほどよく続くワインディングが心地いい。

ドライバーの意思に忠実に、それでいて穏やかに応えてくれる、E 250の正確なフットワーク。頼もしいトルクを右足で引き出しながら走らせるひと時は、メルセデスの真価を実感する瞬間でもある。

関越道を抜け、一般道から起伏豊かな山道へ。変化に富んだ道を3時間ほど走ってきたが、不思議なほど疲労を感じない。ゆったりと体を包み込むシートの座り心地、静寂な車内空間、そしてなによりメルセデスならではのセーフティ/インテリジェントドライブが、心身の緊張を軽減しながら安全で快適なドライブを実現してくれるからだろう。
そんなことに思いを巡らせつつ、重要伝統的建造物群保存地区になっている赤岩地区をはじめ、日本の情緒が点在する吾妻群の中心部・中之条町に寄り道しながら、日本を代表する名湯・草津温泉を目指した。
草津の湯を堪能できる老舗の名宿
温泉街の中心・湯畑から少し離れた場所に建つ温泉宿「望雲」は1599年(慶長4年)創業という、草津温泉でも屈指の老舗だ。かつては小林一茶や斎藤茂吉、高村光太郎夫婦などに愛され、近年は個人インバウンドのリピーターも増えつつある名旅館である。

草津温泉が掲げる“泉質主義”どおり、肌への当たりが異なる2つの源泉を引いた6つある風呂は、いずれも源泉かけ流し。居心地のよい客室、地元の素材・旬の素材を用いた料理はもとより、湯治文化の名残を感じながらの温泉三昧は、旅情を大いにかきたててくれることだろう。
Spot information
望雲

https://www.hotelboun.com
ADDRESS 群馬県吾妻郡草津町433
TEL 0279-88-3251
チェックイン14:00/チェックアウト10:00
無休
駐車場あり
隠れ家イタリアンで味わう季節の味
温泉三昧の余韻が覚めやらぬまま迎えた翌日は、とっておきのランチが待っていた。草津温泉周辺の食事処といえば蕎麦屋や食堂が定番だが、じつは地産地消の美味をいただけるイタリアンの名店が、湯畑から歩いても10分ほどのところにあるのだ。
オレンジ色の屋根が目印の綿貫ペンションは、1969年に開業した日本で最初のペンションとして知られているが、「リストランテ アル・ロドデンドロ」は建物の半地下のような場所にひっそりとある。オーナーシェフの綿貫さんは言わずもがな、綿貫ペンションの3代目。フランスやイタリアで修行を積んだ腕利きの料理人だ。
春は山菜、夏は高原野菜、秋はきのこ、冬はジビエと、四季の素材をメインに据えた料理はどれも、飾らず気取らず滋味深いものばかり。この地のおいしさをダイレクトに伝えてくる、シェフ自身も好きという北イタリアに由来する料理に魅了され、季節ごとに訪れる人も少なくない。
Spot information
リストランテ アル・ロドデンドロ

https://watapen.com/restaurant/
ADDRESS 群馬県吾妻郡草津町557-11
TEL 0279-88-6150
営業時間 ランチ11:30~14:30/ディナー18:00〜22:00
月曜定休(祝祭日の場合は翌日)
駐車場あり
※予約制
地球の息吹を感じさせる草津白根山、その山の麓に草津温泉やたくさんの名泉が湧く群馬県・草津の地には、起伏と変化に富む地形と景色があふれている。それらが渾然一体となり、まもなく見頃を迎える紅葉の美しさは、想像にかたくないだろう。わずかな期間で過ぎ去ってしまう、今しか見られない絶景がここにある。