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少し特別な熱海を感じに、GLE クーペを走らせる

Photo:Kenichi Yamaguchi Words: Yusuke Osumi

日本には数多くの観光地があるが、特に熱海は様々な日本らしい風土を感じられる場所だ。自然が残り、四季を直に体感できる一方で、海と山に挟まれるようにホテルや食事処が軒を連ねる。賑やかさと穏やかさが混ざる空気こそ、熱海の特徴といえる。駅周辺を少し離れ、山の方へ向かうと、次第に穏やかさの方が濃くなっていく。今回向かったのは、熱海にありながら多くの人が想像するだろう熱海の姿とは異なる、少し特別な落ち着いた場所だ。 ショートトリップの相棒はGLEクーペ。なだらかなアーチを描くルーフラインが美しいクーペフォルムとSUVのタフさが調和する、ユニークなキャラクターをもつ一台だ。グレードはAMGの3.0ℓ V6ツインターボエンジンを積み、メルセデス・ベンツオリジナルのフルタイム4WDシステムである4MATICを搭載したMercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupé。エンジンスタートボタンを押せば、猛々しいエンジン音が鳴り、旅路につく気持ちをさらに掻き立ててくれる。走り出し、アクセルを踏み込んだ後の加速は驚くほどパワフルかつスムーズで、大型なボディを軽やかに運ぶ。高速道路に乗り、しばらく南下すると熱海の海が広がる。目の前のブルーの風景とのコントラストによって、GLEクーペのディープなレッドボディは都会で走る時とは全く違う表情を見せてくれた。

Day1

13:00

 
Leave from Tokyo.

15:00

15:30

01

ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド

大人のためのリゾート「ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド」にチェックイン。利用する年齢層は幅広く30半ばくらい~70代で、女性ひとりで泊まる方も多いそうだ。目的は、総支配人曰く総じて「観光ではなく、癒しのひと時を求めにくることが大半」だという。自然のなかにひっそりと建つ瀟洒なホテルの中に入れば、洗練された設えが織りなす落ち着いた空間が出迎えてくれる。その厳かさのモチーフとなっているのは、J.S.バッハが生み出した格調高い音楽。そして、ホテル名の“クレッシェンド(楽譜に使われる用語で「最高潮」を指す)”は、系列のホテルのなかで最上位であるという意味だ。空間だけでなく、食にもこだわり、その地域で獲れたものを厳選して使い、丁寧に料理をしている。露天風呂を備えた一室を選び、料理に舌鼓を打つ。ここでは、チェックインからアウトまでの時間をフルで楽しみたい。

静岡県熱海市伊豆山1048−4
tel. 0557-82-1717
年中無休
宿泊料 36,468円から(1室2名宿泊時の1名料金、夕・朝食付き、税込)
駐車場 35台分

http://www.grandbach.com/atami/

Day2

11:00

12:30

02

MOA美術館

ホテルを後にし向かうのは、先日、約11か月間かけた改装が完了した「MOA美術館」。改装を手掛けたのは、現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏が主宰する新素材研究所。杉本氏と出会い、日本に古くからある木材をはじめとする素材を現代的に仕立てている氏の方法、思想に共感したことがオファーをするきっかけとなり、展示室やロビーの内観などを大幅に変えることとなった。
熱海の海、繁華街が広がる風景が眼下に臨める。また、カフェ、ビストロ、和食処といった食事ができるお店が敷地内にあることも魅力だ。MOA美術館が特別である理由は、展示作品を見せること同等にその他の体験を重視していること。芸術、空間、食の美を知れる、稀有な美術館なのである。

静岡県熱海市桃山町26-2
tel. 0557-84-2511
開館時間 9:30 – 16:30
休館日 木曜日(祝休日の場合は開館)、展示替日、年末年始
観覧料 一般/1,600円、高大生/1,000円、小中生/無料
駐車場 200台分

ABOUT CAR

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupé

サイズ:全長4,890mm/全幅2,015mm/全高1,720mm/車両車重2,310kg
驚愕の走行性能を有する、パフォーマンスSUVの最高峰。AMG V6がもたらすダイナミックなパフォーマンスと究極のハンドリングで、駈る者の魂を震わせる。スタイリッシュかつ官能的なフォルムと上質を極めたインテリアからは、比類なきラグジュアリネスが放たれる。

 

「ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド」の客室は全部で16室。写真は露天風呂付きのもので、この他、ビューバス付き、森の見えるお風呂付きの部屋が用意されている。すべて源泉を使用。

部屋に備えられた露天風呂。プライベートな空間で雄大な景色を眺めながらゆったりとお風呂に浸かるという、贅沢な体験ができる。また、同じく源泉かけ流しの大浴場もある。

メインダイニング「風雅」で頂けるディナーメニューの一部。前菜から主菜まで一貫するテーマは、ホテルの世界観と共通する、地域と四季の体感。三島、函南の野菜や相模湾、駿河湾の魚介、静岡和牛、伊豆半島のジビエなど、熱海の近郊で獲れた厳選食材を使用した、日本人の感性と味覚で創るフランス料理は、訪れる人々を虜にしている。

デザートは、「神様のごちそう」と名付けられたクレームダンジュ。管理栄養士監修の元、ここまでで800kcal以内に抑えられている。さらにクッキー、マカロン、クレームブリュレといった様々な小菓子がぎっしりと詰め込まれている「幸せの玉手箱」があり、満足感のある内容となっている。

「ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド」は標高361mの場所にあり、相模湾が一望できる。熱海の海上では毎月、花火大会が行われているので、それを目がけて訪れてみるのも良いかもしれない。また、日の出の際の景色も格別で、特に元日はそれを楽しみに利用する方も多いそうだ。

MOA美術館のエントランスにて。東洋と西洋文化の融合、自然と人工がつくり出す美の調和を見出すことが根幹のテーマとしてあるそうで、建物に関してはインドの砂岩で築き上げられた西洋的かつ近代的なものになっている。

建物のなかに入ると、4m以上の高さはあるであろう、朱と黒の漆で塗られた荘厳な扉が現れる。杉本氏たっての希望で、蒔絵における重要無形文化財保持者(人間国宝)である室瀬和美氏が仕立てたものだという。

先の扉のすぐ左手に展示されている茶室。豊臣秀吉が当時の天皇である正親町天皇を茶でもてなすためにつくったものが復元されている。大河ドラマに出演する俳優も勉強のために観に来ることがしばしばある、資料性も高い作品。

周辺の景色もMOA美術館の魅力のひとつだ。この窓辺からは初島、大島を眺めることができる。手前のチェアも杉本氏が手がけたもので、カメラレンズの元となるガラスの塊が脚として使われている。

展示作品の中心は東洋の古美術。この絵巻物はおよそ400年前の作品で、牛若丸の母親が殺され仇討ちする物語が描かれている。ちなみに修復はされておらず、遺されていた状態のまま展示しているそうだが、色褪せや破れはほとんどない。

展示スペースの一角にある階段の踊り場。写真上奥の窓には檜の格子が張られ、その間から柔らかい日光が挿し込んでくる。また、写真ではわからないが、階段のひとつひとつの縁には古美色仕上げの真鍮が施されている。神々しさが感じられる空間だ。

展示スペースを抜け外に出ると、石畳が美しく敷かれた日本庭園が現れる。光琳屋敷と呼ばれる写真の建物は、江戸時代の画家、尾形光琳が遺した図面、大工の仕様帖、茶室の起絵図を元に、数寄屋建築研究における権威、堀口捨巳博士が監修し復元したもの。



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