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FRONT RUNNER -#6【後編】

経営学者・入山章栄がGLCとのドライブで語るクルマの未来とは

photo: Hiromitsu Yasui
words: Ryoya Kaitatsu
direction: Hajime Sasa(Roaster),
Arata Kobayashi(Roaster)

経営学者として様々なメディアに出演し、幅広く活躍している入山章栄さん。後編では、愛車のGLCで早稲田大学界隈をドライブ。普段の愛車の使い方を伺いながら、来たるモビリティの新時代について考察してもらった。

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移動は「知の探索」そのものだ!

入山章栄 / Akie Iriyama

数多くの経営者を生み出してきた早稲田大学のビジネススクールで教鞭を取り続ける入山さん。2020年ではコロナ禍による影響で、授業は原則フルリモートでの開講となっていたが、現在は状況を判断しながらも、リアルとリモートのハイブリッド授業に移行しているという。それに伴い、愛車のGLCで早稲田大学に出勤することも増えてきた。

入山章栄 / Akie Iriyama

「コロナ禍によって、移動の意味について考えることが多くなりましたね。リモート授業であれば大学に来なくても授業が成立するわけですが、学生側からすると果たしてそれがキャンパスライフと言えるのか。僕はよく、イノベーションの源泉には遠くの離れた知をみる『知の探索』が必要だと話しているのですが、移動はまさに『知の探索』そのものです。ある経営者は『創造性は移動距離に比例する』とおっしゃるくらいですからね」

「不動産」ではなく、「動産」が価値を持つ

入山章栄 / Akie Iriyama

コロナ禍は、移動の価値基準を変えた。それと並行する形で、モビリティ業界は大きな時代の変化を迎えている。その一つが「MaaS(マース:Mobility as a Service)」という概念だ。移動ニーズに対応し、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて、検索・予約・決済などを一括で行うサービスを指す。

「MaaSの実装が進んでいくと移動に対する考え方や価値は変わっていくと思います。一つはやはり『自動運転』。自動運転の技術が進むと、最終的には自分で運転しなくても目的地に到着します。となると、車内空間がいかに快適かどうかが重要になると思います」

入山章栄 / Akie Iriyama

目的とする場所まで自動で着くということは、その空間を部屋のように使って、テレビを見たり読書をしたり仕事ができたりする。

「すると、これからは土地に代表される『不動産』ではなく、移動可能な『動産』というワードが出てくると思います。身体的負荷が少ないシートを置いて、リラックスできる音楽を流し、キレイな空気を作り出すといった、空間の快適性が重要な意味を持つことになるでしょう。もしかしたら『動くホテル』といったビジネスも生まれるかもしれませんよね。僕はそこにこそ、ラグジュアリーを追求してきたメルセデスの強みを発揮できるポイントがあると思うんです。特にコロナ禍においては、空気清浄度をモニタリングしたり、十分な換気をしたりすることがあらゆる空間に求められている。この意味でも、クルマはその状況に適している」と入山さんは話す。

「今の世の中において、最も安全でクリーンなスペースの一つがクルマです。実際に、駐車場の利用目的として仕事や仮眠に使う人が一定の割合を占めるというデータもあるそうです。まさにクルマは究極のプライベート空間といえますよね」

移動そのものが、ライフスタイルの時代へ

入山章栄 / Akie Iriyama

では、もし自動運転が当たり前になった場合、私たちはクルマで移動する際に自分でハンドルを握ってアクセルを踏むようなプロセスを経ることはなくなるのだろうか。入山さんは「むしろ、もっと発展します」と断言する。

「僕自身もそうなのですが、人は自分の意志で移動したいという欲求を元来持っています。実際にコロナ禍になって、キャンピングカーのサブスクリプションサービスに注目が集まったり、アメリカのIT系社員の知り合いがクルマを住めるように改造して移動しながら生活していたり……。つまり、自分自身が意志を持ってルートを決め、移動すること自体が目的になっている。移動がライフスタイル化しているわけです」

入山章栄 / Akie Iriyama

入山さん自身、あえてカーナビに頼らずにGLCを運転することもよくあるという。実際に「指図されたくないと思って、無視することは結構あります(笑)。そうすることで、予期せぬ出会いや価値に気づくことがあるから」と嬉しそうに語る入山さん。全てがデータによって最適化されつつある生活に対して、自分の意志によって一石を投じる。だからこそ、これからの時代も目的地を決めずに走ること自体が様々な価値を生んでいくのだろう。

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PROFILE

入山章栄 / Akie Iriyama

入山章栄 / Akie Iriyama

早稲田大学大学院 経営管理研究科(ビジネススクール)教授。慶應義塾大学経済学部卒業。三菱総合研究所で、主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院で博士号(Ph.D.)を取得。同年から米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールアシスタントプロフェッサー(助教授)。2013年から早稲田大学大学院 経営管理研究科(ビジネススクール)准教授。2019年より現職。近著に『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)。

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The GLC

洗練された力強さ溢れるエクステリアと、伝統が磨き上げた高い快適性、実用性を兼ね備えたSUV。オフロードでもたくましく、力強くスポーティな走りを楽しめる。アレンジできる広いラゲッジスペースに、取り回しの良いボディサイズが特徴。

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