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漫画家・弘兼憲史×「港屋」創業者・菊地剛志

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

photo: Kenichiro Higa
words: Satoru Yanagisawa

多くの人に愛されながらも、2019年に突然、幕を下ろした立ち食いそばの名店「港屋」。そんな幻の有名店が、Mercedes me Tokyo NEXTDOORに「Minatoya 3」として復活しているのをご存知だろうか? 自身の代表作『島耕作』シリーズにたびたび登場させるほどの「港屋」好きとして知られる漫画家・弘兼憲史氏、そして「港屋」創業者・菊地剛志氏に、お二人の出会いのきっかけから「港屋」への想い、さらにはクルマ遍歴まで、熱く語ってもらった。

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

弘兼憲史氏(以下弘兼) 僕と「港屋」の出会いは、グルメな友人から「虎ノ門にすごくうまい立ち食いそばがあるから、行ったほうがいいよ」と教えてもらったのがきっかけ。それで行ってみたら、店内は薄暗く、水盤を囲むように設置されたカウンターがスタイリッシュで、今までの立ち食いそばのイメージとは違ってすごくおしゃれで驚いた。そのときすぐに、当時連載していた『社長 島耕作』にこの店を出そうと思った。

菊地剛志氏(以下菊地) そんなに早い段階で思ってくださったのですか?

弘兼 すぐに思った。なぜかというと、島耕作が代表を務める「株式会社テコット」の本社が愛宕グリーンヒルズなのです。歩くと少し遠いかもしれないけど、すぐ近くに港屋があったので、ここで食べるシーンを入れようと。こっそり店内の写真を撮っていたら、店員さんに怒られちゃって(笑)

菊地 うちの女性スタッフはキリキリしていて、すみません……!!(笑)

弘兼 あの頃から「港屋」はものすごい人気で、常にお客さんが並んでいたし、たぶん写真を撮る人が多かったんでしょうね。もちろん何も許可を取っていなかったので「すみません」って謝って、撮れた分を元に描きました。その時に……あれ? 最初に菊地さんにお会いしたのって、いつでしたっけ? 僕が声を掛けたのでしたっけ?

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

シリーズ最新作『相談役 島耕作』でもMercedes me Tokyo NEXTDOORに復活した「Minatoya 3」が登場

菊地 最初は、お客さまから「島耕作に載っていますよ」とお聞きして、「ええっ、本当ですか?」って。それで週刊『モーニング』を見たら本当に「港屋」が出ていて、すごく驚いて。学生の頃からずっと愛読している漫画ですのでとてもうれしくて、モーニング副編集長の都丸さんに直接御礼をお伝えしました。そしたら、弘兼先生がお電話をくださったんです!! 夜10時くらいで、事務仕事をしているときだったのですが、「漫画家の弘兼憲史です」とお聞きしたときには、もう手が震えちゃって。確か、僕が編集部にお花をお贈りしたことへの御礼のお電話だったと思いますが、すごく舞い上がってしまって、何をお話したかはあまり覚えていません(笑)。

弘兼 そうでしたね。それから僕の担当編集の2人と菊地さんとで西麻布にお鮨を食べに行って。そのあとは正式に、堂々とお店の写真を撮らせてもらえるようになった(笑)。

菊地 それから弘兼先生と仲良くさせていただくようになり、長岡の花火も観に行きましたね。弘兼先生のお手製のお料理をご馳走していただいたり、いつも大変良くしていただいております。お料理は、それはもうプロ級ですよ(驚)。

弘兼 店内に僕の描いた島耕作の絵や色紙を飾っていたただいて。でも、あのきれいな空間に漫画があるのが、どうも違和感があって(笑)。

菊地 弘兼先生の色紙に、僕は何度勇気をもらったことか……。お客さまのなかには、手を合わせている方もいらっしゃいました。

弘兼 なんで飾ってあるのか、聞かれなかったですか?

菊地 お客さまのなかでは、「島耕作」に出ていることは有名でしたので。

「Mercedes-AMG GT」の力強さや速さを、そばで表現したかった

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

弘兼 日本そばっていうからには普通のそばをイメージするじゃないですか。確かに日本そばなのですが、てんこ盛りのそばが出てきて、海苔の量も半端じゃない。しかも、つけ汁にラー油が入っている。それがまたショックだった。カウンターには玉子や揚げ玉が積んであって、これは何だろうって、最初はびっくりしたのを覚えています。食べると、本当に病み付きになって……あんなのなかった。それから菊地さんと島耕作がコラボしてカップ麺(日清食品)もつくりましたよね。手前味噌になるかもしれないけど、あれは本当においしかった。ほかのカップ麺とはまったく食感や味の次元が違ったもの。

菊地 当初、パッケージには島耕作さんの既存のイラストを使用するはずだったのですが、弘兼先生が特別にお描きくださって!!

弘兼 カップ麺は、この「Minatoya 3」の味に近いかもしれないですね。「港屋」は冷たい肉そばでしたが、「Minatoya 3」のそばは温かくて。改めて、この肉そばを開発した経緯を教えてもらえますか?

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

「Minatoya 3 Vision “Mercedes-AMG GT Atatakai Nikusoba”」1,000円

菊地 僕はずっとメルセデス・ベンツが好きで、それは20代の学生の頃に初めて運転したときの感覚を、今でも覚えています。ミッションとかステアリングとか、ひとつひとつがガチッとしていて、そんな堅牢な感触や乗り心地がすごく体に残っていて……。

弘兼 学生時代からメルセデスに乗っていたの?

菊地 いえいえ、運転する機会があっただけで、実際にメルセデスを購入したのは31歳のときです。僕はもともと銀行員で、脱サラしてそば屋をはじめたのですが、当時、そばをつくるにあたっても、そばの堅さや、エッジの切れている感じなどは、どこかそのときのメルセデスが残っていて、エッセンスは間違いなく入っているんですよ。こちらのショールームをご覧いただいてもわかるように、「港屋」も似たような雰囲気でしたものね。

弘兼 確かに。

菊地 そして、フラグシップである「Mercedes-AMG GT」にも憧れがあって、このモデルだけが持つ力強さや速さ、美しさや爽快感をそばで表現しようと考えました。ラー油の辛みや、つけ汁に入っている山盛りの刻みネギ、花椒の爽やかさなどで、まさにそんな部分をイメージしました。大好きなメルセデス・ベンツ、そして大好きな弘兼先生、島耕作さんとご一緒にお仕事ができて、本懐です。

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

弘兼 僕もメルセデスは190Eの頃からだから、もう何十年も乗っている。メルセデスはステアリングに重みがあって、アクセルは踏み応えがあり、それがすごく気に入っています。今はGクラス(W463 G350d ポーラホワイト/ブラックレザー)とSLKクラス(R171 SLK350 ブリリアントシルバー/レッドレザー)に乗っていますが、間違いなく次の購入もメルセデス。これはお世辞じゃなく、今後も違うメーカーに乗るつもりはありません。ちなみに菊地さんのメルセデス歴は?

菊地 先ほどお話いたしました、初めて運転したメルセデスはW124のE320。そして31歳のとき、最初に購入したのはR129のSL320です。

弘兼 SL? けっこういいクルマを買いましたね。

菊地 それがアズライトブルーのボディにダークブルーのナッパレザーでした。そのあとにR230のSL350。これはトパーズブルーのボディとライトグレーのレザーです。そのあとはスマートを購入しました。今はスマートを3台乗っています。

弘兼 スマートはどうですか?

菊地 スマートはすごく良いです!! いずれもスマートの451で、ディープブラック、クリスタルホワイト、ライトブルーメタリックの3台です。

弘兼 街中を走るのには良いですよね。

菊地 最高です。今、軽井沢に行くことが多くて、今日も軽井沢からスマートで帰ってきたのですが、高速道路も安心して運転できます。

弘兼 菊地さんは本当にメルセデスが好きというのが伝わってきます。

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

菊地 あと、メルセデス・ベンツの世界観で好きなのは、つくりは質実剛健でありながら、ボディカラーが宝石の名前なんですよ。ルビーレッド、オブシディアンブラック、アレキサンドライトグリーン、トラベルティンベージュ、トパーズブルー、アズライトブルーなど……。

弘兼 そうか、宝石の名前なんだね。

菊地 その世界観は、僕のなかで譲れないというか。こういうセンスは本当に素敵です。

もし、また島耕作が「Minatoya 3」のそばを食べに来たら……?

あの島耕作が愛した、「港屋」の肉そばを求めて

弘兼 「港屋」が閉店したときはかなり話題になって、『会長 島耕作』でも触れさせてもらった。なくなったときは「港屋の火が消えた」とか言われていたから、この「Minatoya 3」ができたときはうれしかったですね、やっぱり。

菊地 早速、『相談役 島耕作』でも取り上げていただき、心よりありがとうございます。

弘兼 菊地さんはアイデアマンだと思います。そばづくりを経験したことがないのに自分のアイディアから入っていって、多くの人に受け入れられて、すごいことですよね。

菊地 僕は職人とか料理人をやっているつもりはなくて、すべて物創りの思想なのです。

弘兼 だから、「港屋」を閉めたとき、菊地さんはもう現場に立たないっていうのがわかりました。料理人ではないですね、アイディアマンですよ。

菊地 島耕作さんがまた、この肉そばをお召し上がりにいらしたら、どんな感想をくださるのでしょうか?(笑)

弘兼 「相変わらずうまいな」ってところかな。あとは、肉そばを食べながら「今度はあのメルセデスにするか」もいいかな(笑)。

菊地 ぜひ「Mercedes-AMG GT」をよろしくお願いいたします(笑)。

SPOT INFORMATION

Minatoya 3

Minatoya 3

https://www.mercedesme.jp/nextdoor/
ADDRESS 東京都港区六本木7-3-10 Mercedes me Tokyo NEXTDOOR
TEL 03-3478-8381
ACCESS 東京メトロ千代田線「乃木坂駅」3番出口より徒歩2分。都営大江戸線「六本木駅」7番出口より徒歩5分。東京メトロ日比谷線「六本木駅」4a出口より徒歩7分。
営業時間 11:30~16:00、17:00~22:00 ※売切仕舞
定休日 不定休
駐車場 近隣コインパーキング有

PROFILE

弘兼憲史/Kenshi Hirokane

弘兼憲史/Kenshi Hirokane

1947年、山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業。松下電器産業に勤務したのち、1974年漫画家デビュー。『人間交差点』(原作・矢島正雄)で第30回小学館漫画賞、『課長 島耕作』で第15回講談社漫画賞、『黄昏流星群』で2000年文化庁メディア芸術祭優秀賞と2003年漫画家協会賞大賞を受賞。2007年には紫綬褒章を受章。深い洞察をもって、現代社会を生きる大人たちの人間模様や心を巧みに描き、社会派漫画の第一人者として高い評価を受ける。作品は『ハロー張りネズミ』『加治隆介の議』など多数。現在は漫画雑誌『モーニング』(講談社)で『相談役 島耕作』、『ビッグコミックオリジナル』(小学館)で『黄昏流星群』を連載中。

菊地剛志/Takashi Kikuchi

菊地剛志/Takashi Kikuchi

1974年、山形県山形市生まれ。日本大学卒業。銀行に勤務後、独学でそばを学び、2002年虎ノ門に立ち食いそば「港屋」をオープン。ラー油を使った今までにないそばが話題となり、瞬く間に行列のできる人気店となるも、2019年に惜しまれつつその幕を下ろす。現在はKIKUCHI Art Galleryの代表としてさまざまな創作活動にいそしみ、自身の感性を生かした幅広い商品をディレクションしている。

ABOUT CAR

Mecedes-AMG GT

「Minatoya 3」のメニューのモチーフにもなった、唯一無二の個性を放つスポーツカー。美しいフォルムに、最先端のコクピット、さらにグリップ走行からドリフト走行まであらゆる挙動を実現するAMGダイナミズムを採用した究極の走りを体験できる。

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