AMG 45シリーズのポテンシャルに驚く。
サーキット初心者も楽しめる走行会
5月27日(土)、西日本では初開催となるAMG 45シリーズオーナー様向けのサーキット走行会「AMG 45 Driving Club」が中山サーキット(岡山県)で開催された。当日は、快晴で青空が広がり絶好のドライビング日和。開催を心待ちにしていたAMG 45シリーズオーナーの皆様は、晴れやかな笑顔とともに愛車でサーキットに乗り込んだ。
「AMG 45 Driving Club」は、サーキット走行初心者を対象にAMG 45シリーズの高い走行性能を体感してもらうことを目的とした走行会だ。今回アドバイザーとして、SUPER GTで活躍する現役レーシングドライバー谷口信輝選手と黒澤治樹選手の2人を迎えた。経験を基にしたサーキットを走る上での心得を語る2人の口調は厳しいながらも時折ジョークも飛び交い、程よい緊張感のなか「AMG 45 Driving Club」は始まった。
プログラムの内容は、セーフティブリーフィング(座学)と走行プログラム(コーナリング・複合コーナー・直線ブレーキ)、先導走行と今回はこの3つを実施した。サーキット走行のポイントや注意点を学ぶといった座学のあと、準備体操を行い、いよいよ一同サーキットへ。

走行前の準備体操後は、ドライビングポジションについてレクチャー。ブレーキペダルをしっかり踏み込める位置にシートポジションを動かす。
最初のサーキット走行プログラムはコースを使ってのトレーニング。フル加速から全力でブレーキをかける直線ブレーキ、連続するワインディングを使用しての複合ブレーキ、S字カーブを利用してブレーキングからのターンイン(カーブへの進入)の3つを繰り返し行う。それぞれのセクションでは、アドバイザーが1人1人の走行をチェックしていて、車載されたトランシーバーを通して指示とアドバイスが飛ぶ。
「もっとインについてください」「視点を遠くへ。コーナーをなめるように走って、アクセルはもう少し我慢してください」など、現役レーシングドライバーによるアドバイスは的確かつ具体的だ。谷口選手、黒澤選手ともにAMGオーナーであり、AMG 45シリーズの特徴を熟知しているのでなおさらである。個々のドライバーの力量や車両特性にあったアドバイスは、参加者の皆様にとっても非常に得難い経験といえるだろう。
走行プログラムを終えると、コースマップを使い再び座学に入る。外側からゆっくり優しくコーナーに入り、出るときはアクセルを踏んで素早く立ち上がり、ふたたび外側へ膨らんでいくスローイン・ファーストアウトとアウト・イン・アウトの鉄則に始まり、コーナーを曲がる際にどこでもっともインに近づけば良いかという、クリッピングポイントのとらえ方など、走ったコースのリアルな感触を残しつつ聞く座学は、納得できる内容ばかりだった。
サーキットだけではなく、街乗りでも充分使えるアドバイスなのだが、なかでも特にほとんどの参加者が指摘されていたのは「視点を遠くに保つことの大切さ」だった。谷口選手はその大切さについてこんな例を挙げている。「視点が近いのは、夜の山道をロービームで走ることと一緒なので走りにくいですよね。ハイビームにして視点を遠くにすれば、脳により早く情報を入れてあげられる。つまり、走るべきコースを頭に描くことができるのです」。
座学が終わると再びコースへ。今度は谷口選手と黒澤選手について、サーキットを周回する先導走行である。自分の走りの改善点を指摘された上で、コース取りを学びながら走る。実際に体験すると、自分では思いもよらなかったコースを2人が走行するのに驚く。コースを頭に入れているのはもちろんなのだが、2つ先のカーブまで見ているからこその最適なコース取りなのだということが実感できた。そんな的確なコース取りは、サーキットを最速で駆け抜けるだけでなく、普段の運転においても同乗者を安心させ、負担をかけない運転につながるのだ。

トレードマークのヘルメットをかぶり、レースながらの高い集中力で先導走行にのぞむ黒澤選手。
今日参加した、「サーキットが初めて」というAMG 45シリーズオーナーが満足した笑みを浮かべながら話してくれた。
「遅れないように必死でしたが、『なかなか走れるな』と自分でも嬉しくなりました。普段は2000回転以上回さないので、それくらいアクセルを踏むとどうなるのかという疑問は解消されました。家族と乗るイメージで購入したのですが、ここまでスポーツ性能に特化された車だとは思ってもみなかったです。また是非、参加したいと思います」
一方、サーキット走行の経験がある参加者は新たな手ごたえを言葉にしていた。
「最初にアドバイザーの皆さんからレッスンを受けられるので、どこをどう走るのか、ポイントがとてもわかりやすかった。それをふまえての先導走行はとても楽しいです。自分のAMGのポテンシャルを体験できることは嬉しいですね」
さらにもう一方。かつて「フランス車でサーキットに通っていた」という、A 45で参加していたオーナーはAMGの良さについてこう語った。
「今回の経験を通じて、もう一度サーキットに通う理由が得られたなと思いました。ブレーキパッドとオイルを交換しているだけで、十分満足のいく走りができますね。AMGは『とことん走っている』という感触があります。男くさい走りで気に入っていますよ」
その感覚は惚れ直す、またはAMGの新たな一面を見つけ出すということかも知れない。谷口選手から「峠のように狭く、アップダウンが激しい」と評されていたコースレイアウトも、結果的にAMG 45シリーズのキャラクターに絶妙にマッチしていたといえる。4輪でしっかり路面をとらえつつクラス最高レベルの馬力とトルクを全力で解放する条件が、この中山サーキットには揃っていたのだろう。
正しい運転技術でそれぞれがAMGのポテンシャルを最大限に引き出す。そうするとAMGはドライバーにまた、新たな歓びの世界を見出させるのだ。「AMG 45 Driving Club」からそれぞれが持ち帰った経験は、今後のAMGライフをいっそう輝かせるに違いない。

先導走行のインターバル休憩中に、ハンドルの切り方と視点の移し方についてアドバイスする谷口選手。
谷口信輝選手が語るMercedes-AMG
「A 45をこのたび購入することにしました。すごく気に入っています。僕はレスポンスが良くて小気味よく走るクルマがすごく好き。A 45はとても軽快に走るし、2リッターターボなのに381馬力もあって、街中で走っていてもすごく気持ちいいクルマ。サーキットでもこのまま走れますし、走れるクルマだからといって快適性を我慢しなければいけないわけでもない。レーサー目線というよりは、クルマ好きの個人的な好みとしてA 45はどんぴしゃでハマっている感じなのです」
黒澤治樹選手が語るMercedes-AMG
「4駆でコンパクト最強の2リッター381馬力。この馬力は、どのメーカーが頑張っても出すことができません。今回、初めて新しいCLA 45に乗りました。フロントにデフが入った新しいヴァージョンですが、これが本当に素晴らしかった。速いし、乗り心地もいいし、バランスもいい。今日は本気で『これ欲しいな』って思ってしまいました(笑)」