クルマを乗り尽くした男が語る、メルセデス

「一時期は12台のクルマを同時に所有していました」と開口一番クルマ好きなエピソードを語る熊谷さん。パリで洋服を学んで帰国後、スタイリストやフォトグラファーとして活躍しながら、1998年にスタートした自らのブランド「GDC」を展開していた頃だと言う。
「もともと好きだったアメ車や旧車、映画で見て気になったクルマなど、欲しいなと思ったらすぐ手に入れて乗っていました。気に入らなかったら2ヶ月で手放すこともあれば、7年以上乗ったクルマもあります」
そうして乗り継いだクルマは、合計40台以上。なかでも印象に残っているのはメルセデスCLK 55 AMGだ。5.5LのV8エンジンを搭載し、足回りを強化したCLK 55 AMGは「とんでもなく速くて、クルマとの一体感がすごかったですね。あれほどスピードを感じられるクルマは初めてでしたよ」と熊谷さんは興奮気味に語る。

今回乗ってもらったメルセデスAMG E 53 4MATIC+ ステーションワゴンは、AMG仕様という点で共通する。まずはルックスから感想を訊いた。
「AMGはルックスが力強くなりがちですが、このクルマはユニセックスに落とし込まれているように感じます。東京の都心、主婦の方が運転していても自然に見えるような雰囲気がありますね」
自分で所有するなら、ファミリーカーとして使いたいと言う熊谷さん。メルセデスAMG E 53 4MATIC+ ステーションワゴンなら、奥さまが運転するクルマとしても使えてイメージは膨らむ。


乗車した熊谷さんがまず感じたのは、座ったときにゆったりとしながらも包み込まれるような運転席のスペース。AMGらしいスポーティな内装と、Eクラスらしい幅広のセンターコンソールにより、ドライバーズシートとパッセンジャーズシートの独立性が確保されているためだ。3.0L 直列6気筒ガソリンターボエンジンと、48V電気システム、そして電動スーパーチャージャーからなるマイルドハイブリッドのパワートレインは、熊谷さんのアクセルワークに反応してリニアに加速する。


「発進は滑らかです。3,500回転くらいからはダイレクト感が出てきて、その力強さもいいですね。足回りもコーナーでしっかり粘っていて安定感がある。これは長距離移動が多いゴルフに行く時にも楽しく運転できそうです」
高速道路ではスポーツモードに切り替えて軽やかに、高速道路を降りてゴルフ場までの山道では、コンフォートモードでゆったりと流す。週に2回はゴルフ場でラウンドするほどゴルフにハマっている熊谷さんには、メルセデスAMG E 53 4MATIC+ ステーションワゴンでの現地までのドライブが鮮明に思い浮かんでいるようだ。
インテリアで熊谷さんの目に止まったのは、12.3インチコックピットディスプレイ。計器類とインフォメーションを表示する2つのモニターを、横長の一枚のガラスに収めたスッキリしているデザインが好印象だと言う。
「メルセデスはインパネの作りに職人気質を感じるんですよ。ひとつひとつの部品を丁寧に組み合わせて作っているのが分かります」
かつてアメリカやフランスメーカーのクルマも所有してきた熊谷さんだからこそ、その言葉には説得力がある。
“趣味の倉庫”として使う、熊谷隆志流のクルマ活用法

現在はG 400dに乗っている熊谷さんにとって、自身のクルマは「趣味の倉庫」だと言う。日々ゴルフの練習に行くためのゴルフバッグはもちろん、その日のウェアに合わせるための20足ほどのシューズやゴルフボール、さらにゴルフバッグには入りきらないゴルフクラブなど、趣味で使う道具を収めている。
「先日は鉢植えを運んだりもしましたが、仕事としての用途よりも趣味の道具を入れています。結婚してから特に、自宅にはあまり置かないようにして、その分クルマの中に積み込んでいます。家に趣味のものがたくさん置いてあるのが嫌なので、クルマは荷物をエスケープできる貴重な場所ですよ」

クルマを買うとすぐ熊谷さんがすることがひとつある。それは後席のシートを倒して荷室にしてしまうこと。
「2シーターにして乗るのが好きで、後ろの席はすぐ倒してしまうんです。だから荷室はいつも最大限に広く使っています」
もちろんメルセデスAMG E 534MATIC+ ステーションワゴンも後席を倒すことができるが、通常時もラゲッジスペースは広々としており、ゴルフバッグも余裕をもって積載可能。熊谷さんの言う趣味の道具をたっぷりと収容することが可能だ。

華があり、実用的。今の熊谷さんが求める理想のクルマ像
「昔はステータスや見栄というものもありました」と、自身とクルマの関係を語る熊谷さん。現在ではそれよりも実用性を重視して選んでいるという。大きな理由は二つあり、一つは結婚して家族ができたことだというが、もう一つの理由は、ゴルフが生活の大きなウエイトを占めるようになったから。
「今は、クルマに乗る理由としてゴルフ場に行くという明確な目的があるので、壊れたら困るんです。旧車も好きなんですが、ラウンドの開始時間に間に合わないようなトラブルは避けたい。だから、今のクルマ選びの基準は実用性がとても重要です」

ゴルフのほか、長野県の野尻湖あたりへサウナ目当てに出掛けることも好きだという熊谷さん。長距離をドライブして、汗を絞り出すデトックスの時間を楽しむのにもクルマは必須だ。
「メルセデスはアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック&アクティブステアリングアシストもいいですよね。高速道路に乗ったら速度をセットして、あとはリラックスして運転席に座る。長距離の移動ではこの機能を重宝しています。これからも自動運転の技術は進化していくと思いますが、本が読めるくらいまで実現して欲しいなと本当に思います」
港区の自宅から碑文谷のゴルフ練習場へ、または関東近郊のゴルフ場へ、時には遠出をして長野県へ。短い距離から長い距離まで、今の彼の生活にとって欠かせない存在であるのが、リラックスして過ごせるクルマだ。

生活に華を添えながら実用的でもあるメルセデス。その懐の深さで、これからも熊谷さんのライフスタイルに寄り添い続けるだろう。
後編は、ゴルフを存分に愉しむ彼の休日に密着する。
ABOUT CAR
Mercedes-AMG E 53 4MATIC+ Stationwagon
スポーティなAMG専用グリル、新デザインのフロント、リアエプロン、そしてパワードームがあしらわれたボンネット。ステーションワゴンの伸びやかなフォルムが、力強く洗練された佇まいとなる。3.0L直列6気筒ターボエンジンと、モーター兼発電機であるISG、電動スーパーチャージャーを搭載し、強烈に立ち上がるパワーを供給する。メルセデスAMGが開発したAMG RIDE CONTROL+エアサスペンションを搭載し、優れたトラクションと、コーナーでの路面に吸い付くような安定性を実現している。