いつもの場所が違って見える、Sクラスからの風景

20歳でファッションモデルの世界に飛び込んだ三宅さん。そこからの35年間は、好奇心をくすぐられる出来事の連続だったという。NYに留学した際には西海岸で古着の買い付けを行い、帰国後はミッドセンチュリーの家具を扱うインテリアショップ「モダニカ」に約10年間勤め、マネージャーとバイヤーを経験。2009年に独立し、やちむんを販売するショップ「58」を中目黒にオープンした。55歳を迎えた現在もモデルやファッションの仕事を続けながら、各地の窯元を巡るなど、自身の好きなことに邁進している。


そんな三宅さんらしく、愛車遍歴も多彩だ。初めてクルマを買ったのは18歳。日本、アメリカ、ドイツ……、スポーティな2ドアクーペもあれば、SUV、バンにも乗った。
「18歳になったらクルマを買うのが当時は当たり前で、それ以来クルマは常にある存在。プライベートでもよく乗りますし、仕事で荷物を運ぶために乗ることも多いです。最近は年齢的にもラグジュアリーなクルマが1台あったら良いなと思うシチュエーションも増えてきたので、Sクラスに乗れる今日を楽しみにしていたんですよ。益子はプライベートでも仕事でもよく訪れるステキな街ですが、このクルマで走るとまた違った魅力が見えてくるような気がしますね」
今も昔も変わらないSクラスのオーラ

「やっぱり目の前にすると大きいよね。相変わらず風格があるなあ」と、S 580 4MATIC longを眺めながら三宅さんがつぶやく。
「実はモダニカに勤めていた頃、よくSクラスを運転していたんですよ。アメリカ家具の店なのにクルマはメルセデスが好きという社長が乗っていたのがSクラスで、東京から名古屋までとか、結構長い距離を運転していました。もちろん、当時とは技術面ではまったく違うクルマなんですけど、あの時感じていた風格というか、これぞSクラスという独特のオーラは、今も昔も変わらないのが面白いですよね」
「見た目も中身も洗練されたラグジュアリーを感じるデザインは流石。鋭いテールライトやドアの内側の作り込みなんかを見ても、やはりメルセデスは個性があるなと感じます。そしてSクラスといえば、フロントのスリーポインテッドスター。こういうところが、独特のオーラを感じる所以なんでしょうね」
反対に、Sクラスから受け取る印象が変わった点を訪ねた。
「大きなディスプレイを使ったインパネですね。乗った瞬間にイメージが覆されました。直感的に操作できるし、ちゃんとラグジュアリーにまとめられているところは素直にすごいと思いました」
上質な走りとインテリアが気分を高めてくれる


三宅さんが駆るS 580 4MATIC longは、東北自動車道を滑るように走る。
「乗ってすぐに感じたのは圧倒的な安定感です。ボディの大きさを感じさせないスムースな加速と路面の継ぎ目や凹凸の不快さがない安定した足回りで、高速域でもクルマの挙動は非常に滑らかでした。車体が大きいにも関わらず小回りが利くので、細い道でもとても安心。そういった安定感に繋がる要素が絶妙に合わさって、終始快適でした。長時間スピードが出ていても運転でストレスを感じないっていうのは、不思議な感覚です」
居心地の良い空間で移動する、特別な時間


三宅さんとしては、久しぶりに乗るSクラス。世代を超えて受け継がれる伝統はそのままに、デザインや装備を未来的に洗練させたS 580 4MATIC longは、彼にとって特別な1台であったようだ。
「クルマは仕事でもプライベートでも欠かせない存在。長い距離を乗ることも多いから、どれだけ快適な空間であるかはすごく重視しています。そういう意味では、このクルマは上質で重厚感のあるリビングのような居心地の良さ。どんな距離でも長距離に感じないんじゃないですか? 目的地までの道のりを特別な時間にしてくれると思います」
後編では、三宅さんが沖縄のやちむんの里で出会った夫婦の窯元を訪ねる。
ABOUT CAR
「世界の自動車の指標」と評されるメルセデスのフラッグシップセダン。全長5,290mmのロングボディに3982ccのV型8気筒ガソリンターボエンジンを搭載し、370kW(503ps)の最高出力と700Nmの最大トルクを発揮。メルセデスが提案する新時代のラグジュアリーを体現。