
数々のヒットを生み出してきた企画のプロフェッショナル
小山薫堂さんには、さまざまな顔がある。放送作家でありながら、映画の脚本を手掛け、ラジオパーソナリティとしても長いキャリアを持つ。時にはホテルやレストランの経営にも携わるし、熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン」の生みの親でもある。
ひとつ確かなのは、それらの幅広い活躍の中でさまざまなものに触れ、審美眼を磨き続けているということ。彼の柔軟でありながら芯のあるモノの見方には、常に説得力がある。

BETTER POINT 1: 自らハンドルを握って気付いた、ドライバーズカーとしての魅力
小山さんは、昔から大のクルマ好きだ。欧州車を中心に、スポーツカーからラグジュアリーSUVまで19台ものクルマに乗ってきた。現在も複数のクルマを乗り分けているが、一番乗る頻度が高いのがメルセデスだ。
「東京と京都の拠点にそれぞれメルセデスAMG E63 ステーションワゴンとA 180を所有していて、主に仕事の移動の際に乗っています。特にE63は思い入れがあって、僕が48歳のときに買った、はじめてのメルセデスなんです。買い換えのタイミングで1度友人に譲りましたが、すごく愛着があったのでその友人から買い戻し、今も乗り続けています」


仕事の移動の際には助手席や後部座席に座ることが多いという小山さん。しかし、今回の試乗期間では自身でハンドルを握ることがほとんどだったという。
「このS 500 4MATIC longはショーファーカーという印象が強いかもしれないけれど、実際に自分で運転してみると、ドライバーズカーとしてもすごく面白いクルマでした。シートの座り心地やウィンカーの感触、ボタンの配置、加速感、すべてにおいて余裕があって、自然と品の良い安全運転を心掛けようという気持ちになる。速く走ることが格好良いと思わせない格好良さがありました。それこそがSクラスの魅力なのでしょうね」

BETTER POINT 2: 音声操作「MBUX」で再認識した、人間中心の設計思想
小山さんがもう一つ感動したと太鼓判を押すのが、対話式の音声操作を可能にする「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」だ。
「いろいろなメルセデスオーナーから使いやすいと聞いていたので、運転している時に『ハイ、メルセデス。少し暑い』と言ってみたんです。そうしたらクルマが車内を適温に調整してくれました。メルセデスは伝統として人間が直感的に扱えるようにデザインするのが上手い。改めてさすがだなと思わされました」


あえて説明書を見ずとも、直感で機能を扱えること。それは安全な運転に寄与するだけでなく、クルマを運転するという行為自体を特別な体験にしてくれると小山さんは語る。
「僕にとってクルマは、価値ある移動手段であると同時に、発想の場でもあります。目立つ看板や歩行者の服装、あくびをしている対向車線のドライバー……。運転中は本当にいろいろな事象が目に飛び込んできますが、あるとき、そういった情報が自分の中にある何かと交差し、摩擦が起き、火花が飛ぶように瞬間的にアイデアが生まれるんです。だからクルマに乗っている時間は、大切な時間。S 500 4MATIC longでは余計なことを考えず、運転と流れる景色に集中できました」

クルマ選びにおいてはフィーリングを重視するという小山さん。随所から漂う“余裕”が運転の心地良さを生み出すS 500 4MATIC longは、彼のライフスタイルにもぴたりと合致する。
後編では、小山さんの仕事やクルマと美に対する考え方を紐解きながら、Sクラスの魅力を深掘りする。
ABOUT CAR
「世界の自動車の指標」と評されるメルセデスのフラッグシップセダン。Sクラスとしては7世代目にあたる同車は、全長5,290mmのロングボディに3リッター直6ターボ「ISGインテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」と電動スーパーチャージャーを搭載。最高出力435PS、最大トルク520Nmを発揮する。メルセデスが提案する新時代のラグジュアリーを体現した一台。
※本記事で登場している車種は特別仕様車です。実際の仕様とは異なります。