
映画出演で鍛えた、巧みなテクニック
奥多摩エリアの日の出町、平井川に接する「ゴクウホースビレッジ」。小鳥のさえずりと川のせせらぎが心地よい自然溢れる乗馬クラブだ。新型Cクラス オールテレインのハンドルを握り、都内から高速も使いながらクルマで1時間弱。頻度の濃淡はあれど、ならすと結局月に1、2回は訪れている。
「乗馬自体は、映画への出演が始めたきっかけです。とにかく馬に乗れないと話にならなかったので特訓しました。それが15年ほど前。そのときは、山梨県小淵沢市にある乗馬クラブで合宿状態。尻の皮がめくれるまでもう嫌ってほど乗りましたよ(笑)」

到着して早々に、映画の撮影で訪れたモンゴルで購入したという愛用のホースブーツを荷室から取り出す。多彩な趣味を持つアクティブ派の平山さんをしても、持て余すような広々としたラゲッジスペースも新型Cクラス オールテレインの魅力のひとつだ。
軽く馬場でならし乗りしたあと、早速林道へ。特訓したというだけあって、さすがのホースライディングで颯爽と乗りこなしていく。撮影で馬に乗るのは、単なる乗馬とはワケが違う。防具を備え、武器を持ち、適切なカメラ位置と、欲しい映像に合わせて乗りこなすのだ。
「一歩、二歩の違いで、フレームアウトしてしまうことも。ときには一定のラインを走らせないといけない。その感覚を養うには、的確に馬を操れないといけないんです」
「ゴクウホースビレッジ」は、去年撮影した映画で馬のアクション全般を担当していた乗馬クラブということで、平山さんも存在を知ることとなった。
「海辺や草原のクラブはよくあるけれど、ここのように東京近郊で山林に囲まれる場所はあまりないんです。流れる木々の景色が近いと、疾走感をいっそう感じられるのでかなり爽快です」

自然に囲まれた郊外でのロケもあれば、都会やスタジオでの撮影もある普段のお仕事。そんな多忙な最中、ふと、馬に乗りたくなる瞬間がやってくる。
「気持ちのいいロケ場所に来ると、つい“ここで馬に乗れたら最高だろうな”とか、反対に、スタジオで根を詰めるような撮影だと“早く馬に乗って解放されたい”とか、日常でもつい馬のことが頭をよぎってしまいます(笑)」
SPOT INFOMATION
ゴクウホースビレッジ
映画やテレビ、CMなどで活躍する撮影馬と触れ合うことができる乗馬クラブ。乗馬技術を磨きたい本格派から乗馬初心者まで最適なスポットだ。乗馬レッスンのほか、土地柄を生かし、クラブハウスに隣接する山道や林道での外乗のコースが好評。見晴らしのよい展望台まで山道を登っていくトレッキングコース、心地よい林道を進む森林浴コースなど、全コース予約制。
ADDRESS 東京都西多摩郡日の出町大久野3679-1
営業時間 10:00~17:00
不定休
https://htgocoo.cloud-line.com/

人馬一体の魅力。馬とクルマの共通項とは
「乗馬が面白いのは、生き物相手だから」
平山さんが乗馬にのめり込むのは、一度として同じように操れない奥深さにある。
馬への指示出しが、たとえ毎回寸分狂わずに行えたとしても、馬のコンディション次第でまったく変わってしまうという。そういった「読めない部分」をアジャストするのも醍醐味なのだ。
「手綱や足蹴で命令せずとも、上達すれば、お尻の筋肉の動かし方ひとつで、歩き出したり、走らせたりすることもできます。いちいち大きなモーションで命令されるほうが馬は嫌がったりもしますから。ひとたび“コイツ下手だな”と馬に舐められると、全然動いてくれない(笑)。馬にもフィーリングの合う、合わないがありますからね」
「相手がある」という点では、お芝居にも近いという。それも乗馬にハマるひとつの理由。
「馬にも個性がありますよ。走るのが得意だったり、言うことを聞くのは得意だけど走りはイマイチだったり、そもそも走りたがらなかったり。いわば乗馬も馬との協業ですから、相手との関係次第で結果が変わる点はとっても興味深いです。クルマにも似ている部分がありますよね」
馬が変わると、また乗り方も変わる。乗るたびに新たな発見がある点でも平山さんを惹きつける。乗馬を筆頭に、クルマやバイクも嗜む平山さんにとって「操縦する」喜びとは。
「メルセデスのようなポテンシャルの高いクルマならなおさらですが、自分の思い通りに動かせたときの達成感はありますよね。クルマの運転は素人の僕でも、たまに今スムースに動かせているなという感覚はあります。例えば、コーナーリングだったり、上り坂での加速だったり。そんなとき、“人馬一体感”は感じています」

俳優、平山祐介の視線の先にあるもの
脱サラをしてモデルに転身、そして、役者の世界に。我が道を強い足取りで歩んできた平山さんの揺るぎない道のり。我々はその確かな存在感に惹かれていく。
「モデルは約25年、俳優としては本格的に始めて約15年。今では人からは、“平山さんって・・ですよね”と誉めていただけることもありますが、自分はそういった実感は全然ないんです。“全然上手く出来ないなぁ”と落ち込むことが毎日のよう。モデルにしてもそうです。慣れたスタッフとでも、今日はどうやろうかなという緊張感がある。安心や満足なんかまったくできないです。正解はありませんから。でも、それが面白い。みなさんのイメージを常に壊せるように、今後も挑戦し続けていきたいです」
自分自身をストイックに見つめる平山さん。決して楽ではない趣味を通じながら、自分を高めていくその様は、まさに馬にまたがる姿のように美しく映る。
「以前、一度だけここに当時1歳半の息子を連れて、自分の前に乗せて一緒にパカパカやりましたが、まだ全然なんのことか理解してなかったみたいです(笑)。でも、そのうち共通の趣味にできたらうれしいですね」
PROFILE
平山祐介/Yusuke Hirayama
1970年、埼玉県生まれ。大学の理工系学部を卒業後、一旦サラリーマンとして就職するも、夢を叶えるべく、モデルの道へ。数々の一流ブランドのコレクションのランウェイを歩く。30代にはフランスで俳優の道に飛び込み、フランス映画『SAMOURAIS』で俳優デビュー。2003年より活動の拠点を日本に移し『海猿』シリーズなどに出演。近年では「おかえりモネ」(NHK)、「ハコヅメ」(NTV)、「わげもん~長崎通訳異聞~」(NHK総合)ほか話題のドラマにも多数出演。
【着用アイテム】※全て税込価格
ニット¥28,600/バトナー × ビームス プラス(ビームス プラス 原宿 TEL:03-3746-5851)、シャツ¥31,900/ポストオーバーオールズ(ポストオーバーオールズ TEL:03-5942-1545)、デニム¥28,600/イカイ(シップス 銀座店 TEL:03-3564-5547)、靴¥25,300/クラークス オリジナルズ(クラークスジャパン TEL:03-5411-3055)、サングラス¥36,300/アヤメ(アヤメ TEL:03-6455-1103)、バングル¥64,900円/アダワット トゥアレグ(アダワット トゥアレグ TEL:050-5218-3859)、バッグ¥30,800/モクティ×テンベア(ユナイト ナイン TEL:03-5464-9976)
ABOUT CAR
新型Cクラスに加わったクロスオーバータイプの「オールテレイン」。全高が上がり、やや腰高となったうえに、フェンダー周りの樹脂パーツやフロント周りのデザインを変更し、アウトドアフィールの高い見た目に。専用の18インチ5スポークアルミホイールを採用。