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賞金女王・稲見萌寧選手の強さの秘密は、クルマで培った「意志の強さ」と「冷静さ」にあり

words: Sonoko Funakoshi
direction: Hajime Sasa(Roaster),
Arata Kobayashi(Roaster)

国内最高峰の女子プロゴルフツアー、JLPGAがついに開幕。メルセデス・サポート選手であり、昨年賞金女王に輝いた稲見萌寧選手は、今年も活躍が期待されるが、その強さの秘密とは一体何なのか。ゴルフジャーナリストとして25年間在米し、現在はアメリカと日本のゴルフ業界を第一線で取材する舩越園子さんが改めて紐解く。

ゴルフ界におけるメルセデス・ベンツの存在

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アメリカでも世界でも、ゴルフの試合会場に足を運んだ際、メルセデス・ベンツを見かける機会はとても多い。
マスターズや全英オープンをはじめとするメジャー大会やビッグ大会の舞台では、協賛しているメルセデス・ベンツが選手たちの送迎車として活躍している。選手用の駐車場に真新しいクルマがずらりと並んだ光景は、まさに圧巻。ときには選手たちが、クラブハウスへ向かう足を止め、その光景に見惚れているほどだ。
メルセデス・ベンツの最新モデルが優勝副賞として、あるいはホールインワン賞としてコース内の一角に展示されることも多い。池越えの難しいショットが求められるホールで、まるで水面に浮かんでいるかのようにディスプレイされることもあり、大勢のギャラリーが観戦の合間に興味と羨望の眼差しを向けている。

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メルセデス・ベンツと日本のゴルフ界は関わりも深く、男女両ツアーのオフィシャルパートナーを務めているほか、メルセデスオーナー向けのアマチュアゴルフトーナメント、「メルセデストロフィー」を開催している。
メルセデス・サポート選手として現在計8名の女子プロゴルフ選手(稲見萌寧選手、大西葵選手、柏原明日架選手、金澤志奈選手、香妻琴乃選手、松森彩夏選手、三浦桃香選手、吉田優利選手)を支えている。
男子ツアーの「日本ゴルフツアー機構(JGTO)」では、フェアウエイキープ率、パーオン率など9部門をポイント換算してランキング化する「メルセデス・ベンツ トータルポイントランキング」を展開。1位の選手にはS-Classが贈られる。また、女子ツアーの「日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)」では、国内外での大会順位や出場ラウンド数を独自の方法でポイント化し、 真の最優秀選手を選出する「メルセデス・ランキング」を実施。1位になった選手には、LPGA Mercedes-Benz Player of the Yearの栄誉と3年間のシード権、そして副賞のクルマが贈られる。
そして昨シーズン、このメルセデス・ランキングで女王争いを繰り広げたのが、メルセデス・サポート選手の1人であり、東京オリンピックで銀メダルを獲得、そして賞金女王にも輝いた稲見萌寧選手だ。

メルセデストロフィー

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世界60以上の国と地域から集まったアマチュアの精鋭たちが競い合う、最大級のゴルフトーナメント。参加資格は、正規販売店で購入したメルセデスのオーナーであること(または、一親等以内の家族及び配偶者であれば参加可能)。日本だけでも2,000名以上がエントリーし、毎年大いに盛り上がりを見せている。日本各地で行われる地区大会から始まり、地区大会上位者が北海道で行われる全国大会に進出。さらに成績上位者が、メルセデス・ベンツ発祥の地、ドイツ・シュトゥットガルトで開催される世界大会に出場することができる。
*新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年世界大会は中止、2022年世界大会の開催は未定です。
https://mb-live.jp/sports/trophy/

あえてアメリカを選ばず、日本から世界へ挑むことを選択

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賞金女王に輝いた稲見選手に、日本のメディアや周囲が当然のように投げかけたのは「次はアメリカ挑戦ですか?」という問いだった。メジャー覇者となった渋野日向子選手も賞金女王の座を稲見選手と競い合った古江彩佳選手も2022年は米LPGAで戦おうとしている。
2020〜2021年シーズンに次々と勝利を重ねて賞金女王になった稲見選手が「次はアメリカですよね?」と問われるのは、ある意味自然な流れではある。

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Photo: Takahiro Sakata

しかし稲見選手は一貫して、首を横に振り、こう答えた。「主戦場は日本でずっとやっていきたいという想いは変わりません」。あくまでも日本で戦いたい、日本で通算30勝を挙げて永久シードを獲りたいと彼女は望んでいる。
アメリカに挑むと決めた選手たちは「アメリカから世界へ」という道を選択したが、稲見選手は日本で戦うことの「有利」や「意義」と異環境のアメリカで戦うことの「不利」や「難しさ」を照らし合わせた上で、「私は日本」「日本から世界へ」という道を選んだのだ。

初志貫徹できる精神力のルーツは、北谷津ゴルフガーデンにあった

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多感で好奇心旺盛なはずの22歳の若い女子選手が、周囲に流されず、惑わされずに初志貫徹することは、なかなか難しいはず。それができる彼女の意志の強さには、目を見張るものがある。
とはいえ、他の選択肢を否定したり拒絶したりするわけではなく、「メジャーとかに出場できる機会があれば出てみたい」という柔軟さもある。それは稲見選手が物事を熟考した上で判断し、決断している証であり、22歳とは思えぬほどの冷静さが感じ取れる。

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そんな彼女の意志の強さ、冷静さは、どこでどうやって醸成されたのだろうかと考えたとき、思い浮かぶ答えはただ一つ。小学5年生のときから通いつめ、今でもしばし訪れる北谷津ゴルフガーデンであることに気が付いた。

毎日の移動中の車内が、自分を成長させる場に

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賞金女王になった昨年の12月下旬。とても寒かった冬のある日にも、北谷津ゴルフガーデンには練習に精を出す稲見選手の姿があった。「女王」になったとはいえ、有頂天になっている様子も驕った様子も全く見受けられない。むしろ、彼女は新たな目標に向かって意欲を燃やすチャレンジャーのごとく目を輝かせていた。
北谷津で自分の流儀で練習して、課題を見つけ、自分なりの納得をして自信を得る。そういう作業ができる場所がある。そんな「ゴルフの故郷」でコツコツ腕を磨くことは、稲見選手の人生のルーティーンになっている。
もともと彼女は東京都内に住んでいたが、小学5年生のとき千葉県内にある北谷津ゴルフガーデンを訪れ、練習場と18ホールのショートコースを擁する練習環境に魅せられ、ほどなくして千葉へ引っ越した。
北谷津ゴルフガーデンの土屋大陸社長は「稲見さんはいつも父親と一緒で、父親が運転するクルマに乗ってやってきた。2人は仲良しだったが、父親は稲見さんの時間の使い方にはとても厳しく、タイムスケジュールを守らずに友だちとおしゃべりに夢中になっていたりすると、激しく叱った。だから彼女は、よく駐車場の片隅で泣いていた」と振り返った。

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Photo: Takahiro Sakata

そんな出来事があった日の帰り道、稲見選手は父親がハンドルを握るクルマの中で、何を思い、どんな顔をして乗っていたのだろうか。父と娘は言葉を交わしたのか。気まずい時間はどのぐらい続いたのか。しかし彼女は、そういう経験を通してタイム・マネジメントの大切さを覚え、忍耐も覚え、心の整理や切り替え方も身に付けていったのではないだろうか。

クルマの中では、涙もあったが、笑顔もあったに違いない。北谷津ゴルフガーデンへ通った日々、あるいは各地で開催されたジュニア大会への往復の際も多くの時間をクルマの中で過ごし、きっとそれは自分を見つめる貴重な“自分時間、自分空間”だったのだろう。
そこで思ったこと、考えたこと、学んだことを、彼女は自身の栄養に変えて身に付けていった。「意志が強い稲見萌寧」「冷静で動じない稲見萌寧」は、そうやって生まれたのだと私は思う。

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Photo: Takahiro Sakata

すっかり大人になりプロになり、日本の女子ゴルフを代表する選手になった稲見選手の相棒は、メルセデス・ベンツ GLEである。ゴルファーの愛車にとって最も重要な条件でもあるキャディバッグの積載性。メルセデス・ベンツGLEは最大4セット積載可能だ。また、アプリで様々な車両情報の確認や操作が可能な「Mercedes me connect」は、平時でも緊急時でも臨機応変な対応を実現してくれる機能が満載。まるで、いつでも冷静な稲見選手とリンクするかのようだ。「ゴルフ場、練習場と自宅の往復の日々ですが、移動のクルマの中では音楽を聴いてリラックスしています」と、彼女は愛車のある生活を嬉しそうに語っている。
現在の稲見選手に“自分時間、自分空間”を安全で快適に提供するメルセデス・ベンツは、彼女のゴルフ人生をサポートしていると言っても過言ではない。銀メダルを獲得した翌朝も、愛車で北谷津ゴルフガーデンを訪れ、いつも通り練習していたそうで「何も変わらない。いつもの稲見さんだった」と土屋社長が教えてくれた。

稲見選手にとってクルマは、人生とキャリアを築くための貴重な存在であり、これからも、きっと変わることはないだろう。今年もJLPGAでの彼女の活躍に期待したい。

PROFILE

稲見萌寧/Mone Inami

稲見萌寧/Mone Inami

1999年生まれ。9歳から競技を始め、2度目のプロツアー挑戦となった2015年、15歳にして「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」でベストアマチュア賞を獲得。2018年にプロテスト合格。2019年「センチュリー21レディス」で初優勝し同年新人賞を受賞。2020年からメルセデス・サポート選手契約。2021年、東京オリンピックで日本勢史上初の銀メダルを獲得。2021年度の賞金ランキング1位。通算10勝を挙げている。10年間毎日練習を欠かさない天性の努力家。

ABOUT CAR

The GLE

最先端のパワートレインやシャーシ、ボディがオンロードで意のままの俊敏なドライビングと、さらに逞しくなったオフロードでの走破性を実現してくれる、メルセデスが誇るプレミアムなSUVモデル。世界最高水準の安全性能であるインテリジェントドライブ機能も備え、3ℓ直列の上質な6気筒ガソリンエンジンとモーター兼発電機として機能するISGを搭載。力強い吹け上がりをアシストしつつ高度な環境性能にも対応しており、どこまでもパワフルで滑らかなドライビングを楽しめる。インターネットを通じて様々なサービスを利用できる「Mercedes me connect」も装備。

Mercedes me connect

Mercedes me connect

自動車が通信する先進的なテレマティクスサービス。多くのサービスによって構成されており、スマートフォンと接続することによりクルマに関する情報を簡単に呼び出したり、選択された車両機能をリモートでコントロールすることが可能。主な機能に、車両のナビに目的地を送信し共有できるSend2car、車両のロック開閉ができるリモートドアロック&アンロック、駐車位置の検索、車内空調管理など。

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