PROFILE
川上シュン / Shun Kawakami
1977年東京都生まれ。ブランディングエージェンシー「artless Inc.」代表。ブランディングディレクター、クリエイティブディレクター、アートディレクター、デザイナー、アーティスト。独学でデザインとアートを学び、2000年に独立。翌年、「artless Inc.」を設立する。東京と軽井沢を拠点に、アート・デザイン・ビジネス、そして、グローバル・ローカルと多角的視点を軸に、グラフィックから建築まで包括的なブランディングとデザインを行っている。またプライベートワークとしてのアーティスト活動では、安土桃山時代を中心とする水墨画や障壁画、茶の湯、生花、盆栽、作庭、建築など日本独自の美に回帰しながら、デザインとアート、西洋と東洋を融合的に捉えたグラフィックやインスタレーションを発表している。

購入のきっかけ〜軽井沢で芽生えたサステナブル意識〜
──川上さんはクルマ好きと伺っていますが、EQCを購入する前はどんな車種に乗っていましたか?
川上シュン(以下川上) 直前に乗っていたのはメルセデスのGLAでした。二年前から東京と軽井沢の二拠点生活を始めたのですが、それまではGLAのサイズ感が東京でのライフスタイルにちょうど良かったんです。個性的なデザインに惹かれてフランス車にも乗ったこともありますね。EQCは、軽井沢での生活を始めてもう少し大きいサイズにしたいと思ったタイミングでちょうど発売になり、メルセデスのEVなら信頼性は高いと感じて購入することにしました。
──軽井沢での生活を始めたことと、EVを購入したことには繋がりはあるのですか?
川上 あります。軽井沢の家は、鳥の声が聞こえる森の中です。もちろん空気も綺麗なのですが、そのなかでエンジン車を始動するとものすごく環境に負荷をかけている気持ちになる。そんなこともEVを購入する大きな理由になりました。

──サステナブルについての意識は、軽井沢に住む前から持っていたのですか?
川上 僕はブランディングの仕事をしていますし、ブランドのフィロソフィーを考える上で近年では世界中の企業がサステナビリティについて考えている。だから知識として頭の中に入っていました。また、僕はコーヒーが好きで、以前、東京のオフィスではカフェも運営していたんです。そこでオーガニックやリジェネレーションへの関心が必然的に高まりましたし、環境負荷やフェアトレードも意識的にインプットされていました。そんな風にサステナブルやSDGsを頭の中で理解していたうえで、軽井沢での生活が、環境への配慮が必要であると強く実感させてくれました。

──EQCの導入や軽井沢での生活という、サステナブルへの意識を高めたことで、川上さんの生活に変化はありましたか?
川上 環境や自然に対して敬意や優しい目線を持つことで、日常を流れる時間がより豊かになったと思います。例えば、娘を学校に送った後よく訪れるお気に入りのレストラン「RK GARDEN」でコーヒーを飲んでいる時間がそう。周りの緑の美しさや小鳥のさえずりにゆっくりと耳を傾ける時間は、丁寧に暮らしているからこそより贅沢に感じるのではないでしょうか。


ガソリン車との差異〜圧倒的な滑らかさと静かさ〜
──ガソリン車と走りは違いますか?
川上 長距離走行も街乗りでも、それぞれ良さがありますね。高速道路では自動運転(アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック)を使用するととても楽です。手を添えて目だけは前後左右に気を配っているだけで、新幹線に乗っているようにスムースに移動していくのが気持ち良いですね。エンジンのノイズも全くないですし、ボックスがスーッと動いていく感覚。街乗りでは、僕は強い加速は必要ないので⾛⾏モードを選択できる『ダイナミックセレクト』はECOモードで走らせていますが、アクセルを踏むと滑らかに前に進んでいく。ゆっくりと街を流している時もぎくしゃくとクルマが揺れることなく、穏やかな挙動が良い。エンジン車との違いは、なんといっても滑らかさと静かさです。


デザイン〜随所に宿るラグジュアリーな施し〜
──デザイン面で川上さんが気に入っているところを教えて下さい。
川上 まず、僕が購入するクルマはテール部分のデザインで決めるんですが、EQCは一直線のテールランプがとても美しくて好き。また、外観のところどころに入っている電気自動車のアイコン的な色のブルーは、アクセントが効いていて気に入っています。このクルマは一歩引いて全体を見てみると角が尖っておらず滑らかな曲面が多くて、優しい印象を受けますよね。
──インテリアはいかがですか?
川上 非常に上品な印象を受ける、明るいベージュの内装が気に入っています。この色が他社ではなかなかなくて。運転席に座ったときにも横長で一枚板になっているワイドディスプレイがとてもすっきりとしていて気持ちが良いです。夕方、外が暗くなってくると際立つアンビエントライトも、ホテルや空港のラウンジの間接照明のようで車内を居心地良く感じさせてくれます。車内があまりに落ち着くので、よくオンライン会議をEQCの中で行っているほどですよ。また、クルマ本体ではありませんが、スタイリッシュなデザインの自宅用充電器である充電用ウォールユニットは気に入っています。最終的にEQCを購入する決め手になったのがこれだったということもありました。

充電〜ゲーム感覚で遊ぶように移動を楽しむ〜
──軽井沢と東京を移動するなかで、EQCをどのように使いこなしていますか?
川上 主に東京ではシェアカーを利用しているのですが、軽井沢から東京までEQCで行くこともあります。軽井沢からの片道はフル充電の状態から途中充電なしで行けますが、都内に着くと残りが30%くらい。だから、途中のサービスエリアでコーヒー休憩がてら30分急速充電しておくのがおすすめです。すると東京でも50%から60%は残っているので、その後の移動が安心です。
──充電に不便さを感じることはないですか?
川上 正直、まだまだ充電ステーションが少ないのは事実。ガソリン車のようにスタンドでさくっと給油するように簡単に充電できないという見方もあるかもしれません。そこで僕は、ゲームのような感覚で楽しみながら運転をするようにしています。MBUXやメルセデスのインターネットサービス「Mercedes me connect」と連動したアプリで調べて、ロールプレイングゲームで遊ぶように、充電ステーションに寄りながら目的地までいかにスムーズに移動できるかを楽しんでいます。週末の家族ドライブだったら、フードディレクターの妻が好きな、地域の食材が揃っている道の駅を中継地点にするようルートを考えて、ショッピングを楽しんでいる間にクルマの充電をするんです。また、日頃から充電ステーションの少なさを感じていたので、私がブランドデザインを担当した山梨県にある「旅の駅 kawaguchiko base」では、施設に設置してはどうか提案しました。

EVに乗る者の価値観〜少し先の未来を見据える〜
──冒頭で「メルセデスのEVなら信頼性は高い」とおっしゃっていましたが、そこにはメルセデスのどのようなブランドイメージがあったのでしょうか?
川上 もともとGLAに乗っていたので、メルセデスの安全性や快適性、乗り心地、品質などが高いレベルを満たしていることは知っていました。さらに調べると、メルセデスが言うデザイン・フィロソフィーには「Sensual Purity(官能的純粋)」という明確なものがあります。そこからは、クルマのルックスだけに留まらず本質的な美への強い意識を感じ、ブランドとしての美学は僕自身も強く共感できる部分でした。EQCで言うならば、EVという先進テクノロジーがあり、かつサステナブルへの意識があり、さらにメルセデスを貫く美意識がある。この3つが揃っていることに共感しましたし、ブランドへの高い信頼にもつながりました。

──最後に、メルセデスのEVを所有することで、川上さんの価値観にはなにか新しい気付きがありましたか?
川上 EQCには最先端の技術が詰め込まれていますが、テクノロジーは未来を生きるために必要なもので、人類と地球の共存のためにも進化は不可避。その点では、今いち早くEVに乗っていることは少し先の未来を生きているような体験です。もちろん、進化するからこそ環境への負荷を考えることも必要ですし、それを実体験できている意味で良い勉強になっています。
軽井沢で過ごしながら、クルマを始動しても環境に負荷をかけることのないEQCに乗ることで、サステナブルへのアンテナはより鋭いものになりました。今の生活のように、都市と自然を交わるライフスタイルを送ることで、都市生活の利便性や課題が見え、かつ自然の中で暮らすことの豊かさやそこで必要なものが見えてきた。それぞれを客観視しながら体験する生活のなかから、これからの未来に向けて必要なものが見えてくるのではないかと思っています。
ABOUT CAR
持続可能なクルマ社会を実現するために、メルセデス・ベンツが立ち上げた電気自動車ブランド「Mercedes-EQ」。EQCはメルセデス初の100%電気自動車として登場。電気自動車ならではの高い静粛性とトルクフルな走り、クルマ好きを魅了する走行性能を高次元で実現する。