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“名手”がさらに上達した感じとは?──俳優・仲村トオルがメルセデス・ベンツ新型Eクラスを語る

words: Takeshi Sato
photo: Hiromitsu Yasui
(Weekend.)
styling: Kan Nakagawara(CaNN)
hair: Yuji Iimen(HAPP’S.)
video: Masato Miki

プライベートでもメルセデス・ベンツを愛用する仲村トオルは、新型Eクラスから何を感じたのか?

撮影協力: ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜

移動の道具を超えた特別な存在

仲村トオルは、じぶんでハンドルを握って撮影現場にあらわれた。クルマから降り立つ所作は「颯爽と」という表現がぴったりで、スタッフ一同、目がハートの形になる。

E 200 Sports(BSG搭載モデル)

【主要諸元(E 200 Sports(BSG搭載モデル)】全長×全幅×全高=4940×1850×1455mm、ホイールベース2940mm、車両重量1720kg、乗車定員5名、エンジン1496cc直列4気筒ターボチャージャー付(184ps/5800〜6100rpm、280Nm/3000〜4000rpm)、9AT、駆動方式RWD、タイヤサイズ(フロント)245/40R19(リア)275/35R19、価格769万円(OP含まず)

ご自身の運転で現場にお見えになったことが意外です、と伝えると、仲村はこう答えた。

「もともと、付き人とか運転手の人はいませんでしたから、必要に迫られて、というところです。それと、僕が20歳ぐらいの頃、先輩の柴田恭兵さんがご自分で運転して現場に入られたのを見て。俳優の仕事を始めてまだ1年も経たない頃でしたが、素敵だなぁ、格好いいなぁ、と思ったんですね」

大先輩への憧れとは別に、クルマと運転が好きだとも語る。

「運転はものすごく好きですし、演技をするという精神状態まで持っていくのにも運転という行為がとても合っていると感じています。オフからオンに切り替えるグラデーションの時間というか。だからじぶんで運転して現場に入るという生活を30数年続けているんだと思います。片道200kmぐらいなら運転して現場に入ります。あるとき新潟・長岡のロケ地までクルマで行ったら、さすがにスタッフの方に呆れられましたけれども」

仲村トオル

仲村トオルは、普段、オン/オフ問わず自らハンドルを握り移動するそうだ

どうやら仲村トオルにとってクルマとは、ただの移動の道具を超えた特別な存在であるようだ。

「それはとても感じます。生き物というか、夜中に撮影が終わって駐車場の隅っこに停まっているクルマに近づきながら、“ゴメンな、こんなに遅くなっちゃって”と語りかけるような…。と、これを今、声に出して言ったら、ちょっと気持ちわるいな、とじぶんで思ったんですけれど(笑)」

毎日のように、新車の情報を念入りにチェックしているという仲村は、新しいEクラスを見つけると目を輝かせて足早に近づいた。はたして彼は、どんな印象を抱くのだろうか。

E-class

新型Eクラスはアルミホイールのデザインを一新。E 200 Sportsは、19インチのAMG5ツインスポークアルミホイールを標準装備

E-class

灯火類のデザインもあらためられた。広範囲を明るく照らすマルチビームLEDヘッドライト(ウルトラハイビーム付)は全車標準。片側84個のLEDを瞬時に制御し、前走車、対向車を眩惑させずに、より広い範囲を照射し続ける。前走車などがいない場合、最長約650mを自動で照射するウルトラハイビームも搭載

削ぎ落とすことの重要性

「想像していたよりコンパクトに感じますね。コンパクトというのは正確な表現じゃないかもしれないな。威圧感がないというか、洋服にたとえると、威厳のあるカチッとしたスーツのようなイメージだったけれども、デニムのようなスポーティな感じもあるというか。タキシードのようなエレガントさとこなれた日常着の肌合いを併せもっているような…。フォーマルからカジュアルまで、守備範囲が広い感じがしますね。大体の寸法はわかっていたんです。今日は乗って来ませんでしたが、『Rクラス』をこの 10年で2台乗り継いでいるので」

E-class

説明をくわえると、2014年まで生産されたRクラスはステーションワゴンとミニバンのクロスオーバー的な性格のモデルで、現在のEクラスとほぼ同じサイズだ。

「大きすぎず、小さすぎず、Eクラスぐらいのサイズが使いやすいのを肌で感じています。もちろん『Sクラス』もすばらしいと思いますが、じぶんで運転することを考えるとEクラスのサイズがベストかもしれませんね」

E-class

新型Eクラスは、撮影車両のセダン以外にステーションワゴン、クロスオーバーのオールテレイン、2ドア・クーペとカブリオレを用意。ユーザーのニーズやライフスタイルにあわせて、さまざまなボディ形状を選べるのが特徴だ。

そしてEクラスの周囲をぐるっとまわりながら、デザインをチェック。自身が想像していたよりも、実車のほうがすっきりした印象だった理由について意見を交換する。

そして、「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」というメルセデス・ベンツのデザイン哲学によるものではないか、という方向に話は進んだ。これは、派手なラインや複雑な面構成などの“盛る”方向で個性を主張するのではなく、削ぎ落とす方向で官能に訴える造形を生み出すという考え方だ。

「なるほど、そうかもしれませんね。削ぎ落とすことが大事って、俳優の仕事にも通じると思います。いろいろな演出家さんがいて、いろいろな役を演じる。そしていろいろなアイディアをもらい、調べることで知識も増える。でも先輩方がおっしゃっていますが、そうした経験や知識をすべて盛り込もうとすると演技がゴテゴテするんだ、と。1番大事なものはなんだろう、それ以外はいらないんじゃないか……と構築していく。身体も心も“贅肉”がつかないように削ぎ落とさなければならないという意識は、ずーっと持っている気がしますね」

E-class

長距離を走りたい

E 200 Sportsのドライバーズシートに座ってドアを閉めた仲村は、納得したような表情でうなずいた。

「このドアが閉まる音、そこから生まれる信頼感と安心感は、僕が持っているRクラスと変わらないですね」

その一方で、インテリアのデザインは自身の愛車とはまるで別物に感じたという。

「斬新なハンドルの形とか、タッチ式の液晶パネルとか、未来的で格好いいから、もうワクワクしてきますね。でも1番びっくりしたのは、ハイ、メルセデス! です」

インフォテインメント用モニターは、新たにタッチ操作も出来るようになり、実用性が高まった
マットタイプのウッドとレザーに囲まれたインテリア。12.3インチのインフォテインメント用ディスプレイとメーターは標準だ
新デザインのステアリング・ホイールは、スウィッチのデザインや配置を変更し、使い勝手が向上した
ナビゲーションシステムは、日本で販売される乗用車としては初のAR(Augmented Reality = 拡張現実 )機能を搭載した。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路が表示されたが、新型Eクラスでは、それにくわえて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、進むべき方向に矢印が表示される

“ハイ、メルセデス!”というのは、言葉で操作できる音声対話システム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」だ。たとえば「寒い」と話しかければエアコンの設定温度を上げてくれる。

MBUXとともに仲村が驚いたのは、最新の安全運転支援装備だ。ハンドルに手を添えているだけで前を走るクルマに付いて行く機能(アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック)や、自動ブレーキ(アクティブブレーキアシスト)やハンドル操作のアシストで衝突を防ぐ機能(緊急回避補助システム)の説明に、熱心に耳を傾けた。

リアシートは、長身の仲村トオルが座ってもゆったり寛げるスペースがある
フロントシートは、メモリー付き電動調整機構とヒーター機構付き。試乗車は、オプションの「AMGラインインテリアパッケージ」(52万5000円)が備わっているため、シート表皮はナッパレザーだった
ラゲッジルームの容量は540リッター。リアシートのバックレストは40:20:40の分割可倒式だ

「いやぁ、こういった装置によってお年寄りが自由に移動できるようになるのはすばらしいと思います。僕は約10年間、Rクラスに乗ってきて、このクルマは内野手の名手だと感じているんです。ピッチャーが次に投げる球種とバッターのキャラクターから守備位置を微妙に変えて、本当はヒット性のあたりなのに正面で捕球する。普通に捕るからファインプレーに見えない。Rクラスは、ファインプレーに見えないようなファインプレーを影でいくつもしながら、快適なドライブをアシストしてくれていると思います。新しいEクラスは、その名手がさらに上達した感じがします」

そして取材の最後、E 200 Sportsに搭載するエンジンが1.5リッターであることを知って、仲村は「えー!? それでこんなにパワフルなんですか?」と、目を丸くした。

Eクラスにはほかにも、2.0リッターのガソリンとディーゼル、3リッターのガソリン6気筒、さらにはメルセデスAMGのV型8気筒ガソリンツインターボ、ガソリンないしはディーゼルから選べる2種類のPHV(プラグ・イン・ハイブリッド)まで、豊富なエンジンバリエーションがあることを伝えると、仲村はこう答えた。

E-class

搭載するエンジンは1496cc直列4気筒ターボチャージャー付(184ps/5800〜6100rpm、280Nm/3000〜4000rpm)。これにモーター兼発電機のBSG(Belt-driven Starter Generator)を組みわせる。WLTCモード燃費は13.1km/L

「エンジンの種類とか安全装備とか、本音を言うとメルセデスは長い距離を乗って試したいですよね」

やはりオーナーだけに、長距離を乗るほどにメルセデス・ベンツが真価を発揮することを知っているのだ。

PROFILE

仲村トオル/Toru Nakamura

仲村トオル

1965年、東京都生まれ。1985年、映画『ビー・バップ・ハイスクール』で俳優のキャリアをスタートし、数多くの新人賞を受賞。以降『あぶない刑事』シリーズ、『チーム・バチスタ』シリーズなど数々の映像作品、『奇ッ怪』シリーズ『NODA・MAP エッグ』『KERA・MAP グッドバイ』『プレイヤー』などの演劇作品にも出演。近年の主な映像出演作にTVドラマ『家売るオンナの逆襲』(NTV/19) 『孤高のメス』(WOWOW/19)『サイン~柚木貴志の事件~』(EX/19)、『BG~身辺警護人~』(EX/20)、舞台『ケムリ研究室 no.1「ベイジルタウンの女神」』(20)など。TVドラマ『横山秀夫サスペンス「沈黙のアリバイ」「モノクロームの反転」』(TX/20.10.26/11.9OA)、連続ドラマW『コールド・ケース3-真実の扉-』<第4話ゲスト>(WOWOW/20.12.26OA)、映画『愛のまなざしを』(第21回東京フィルメックス、オープニング上映作品/20)は21年公開予定。
公式サイト:http://www.kitto-pro.co.jp/

Produced by GQ JAPAN for Mercedes-Benz

ABOUT CAR

E 200 Sports

よりダイナミックかつスポーティなエクステリアに刷新し、新世代のステアリングホイールを採用。インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」には日本初となるARナビゲーションなど新機能を搭載する。

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