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稲見萌寧プロに学ぶ、シチュエーション別ラウンド攻略法

photo: Takahiro Sakata
words: Aya Taniguchi

direction: Hajime Sasa(Roaster),
Arata Kobayashi(Roaster)

メルセデス・サポート選手たちによる、トレーニング方法やゴルフ好き必見の情報を連載中。今回は、2020年にツアー通算2勝目を挙げ絶好調だった稲見萌寧プロが、ラウンド中のトラブルに対応できるテクニックをご紹介!

今季、自身2度目のツアー優勝を挙げたメルセデス・サポート選手

PROFILE

稲見萌寧/Mone Inami

稲見萌寧/Mone Inami

1999年生まれ。9歳から競技を始め、2度目のプロツアー挑戦となった2015年、15歳にして「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」でベストアマチュア賞を獲得。2018年にプロテスト合格。2019年「センチュリー21レディス」で初優勝し同年新人賞を受賞。2020年「スタンレーレディスゴルフトーナメント」で2勝目を挙げた。10年間毎日練習を欠かさない努力家。好きなカラーはターコイズ。愛車はGLE(写真)。

[LESSON MOVIE]

ラウンド中のピンチ、私はこうしてチャンスにつなげます!

① 傾斜の強いラフからパーオンを狙う方法
② グリーン前、アゴの高いバンカーからのベタピンアプローチ
③ 稲見流パタールーティーン

稲見萌寧/Mone Inami

試合数が少なかった2020年の中で、確実に結果を出している稲見プロ。その強さの秘密は練習量にあった。なんと10年間一度も休まず毎日練習をしているという。「練習しない日はありませんね。ずっとこの生活を続けているので慣れてしまっています。遊びに行きたいし、友達とごはんや買い物にも行きたいですが、今の私にはゴルフが一番で、練習も試合もとても楽しいんです。スタンレーレディスで優勝した日も、反省点があったのでその後に練習しましたよ」

今回はそんな彼女に、ラウンドでのシチュエーション別攻略法を教えてもらった。

女子プロNo.1のパーオン率。そのテクニックを特別に披露

•傾斜の強いラフからパーオンを狙う方法

「ティーショットが傾斜のあるラフに入ってしまった。でもここからのセカンドショットでパーオンを狙いたい……。そんな時はこの方法を試してください。つま先上がりのライはそのまま打つとフェースが左を向きやすいため、ボールも左に飛んでしまうことが多いです。そこで、体の向きはピンに向かって右を意識。さらに、ダフりを防ぐために前傾は浅めに。クラブを短く持って、頭の位置と前傾の角度をキープしたまま打つことが重要です」

トップを防ぐために、ボールの手前にクラブヘッドを落とす!

•グリーン前、アゴの高いバンカーからのベタピンアプローチ

「次に、アゴが高いバンカーから精度の高いアプローチを行う方法をご紹介します。まず、ボールは体のセンターより左側に置き、体の重心も左にかけます。私はあまりオープンスタンスにしないので、フェイスをしっかり開いたらそのままの姿勢でまっすぐピンに向かって打っています」

「グリーン前のバンカーショットで一番やってはいけないことは、トップすることです。それを防ぐために、ボールの手前にクラブヘッドが落ちるように意識してください。バンカーの練習をする際は、ボールの手前に線を引き、その位置にクラブヘッドを落とす練習が効果的です。私が毎日の練習で大切にしているのは、振り幅や角度、スタンス、アドレスで、どう変えたらどういうボールが打てるかを身体に叩き込むことです。練習を重ねることで自分自身のデータを取り、どんな状況でも対応できるよう心がけています」

ロングもショートもこれで攻略、私のパター練習法

•稲見流パタールーティーン

「私が試合の際に行うパターのルーティンは『歩測→エイムポイント→ラインを読む』です(※エイムポイントでは、足裏から得た傾斜のデータを元に、カップに向かって指をかざして狙い場所を定めています)。パターに必要なのは“集中力”と“日々の練習で蓄積した情報”です」

「元々パターが苦手な私ですが、練習で克服し、今では自信を持っています。実際に毎日の練習で取り入れているのは『8球連続カップイン』というもの。カップから2mの距離を1球1球違う位置から狙い、8球連続でカップインするまでパッティングしています。もちろん7球目で外したらリセットして1球目からやり直し。これを妥協することなく毎日行っています。練習時間を決めるのではなく、目的を決めてやり遂げることがスキルアップの近道だと思います」

進化し続ける21歳、稲見プロのさらなる挑戦

稲見萌寧/Mone Inami

ラウンド後、稲見プロに2020年シーズンを振り返ってもらった。「今年は、全英オープン出場、スタンレーレディスの優勝など大きな出来事はありましたが、特別な一年という感じではなく、日々の練習の中に試合があるという印象でした。初めてのメジャーツアーはとにかく楽しくて刺激的でしたね。スタンレーレディスの3人でのプレーオフも、緊張することなく楽しく回れました。優勝を決めた最後のバーディパットは、『絶対に入れてやる!』という強い思いが結果につながったと思います。ゴルフ場、練習場と自宅の往復の日々ですが、移動のクルマの中では音楽を聴いてリラックスしていますね。最近は瑛人さんの『香水』をよく聴いています。将来の夢は、永久シード選手。そのために、毎年必ず1勝はしたいです。これからもっと活躍できるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします!」

取材の合間も練習するほどの熱心さで、常にビッグスマイルを見せてくれた稲見プロ。さらに進化していく彼女から目が離せない。

SPOT INFORMATION

千葉国際カントリークラブ【PGM】/Chiba Kokusai Country Club

千葉国際カントリークラブ【PGM】

全国で140箇所以上のゴルフ場を保有・運営しているPGMグループのひとつ。桜西・桜中・桜東と竹コースout・inの計45ホールで構成されている、自然の条件を生かしたダイナミックな丘陵コース。クラブハウスには、レストランやコンペルームが併設されており、広々と利用可能。また、エリア最大級のプロショップは、充実した品揃えとなっている。都内からクルマで約1時間、蘇我駅から定期便で予約制のクラブバスも運行している。
 
ADDRESS 千葉県長生郡長柄町山之郷754-32
TEL 0475-35-4325
定休日 年中無休
駐車場 あり
https://www.pacificgolf.co.jp/chibakokusai/

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