「恐竜橋」の異名を持つ橋とメルセデスのコラボレーションに心躍る
今宵ドライブで向かうのは、東京湾に面した工業地帯や橋など、人気夜景スポットが多い江東区。その中でも一際目を引く存在であるのが東京ゲートブリッジだ。2012年に開通し、恐竜が向かい合っているかのようなシルエットから「恐竜橋」と呼ばれるこの橋は、無骨でインパクトのある “トラス・ボックス複合構造”という非常に珍しいタイプ。桁下を大型船舶が航行できるよう高さを保たせながら、近くにある羽田空港から離着陸する飛行機の航路も確保するという2つの制約の中から生み出された、技術力の結晶だ。同様に技巧を凝らしたクルマづくりを伝統とするメルセデスとどのようなコラボレーションを見せてくれるのか、胸を躍らせながら現地に向かった。


東京ゲートブリッジの夜景は、陽が落ちる直前から見頃だ。橋の東端に位置する若洲海浜公園エリアにクルマを駐車させて海辺へ向かうと、左手に東京ゲートブリッジ、右手にはお台場や東京タワー方面の街が見渡せ、さらには頭上を飛行機が通る“都会の絶景”が現れる。波と機影をぼーっと眺めながらブルーモーメントを過ごしていると、やがて街の照明や橋が点灯し始め、夜景に生まれ変わる明媚な瞬間に立ち会うことができるのだ。



さあ、夜景ドライブの本番だ。橋の上を走るべく、Eクラス クーペに乗り込む。座席に座り、シートベルトを締めてエンジンをかけると、ベルトが自動的に体にフィットする。メルセデス全車搭載のこの機能が、さりげなく運転に集中するためのスイッチを入れてくれるのでありがたい。クルマを走らせていくと、東京ゲートブリッジは橋の中心に向かって緩やかな上り坂になっていることが分かる。飛行機が旋回する夜空に向かって進んでいく様子は、このまま宇宙に向かって飛び立つような感覚になり、胸が高鳴った。さらに進むと、主橋梁部の巨大な恐竜の骨のような構造が現れる。青白いライトアップの中、アクセルを踏んでメルセデス特有の滑らかな加速を堪能しながら駆け抜ける心地良さがたまらない。
Eクラス クーペのモダンなリアライトとリンクする、
橋の照明に見惚れる


東京ゲートブリッジをクルマと共に眺めるなら、新木場3丁目周辺の南千石橋エリアがベストスポット。2,618 mもの全長を真横から見渡すことができるからだ。普段、橋の照明の色は、若草色(3月)・桔梗色(9月)・緋色(12月)など、月ごとに和をモチーフにしたメインカラーに変わるが、この日のライトアップは、医療関係者を応援するという意味が込められたブルー。横一文字に走る光の筋が、Eクラス クーペのブロック状のLEDが連なるリアライトと似ていて、思わず交互に見惚れてしまった。橋の側面に設置されている886基のLEDカラー照明は、環境配慮のため、消費電力の約4割を太陽光発電で賄っている。


日本全国の夜景やイルミネーションを見て回り、自らプロデュースも行っている夜景評論家・丸々もとおさんはこう語る。「東京ゲートブリッジ夜景の最大の特徴は、光量が強く色彩も多いところです。通常、人が多く住んでいる場所では、近隣への配慮のため光量は弱くなるものです。その点東京ゲートブリッジは、周囲に住宅がないため、都心部では見ることができない強さと美しさを兼ね備えた輝きを放っています。特に、南千石橋エリアから眺めたとき、橋の周りの陰影にさえ情緒を感じられるようになると、夜景上級者ですね。視界に入るのは暗闇に浮かぶライトアップされた橋のみで、こういった情報量が少ない夜景は見ていてリラクゼーション効果が期待できます。都会の喧噪に疲れ、ゆっくりと心を落ち着かせたい人にはおすすめのスポットですよ」

夕焼けから夜へと移り変わる幻想的な光景に酔い、夜景と一体になりドライブすることで輝く光の趣にも魅せられる。新たな鑑賞方法を次々と教えてくれた東京ゲートブリッジ。“まだ見ぬ景色に偶然出合える”というクルマ移動の醍醐味も存分に味わえる夜のドライブは、これだからやめられない。次の夜景を求めて、静かにアクセルを踏んだ。
ABOUT CAR
E 300 Coupé Sports
最大の特徴は、歴代のEクラス クーペの伝統を受け継ぐ流麗なルーフライン。ブロック状のLEDが連なるモダンなデザインのリアエンドや、ダイナミックかつシャープなフロントグリルを採用し、次世代のクーペフォルムを表現している。対話型インフォテインメントシステム「MBUX」の新機能であるAR ナビゲーションや新世代ステアリングホイールも標準搭載。
SUPERVISOR PROFILE
丸々もとお/Motoo Marumaru

夜景評論家、夜景プロデューサー、イルミネーションプロデューサー。一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロー代表理事。1965年生まれ、立教大学社会学部観光学科卒。夜景の美しさを景観学や色彩心理学などをベースに評論するなど、夜景の本質を浮き彫りにする独自の「夜景学」の構築に取り組んでいる。夜景演出については世界でただひとりギネス世界記録を3つ(世界最大の光の地上絵、世界最大の光の彫刻、世界最大の水面SDプロジェクションマッピング)を同時取得。夜景に関する著書は50冊以上。
SPOT INFORMATION

ADDRESS 東京都江東区若洲1付近