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フレームビルダー今野真一が感じた、新型Eクラス ステーションワゴンのクラフトマンシップ

photo: HiromitsuYasui
words: Kohei Kawakami
direction: Hajime Sasa(Roaster),
Arata Kobayashi(Roaster)

競輪をはじめ、オーダーメイドの自転車作りにおいて海外からも注目されるブランド「CHERUBIM(ケルビム)」。その代表者でありマスタービルダーを務める今野真一さんがメルセデス・ベンツ新型Eクラス ステーションワゴンを試乗。自転車作りの頂点を極める今野さんが職人目線で感じたメルセデスのクラフトマンシップについて語ってもらった。

伝統と哲学を継承し続けるメルセデスのもの作りは、職人として勉強になる

PROFILE

今野真一/Konno Shinichi

今野真一/Konno Shinichi

1972年生まれ、東京都出身。自転車ブランド「CHERUBIM(ケルビム)」を製造する今野製作所の代表取締役・フレームビルダー。日本の自転車作りのパイオニアである父、今野仁氏から工房を受け継ぎ今日に至る。2009年、世界最大のハンドメイド自転車展「NAHBS(北米ハンドメイドバイシクルショー)」では初出展にして2冠を獲得し、気鋭のフレームビルダーとして世界中から注目が集まった。以降、日本代表選手をはじめとした競輪界トッププロたちや、国内外のユーザーからオーダーメイドでの注文を受け、自転車製作を手掛け続ける。日本初の自転車専門学校「東京サイクルデザイン専門学校」の設立にも貢献した。

今野真一

「NAHBS」で最高の栄誉といえるThe Best of Showを獲得した「Humming Bird」

フレームビルダーの視点で見るステーションワゴン

今野真一

大きな進化を遂げた新型Eクラス。ステーションワゴンも他のモデルバリエーション同様に刷新されている。普段の生活はもちろん、仕事で自転車を積んで移動する際にもクルマが欠かせないという今野さん。乗り物の作り手として、新型Eクラス ステーションワゴンは彼の目にどう映ったのだろうか。「運転してまず感じたのは、取り回しがとにかく軽いということです。大きくて安定感のあるこの車体が、機敏に動くことに驚いています。低速でのスピードコントロールがしやすくて、街乗りに最適だと思いますね」

今野真一
今野真一

「デザインは、ステアリングやスイッチも新しくなっていますね。外観はフェイスリフトが大きくて魅力的です。特にボンネット部分にある突起物が可愛いです。新型のアルミホイールのデザインも良いですよね。自転車もホイールのデザインひとつで全体の印象がガラッと変わるので、こういう部分にもついつい目がいってしまいます(笑)。形やデザインは重要な要素ですが、そこに機能性が備われば最高だと思います」

このクルマ最大の特徴でもある広大なラゲッジスペースはどうだろうか。「私は普段Eクラスのセダンに乗っていますが、ステーションワゴンは積載力もあるのでセダンの上を行っていますね。職業柄クルマで自転車を運ぶ機会が多く、通常は前輪を外してコンパクトにする必要があるのですが、このクルマは後席を畳めばそのまま積み込めるのがとても便利です」

メルセデスのクルマ作りから学ぶ、伝統と文化の蓄積

今野真一
今野真一

「クルマや自転車など乗り物に共通する点として、移動するための道具であるからこそ、デザインだけでなく走行性や乗り心地の面でも優れていなければなりません。そこに欠かせない要素が“品質の均一性”です。職人仕事は、一つひとつの製作物について違う仕上がりが美しいと言われることもあるんです。でも、私はそれではダメだと思っていて。ブランド力というものは歴史や伝統も大事な要素だと思いますが、それだけでは決して成立しません。私が考える良い職人は、同じものを常に高いクオリティで作れる人です。その点メルセデスは全てのアウトプットに一切妥協がない。このクルマの車体を手で触ったときに分かった塗料の薄さひとつをとっても、その技術力の高さが感じられます。これは、メルセデスが100年以上続けていることなので、改めてそのすごさや大変さがわかりますね」

今野真一

今野さんの現在の愛車であるE400

今野真一

「高い品質のクルマを生産し続けるメルセデスには “伝統や哲学を継承する姿勢”も強く感じます。私は今、Eクラス(セダン)のほか、Vクラスも所有しています。また、自転車のデザインの参考にするためにクラシックなメルセデスもよく観察しますが、その時に感じるのは、どの時代のクルマにも“メルセデスらしさ”があること。新型Eクラスもそうですが、変わり続けているとはいえ、クルマの顔のデザインからは近未来性を常に感じます」

今野真一

「ガソリン自動車を誕生させてから100年以上、伝統と哲学を継承し続け、その上で革新的なことに常に挑戦している。私はこの点でもメルセデスを尊敬しています。特に今回の試乗で体験したARナビゲーションは驚きでした」

今野真一

「ナビ上に映る実際の景色にARで矢印を表示させるなんて従来ではなかった機能です。このような今までの常識を打ち破る挑戦には刺激を受けますね。ちなみに自転車の世界でも、最近ではワイヤレスでギアを変速するシステムや、電子制御のブレーキもありますし、自転車とクルマの共通した時代の流れも感じました」

今野真一

「今回新型Eクラス ステーションワゴンを試乗して、メルセデスへの興味がさらに増しました。職人が作りだすものを安定して提供し続けることの重要さを改めて実感しましたね。私の作る自転車もメルセデスに負けないように、均質性や哲学をつき詰めていきたいです」

オーダーメイドの自転車作りの世界でその名を知られる今野さん。ひとつの作風や成功に捉われず、常に新しいことにチャレンジし続けるそのクラフトマンシップは、メルセデスと相通じるものがあった。

ABOUT CAR

E 200 STATIONWAGON Sports

クルマの常識をアップデートし続け、世界が指標とするEクラス。ステーションワゴンはEクラスに積載性をプラスした派生車種のひとつ。よりダイナミックかつスポーティなエクステリアの刷新、MBUXの新機能であるARナビゲーションに加え、進化したステアリングホイールが標準装備されている。

SPOT INFORMATION

ケルビム/CHERUBIM

ケルビム/CHERUBIM

ADDRESS 東京都町田市根岸 2-33-14
TEL 042-791-3477
営業時間 10:00-18:30
定休日 月曜日、木曜日
駐車場 あり
 
青山店
ADDRESS 東京都渋谷区神宮前3-39-5 青山ウエスト1F
営業時間 11:00-19:00
定休日 土曜日、日曜日(平日のご来店は事前予約にて対応)
駐車場 なし

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