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メルセデスのサービススタッフたちの祭典、テックマスターズジャパン2018

photos: Toshitaka Horiba
words: Masanori Yamada

メルセデスとユーザーを熟知するサービススタッフが技を披露する、カスタマーサービス部門の競技会とは。

知られざるベストカスタマーエクスペリエンス活動

ラインアップの拡充によって新しいユーザー層を開拓し、プレミアム輸入車ブランドとしてのシェアを着実に伸ばしているメルセデス・ベンツ。クルマ単体やブランドの訴求のみならず、近年はイベントを通じてブランドに親しんでいただくための活動、ベストカスタマーエクスペリエンスに注力していることをご存じの方もいるだろう。ベストカスタマーエクスペリエンスとはすなわち、ブランドに対する信頼や安心感を含めたトータルの満足を提供すること──。メルセデス・ベンツ日本ではこれを“最高のブランド体験”と位置づけ、「メルセデス・ベンツ 最も愛されるブランドへ」の実現に向けてさまざまな取り組みを行っている。

 

上野社長による開会の挨拶

体験試乗会やサーキットイベントは活動内容をイメージしやすい一例だが、メルセデス・ベンツのブランドを支える舞台裏でも、じつは同様の活動が継続的に行われており、隔年で開催されるテックマスターズジャパンはその象徴といえるものだ。言うまでもなくクルマは、納車後も定期点検やメンテナンスなどで販売店とのつき合いが続く商品であり、カスタマーサービス=アフターケアは必要不可欠。新旧モデルを合わせた保有台数が70万台を数えるなか、カスタマーサービスの重要性はますます増しているのが実情だ。

そうした環境下で開催されるテックマスターズジャパンは、日頃は表舞台にあまり立つことのないサービススタッフたちの晴れ舞台であり、ユーザーの期待に応えられているか、信頼関係を構築できているかを改めて問いかけ、カスタマーサービスの一層の向上と充実につなげる場でもあるのだ。

個のスキル×チームワークで問題を解決

メルセデス・ベンツ日本主催のサービス技術コンテストをルーツに2005年から始まったテックマスターズジャパンは、5つの部門それぞれで得点を競い合う競技方式で行われるが、いわゆる決勝ラウンドに出場できるのは、1部門につきわずか12名。全国の販売店からおよそ1900名がエントリーした今年は、30倍以上の倍率を通過しなければならない狭き門となった。それだけに出場者の心意気は高く、また、大勢の家族や関係者の応援も加わって高揚感と緊張感に包まれた会場は、非公開なのがもったいないほどの熱気に満ちていた。

競技の様子

競技内容は実際の業務・作業内容をベースとし、審査はメルセデス・ベンツ日本のトレーニング部のエキスパートが担当。規定時間内に課題をクリアしていくなかでは各部門とも、知識、スキル、観察力、洞察力など、あらゆるポイントが厳しくチェックされることになる。

・メンテナンステクニシャン部門

メンテナンステクニシャン部門

サービスアドバイザーが作成したメンテナンスシートに従い、エンジンルームから足回り、インテリアからエクステリアまで、生産時同様に最高の品質を維持するために定められたメンテナンス サービスを丁寧かつスピーディに実施。ユーザーからの用命事項に対する完璧な対応のほか、安全で効率的な作業手順、点検結果の正確な良否判断についても審査。

・パーツコンサルタント部門

パーツコンサルタント部門

ユーザーのライフスタイルを汲み取ったうえで不安材料や要望事項を洗い出し、ニーズにマッチした商品を提案・訴求。会話の中から潜在的ニーズを掘り起こす丁寧なコミュニケーションスキル、メルセデス・ベンツ純正部品を熟知した高度なコンサルティングスキルについて審査。

・サービスアドバイザー部門

サービスアドバイザー部門

ユーザーと対話をしながらの車両受付、メンテナンステクニシャンが行った作業内容の説明をしながらの車両引渡しに加え、地図ソフトの無料(新車登録から3年間の間に2回のみ)更新やe-mobilityなどの施策や最新技術に関しての説明と提案。深い商品知識とメリットを感じてもらえるコミュニケーションスキルを審査。

・故障診断士部門

故障診断士部門

力量が問われる顧客苦情に対して車両診断プロセスのスタートとなる診断作業を実施し、システムテクニシャンへの作業指示書を作成。特定が困難な不良箇所やその可能性が考えられる原因を洗い出す工程を審査。

・システムテクニシャン部門

システムテクニシャン部門

故障診断士が苦情分析で作成した点検作業指示をもとに、「テストレベル」「原因レベル」「故障修理と検証レベル」の各診断工程を実施。作業指示の内容と専門知識を発展させながら故障部位を特定し、車両を時間内に復帰させられるかを審査。

カスタマーサービス=アフターケアの言葉から連想しがちなのは、一般的に工具を手にクルマと向き合う整備の様子かもしれないが、実際の領域はとても幅広く、専門化、細分化されながらも、それぞれが綿密に連携していることに驚くだろう。クルマに搭載される技術の高度化、Mercedes me connectをはじめとする新たなサービスの提供を背景に、それでもメルセデス・ベンツに抱く期待が、高度な知識やスキルを持った全国のサービススタッフたちによって支えられていることが理解できるはずだ。

テックマスターズジャパンという好循環

各部門の優勝者は各自の“技”をさらに研ぎ澄ませるため本年11月(予定)にドイツ本社での研修に旅立つが、狭き門であり晴れ舞台でもあるテックマスターズジャパンそのものが、個々の力、チームワーク、モチベーションを高め、カスタマーサービスに関わるスタッフに好循環をもたらしている。

喜びを分かち合うサービススタッフたち
喜びを分かち合うサービススタッフたち

ひいてはそれが、「メルセデス・ベンツ 最も愛されるブランドへ」につながる、ブランドロイヤリティの醸成を促す大きな原動力となるのだ。

各部門の優勝者

当日は、東京工科自動車大学校 自動車整備科 メルセデス・ベンツコースに在籍する学生たちも見学のため来場。感想を聞くと「素晴らしい技術をお持ちの方々に憧れを抱き、将来自分たちも、あの方々のような一流のサービススタッフになりたいと思いました」と、瞳を輝かせながら答えてくれた。

「回を重ねるごとに参加者が増え、結果的に全体のレベルが上がり、テックマスターズジャパンを目標にもっと上を目指そうという好循環が現場に生まれている。市場の動向に合ったモデルを審査車両に加えるなど、時代に即したテストプログラムを実施することで、お客様の満足度をさらに高めていきたい」と語るのは、カスタマーサービス部門を統括するメルセデス・ベンツ日本の荒垣代表取締役副社長。

カスタマーサービス部門を統括するメルセデス・ベンツ日本の荒垣代表取締役副社長

メルセデスのサービススタッフたちによる“2年に1度の祭典”が生み出す好循環は、カスタマーサービスの現場にとどまらず、ユーザーにもしっかりもたらされている。

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