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走りから考える、Sクラスがフラッグシップである理由

Photo:Masayuki Shimizu
Text:Yusuke Osumi

IT企業「REALDEAR」の代表取締役、前刀禎明(さきとう・よしあき)さんによるS 400のインプレッションをお届けする。

新型Sクラスがリリースされて、数カ月が経つ。とりわけ注目を集めている特徴はやはり、お客様とクルマがつながるテレマティクスサービス「Mercedes me connect」という新たに加わったサービスだ。今回はその点に加え、クルマの本来的な機能、つまり主に走りや造りの部分に焦点を当てていく。

試して頂くのは、元アップル本社副社長 兼 日本法人代表取締役で、現在はスマートフォンアプリの開発などを行うREALDEARで社長を務めている前刀禎明さん。前刀さんは、かねてからホットハッチやスポーティなクーペを何台も乗り継いできており、クルマに対してとても厳しい目をもっている。客観的意見を頂戴するのに相応しいお方だ。朝8時、東京・目黒でクルマを引き渡し、晴天のなか、西の湖周辺を目指すショートドライブに出かけた。

東京の街中を走った後、高速道路に乗る。しばらくすると、前刀さんが早速、印象を語ってくれた。

「私は自分とクルマが一体になって走っている感覚を味わえる、比較的コンパクトで軽量なクルマが好みなので、Sクラスはこれまで選択肢にあがってきませんでした。随分と昔、知り合いがもっていたSクラスを試乗する機会があって、とても大きくて重たいなと思ったのです。しかし現行モデルは、その頃よりも扱いやすくなりましたね。とても大きな躯体なのにも関わらず、それを感じさせない」

Sクラスは、代替わりをするごとにボディサイズが少しずつ大きくなっている一方、扱いやすくなっている。その進化に寄与しているのが、電子制御によってコーナリングやブレーキング時にバネレートを硬くし、ロールやピッチングを抑制するAIRマティックサスペンション。高いねじれ剛性と軽量化を両立させる、アルミニウムをふんだんに使ったボディシェル。軽過ぎず、スポーティ過ぎないパワーステアリングの絶妙なセッティングなど。これらが相まることで軽快さ、安定感を生み出しているのだ。

湖周辺を新型Sクラスでドライブ

「高速で走らせても、まったく車体がぶれない。驚くほどにしなやかですね。サスペンションの精巧さがよくわかるのが、高速道路のところどころに設けられている凸の上を走った時。普通だったら、もっと跳ね上がるはずなのが、緩やかに車体が上下します」

ドライビングモードをコンフォートからマニュアルに変更し、前刀さんはパドル操作でギヤチェンジを行いはじめた。低回転域から心地良いエグゾーストノートが鳴る。今回の試乗車はS 400。搭載されているV型6気筒ツインターボエンジンは、1600~4000rpmという広いレンジで最大トルク500N・m(51.0kg f・m)もの力強さを発揮する。

新型Sクラス(S 400)のテール

片道およそ1時間半。目的の地である湖畔に辿り着いた。晴れたおかげで、湖の先で富士山が顔をのぞかせている。一息ついた後、前刀さんは話を続けた。

「Sクラスは全くドライバーを疲れさせないですね。ジェントルである一方で、走らせる楽しみも味わえる。穏やか過ぎるとつまらないと感じてしまうのですが、そうではなかったからこそ、ストレスなく運転できたのだと思います。今回乗ってみて感じたのは、運転してもらうのではなく、自らがステアリングを握りたくなるクルマでしたね。インテリアのデザインや質感からも上質さが感じられ、好印象でした。トータルバランスを考慮しながら、緻密に設計しているのでしょう」

リモートパーキングアシストを試す前刀(さきとう)さん
「Mercedes me connect」のひとつである、スマートフォンのアプリを試す前刀(さきとう)さん

さらに「Mercedes me connect」のひとつである、スマートフォンのアプリで車体を前進・後進、また縦列・並列駐車も可能なリモートパーキングアシストの操作性も試して頂き、感想を伺った。

「これはすごいですね。こんなにスムーズに動くとは……。Sクラスの付加価値は他を圧倒するほどの豪華さや堂々とした佇まいだと思っていたのですが、この機能によってクルマの領域をさらに拡大してしまった。Sクラスはクルマの未来、そして次に求められているメルセデスの価値とは何たるかを、表現しているように感じますね」

昼食を済ませ、帰路につく前に室内灯の隣に設置されているiボタンを押し、24時間対応しているコンシェルジュにコンタクトする。「東京の目黒にナビをセットして頂きたいのですが」。そう話しかけると、コンシェルジュはすぐさま「かしこまりました」と応答し、自動的にナビに目的地が設定された。
最新の技術によってSクラスは乗り手を色々な面でサポートしてくれる。さらに、走りというクルマとしての本質も徹底的に追求しているからこそ、フラッグシップであり続けているのだ。

 

PROFILE

前刀禎明/Yoshiaki Sakito

前刀禎明

ソニー、ベイン・アンド・カンパニー、ウォルト・ディズニー、AOLを経て、ライブドアを創業。2004年、アップル米国本社マーケティング担当バイス・プレジデント兼日本法人代表取締役に就任。iPod miniを大ヒットに導き、スティーブ・ジョブズに託された日本市場でアップルを復活させた。2007年、株式会社リアルディアを設立し、現職に就く。創造的知性を磨くアプリ「DEARWONDER」を開発。著書に『僕は、だれの真似もしない』(アスコム)などがある。

 

ABOUT CAR

S-Class Sedan

常に最高峰であり続けるために、自らを革新し続けるSクラス。
そこにあるのは、自動車の行く先の道標となる、揺るぎない未来。

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