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清水和夫氏が語る、メルセデスとSクラス Vol.2

メルセデスとは、どんな哲学や思想を持ったブランドなのか。なぜSクラスは、ラグジュアリーセダンにおける最高峰と呼ばれるのか。 普段あまり明らかにされることのない、ブランドやSクラスの深層を自らもメルセデスのオーナーであるモータージャーナリストの清水和夫氏が語る。

ドライバーアシストシステムで
高い完成度を誇るSクラス

新技術を新たに実装する際に、単に技術者だけだと「機能をよくすればいい」というふうになりがちです。しかし、そういう新しい機能が出てきたときに、ドライバーがそれに頼り過ぎていくと、逆にどこかに落とし穴がある。それを、社会として、人間の内面として見ていく。メルセデスは、そういう車両開発をしているんですね。ドライバーアシストや自動運転という技術になればなるほど、「人間研究」が大事であるということが分かってくるわけです。自動運転とは、言い換えればクルマに、人間の代わりをさせるわけですから。人間をアシストしたがゆえに、どういう問題が起きるかということを、いろんな角度から研究しているんですね。

アクティブレーンキーピングアシスト

そのドライバーアシストシステムの完成度でいえば、Sクラスが一番高いです。直感的に使えるし、車間距離の自動キープもレバー1本で、上にあげれば設定速度にいく。そういう使い勝手のよさが素晴らしい。特にアクティブレーンキーピングアシストの考え方は、メルセデスらしいこだわりを感じます。レーンの境界が「実線」のときは、警告もなくブレーキ制御ですぐに戻す。けれど「破線」では、まず警告がある。なぜか。実は高速道路の「実線」の隣は路肩で道がない。つまり片側3車線の高速道路だったら、一番右のレーンの右側と、一番左のレーンの左側は「実線」なんですね。それ以外の隣のレーンがあるところは全部「破線」です。そこでは、いきなりブレーキ制御では戻さず、ステアリング振動で警告する。それは「破線」の斜め後ろはブラインドスポットアシストのレーダーで常に監視しているから、逸脱してもクルマがいない限りは問題がない。

だからドライバーにはゆるやかに、注意・勧告をするんですね。「実線」の隣は道がないから、ブレーキ制御ですぐに戻す。これは、ユーロや日本の安全テストには、まだまだ織り込まれていない部分です。「実線」や「破線」を区別せずに音で警告する、という教科書的なテストなので。
メルセデスは、安全テストでよい点を取ることが目的ではなくて、常に「本当の安全」を見ている。だから、衝突安全であれば「実際の衝突」で乗員をどう守るかを考え、ドライバーアシストシステムも、「実際の高速道路」でどうあるべきか、を考える。また、もう1つメルセデスの特長として、電動パワーステアリングで強制的に戻すのではなく、ESP®を使ってブレーキ制御でゆるやかに戻している。これもメルセデスらしいこだわりで、そのようなシステムの完成度が、高級車の中でもSクラスが一番高いと思います。

 

新技術を採用すると、
人間はどう反応するかを考える。

ちなみに、メルセデスは何年か前からヘッドライトのオフスイッチをやめました。これは多くは語られていませんが、すごい英断なんです。それは「自発光式メーター」の採用で、周りが暗くなるとメーター類は明るくなり、点灯しているように見える。

そのため無灯火のドライバーが増えてくるという問題が起こる。それゆえに単純にオフスイッチを取ってしまった。つまりハイテクが入ってくると、それに頼った人間がどういう間違いを犯すのかということを、いつも考えているんです。

清水和夫氏

ドライバーアシストシステムでも、ドライバーがいろんなスイッチを探して操作するのではなく、ミスが起こらないよう直感的に使えることを大切にしているんですね。

 

モータージャーナリスト 清水和夫

清水和夫

1954年生まれ東京出身。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとしても多数出演。国際産業論に精通する一方、スポーツカー等のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。

 

ABOUT CAR

S-Class Sedan

Sクラス セダンは、安全性かデザインか、パワーか効率化か、快適さか運動性能か、といった選択ではなく、あらゆる面で『最高であること』を目指し、きたるべき未来の自動車に通じる先進テクノロジーの数々が搭載されています。

 

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