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メルセデスの世界観と調和する、6つの時計

photo:Michinori Aoki
styling:Masaaki Ida
words:Yusuke Osumi

メルセデスと同じように、守るべき技術や歴史を継承しながら、進化をし続けている時計マニュファクチュールがある。そのなかから厳選した6点のリストウォッチを紹介する。

黎明期以降、年々進歩を遂げてきたリストウォッチだが、近年、その加速度が驚くほど増している。きっかけとなったのは言うまでもなく、いわゆるスマートウォッチの誕生だ。用途は大きく広がり、メール、スケジュールのチェックが可能になり、はたまたクレジットカードの代わりまで務めるようになった。ただ、リストウォッチに求められている本質は変わらないだろう。正確に時を刻む精度や視認性、耐久性の高さ。必須の要素がコンパクトにまとめられたデザイン、そして所有する喜びを感じられるかどうか。

メルセデスのクルマにもこれと同じことが言える。コンピュータ制御やインターネット・スマートフォンとの連携が進み、近い将来、コミュニケーションツールのひとつになるかもしれないわけだが、培われてきた技術の結集が生み出す走行性能やデザイン性、内外装の上質さが今なお求められている。つまり、継承の上に進化があってこその、真のブランド価値なのではないだろうか。

長い歴史、確固たるクラフツマンシップをもちながら、新しい技術開発に積極的に取り組み、過去と現在の双方を常に見つめている時計マニュファクチュールがある。今回ピックアップしたのは、それらが最近リリースした特徴的なモデル。いずれも、メルセデスのクルマの世界観と通じる部分を感じてもらえるはずだ。

VACHERON CONSTANTIN

100年間続く、日本との深い関係性

世界最古の時計マニュファクチュール、ヴァシュロン・コンスタンタンと日本の関係は非常に深い。ヴァシュロン・コンスタンタンが本拠地のあるジュネーブからおよそ9000km離れた横浜で市場を開拓したのは、ちょうど100年前。当時のマリンクロノメーターに日本のセレブリティたちは大きな興味を示し、やがて特定のデザイン仕様を求めるようになり、ヴァシュロン・コンスタンタンはそれに応えるモデルをつくり上げていく。その頃に生まれた“ジャパニーズ・スタイル文字盤”と呼ばれる盤面デザインは、後に他の市場向けのプロダクトにも活かされ、ブランドの歴史に新たな1ページが加わることになった。今回紹介するのは、以上の関係性を称えるモデルである。この「トラディショナル 日本100周年記念モデル」は特別な時計ではあるものの、豪華さは影を潜めている。証として記されているのは“Japan 100 years limited edition”というシークレットサインのみ。しかし、その繊細さ、静謐さこそ、日本の様式美に対するオマージュである確固たる所以だ。¥2,775,000(税抜)(VACHERON CONSTANTIN/ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755)※日本75本限定

Breguet

伝統的なデザインと先端技術の融合

ブレゲをブレゲたらしめているアイコンといえるのが、2世紀以上も前に発明された、職人の手彫りによるギヨシェという盤面の規則的なパターン、ブルースティールの針だ。「クラシック クロノメトリー 7727」はその両方が採用された、ヘリテージに則ったデザインになっているのだが、機構に新たな試みがなされている。ムーブメントのほとんどが金属でできている機械式腕時計は一般的に、磁気にとても弱いといわれている。しかし、PCや携帯電話をはじめとする現代のデジタルツールのほとんどには磁気が使われており、機械式腕時計は歩度の安定性において劣るようになってしまっていた。その課題を解決すべく、ブレゲは磁気を使った調速機構である磁気を応用する調速機(=マグネティック・ピボット)を開発し、2011年に特許を取得。このモデルにはそれが用いられており、1日あたり-1~+3秒以内(クロノメーター検定協会認定クロノメーターの標準値は-4~+6秒)という驚異的な平均日差を実現しているという。¥4,380,000(税抜)(BREGUET/ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211)

Grand Seiko

輝かしい功績をアピールする最新モデル

時計製造においてスイスが圧倒的な優位に立っていた1960年代、グランドセイコーはそれに対抗する純日本製ブランドとして立ち上げられた。同ブランドの初代モデルは、時計の精度をテストし、評価するスイスの公的機関、クロノメーター検定協会の優秀級と同等の自社検定が採用されていたことで知られている。今回取り上げるのは現代の技術を用いて、そのデザインを忠実に再現した復刻版である。必要最低限のパーツしか飾られていないミニマルな盤面、滑らかに弧を描く痩身のケース。ガラスには高純度なデュアルカーブサファイアガラスが採用され、そのなかで12時の位置にレイアウトされた立体的な“Grand Seiko”のロゴが主張する。クラシカルかつ普遍的な造形ながら、使用されているパーツは最新。グランドセイコーの輝かしい功績を最もよく表している逸品だ。¥1,800,000(税抜)。(Grand Seiko/グランドセイコー専用ダイヤル Tel.0120-302-617)※世界限定353本

CITIZEN

ロマンとリアリティを追求した時計

紀元前2000年頃のバビロニア時代において、時刻の基準とされていたのは天体の動きだった。2000年に登場し人気シリーズとなっているシチズンのカンパノラは、そんな古に想いを馳せるように、天体の光景を盤面のデザインに落とし込んでいる。シリーズ共通のデザインコンセプトは“宙空の美”で、この「コスモサイン」というモデルは闇夜でロマンティックに輝く星々がモチーフ。反射を極限まで抑えられるクラリティ・コーティングが施された、立体的なドーム状のサファイアガラスの中には星座盤が収められている。北緯35度で見ることができる4.8等星以上の恒星1027個、アンドロメダ銀河やオリオン座大星雲などの星雲・星団166個が精密に構成された14もの版で印刷されているその星座盤は、時間が進むにつれ、ゆっくりと回転し、時々の星空の姿を表す。非常に緻密につくられているのだが、ケース径は44mmで扱いやすく、全体のフォルムはシチズンらしいスタンダードなもの。¥320,000(税抜)(CITIZEN/シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807)

TAG HEUER

厳格な製造工程を経た、唯一無二のスマートウォッチ

PCとモバイルデバイスのメーカーだけで築かれていたスマートウォッチ市場に、満を持して一石を投じた時計マニュファクチュールがタグ・ホイヤーだ。その熱の入れようは、本拠地があるスイスのラ・ショー=ド=フォンに新たな工房を建てるほど。他を凌駕するのはなんといっても、つくりの精巧さ、品質の高さである。ムーブメント以外の組み立ては機械式クロノグラフと同様、職人が一つ一つ丁寧に行う。機能性を追求するだけでなく、本来的な時計製造の厳格さを守りたい。この「タグ・ホイヤー コネクテッド モジュラー45」からは、そんなタグ・ホイヤーの強い意志が感じられる。採用されているOSはAndroidで、プロセッサは512MBのメモリを誇るインテルAtom。使い方は一般的なスマートウォッチと変わらず、スマートフォンにAndroid WearをインストールしBluetoothでペアリングするだけで、メールの確認、SNS、地図表示などが行えるようになる。さらにタグ・ホイヤーが展開している4000種以上の豊富なダイヤルパターンから好みの文字盤を設定することが可能。車内のシート生地にこだわるように、バックル、ラグ、ストラップなどを自在に組み換えられるモジュール構造を採用している点もユニークだ。¥395,000(税抜)(TAG Heuer/LVMH ウォッチ ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7054)

Mercedes-Benz Collection

精巧さを物語る、スリーポインテッドスター

最後はメルセデスの特別性をデザインや品質に反映させた、普段のライフスタイルを彩ってくれるさまざまなアイテムを展開するオリジナルプロダクトシリーズ、メルセデス・ベンツ コレクションから一品紹介したい。いくつかラインナップがあるなかでも、特におすすめなのがクロノグラフだ。鈍く輝くローズゴールドカラーが渋い重厚感のあるケース、上質かつ艶やかなカーフスキンのストラップが採用され、さらには盤面の随所に配されたフォントといった細かな部分までこだわってつくられており、ヴィンテージの時計が醸す独特な風合いと造形が見事に再現されている。視認性を向上させる透明度の高いミネラルクリスタルガラスのなかで、さりげなく輝くスリーポインテッドスターは、その回りを囲う月桂樹まで細かく刻まれ、この時計の精巧さを物語っている。¥36,000(税抜)

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