Sports > MOTOR SPORTS

Formula 1 2021

前人未到の“ダブルタイトル8連覇”に向けてメルセデスAMGペトロナスが始動!

words:Takeshi Sato

F1(Formula 1)世界選手権は、1950年にイギリスで始まった世界最高峰の自動車レース。2021年シーズンもメルセデスAMGペトロナスが、さらなる偉業達成に向けてスターティンググリットにつく。

About

メルセデスAMGペトロナスは前人未到の“ダブルタイトル8連覇”に、そしてエースドライバーのルイス・ハミルトンは“シューマッハ越え”に挑む──。

2021年シーズンのF1(Fomula 1)世界選手権が、いよいよ始まる。

チームとドライバーが挑む大記録については後述するが、モータースポーツの最高峰に位置するF1は、今シーズンで71年目を迎える。記念すべき第1戦が行われたのは1950年。シルバーストーン・サーキットで開催されたイギリスGPから物語は始まった。
以来、71年の間にF1マシンを長足の進歩を遂げた。1950年のF1GPを走ったマシンの最高出力は、400〜450馬力程度だったとされる。それが現在ではガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムが800〜1000馬力を発生。F1黎明期との比較で、およそ2倍のパワーを発生するに至っている。
パワーが上がり、最高速度が速くなったということは、サスペンションやブレーキ、あるいは空力性能が同じように進化しているということでもある。そしてF1で培われた新しい技術は、やがて街を走るクルマにも応用されるようになる。

新型コロナウィルスの影響で予定が変更になる可能性は残るものの、2021年シーズンは3月28日のバーレーンGPで開幕、12月12日のアブダビGPまで全23戦が開催される予定だ。鈴鹿サーキットで行われる日本GPは、10月10日に予定されている。
F1に参加するのは全10チーム、20台のマシン。世界中のモータースポーツ関係者が形成する巨大なピラミッドの頂点に位置する精鋭たちだ。
レースでは10位までが入賞圏内で、順位に応じて以下のようにポイントが与えられる。
1位(25ポイント)、2位(18ポイント)、3位(15 ポイント)、4位(12ポイント)、5位(10ポイント)、6位(8ポイント)、7位(6ポイント)、8位(4ポイント)、9位(2ポイント)、10位(1ポイント)。なお2019年シーズンより、レース中に最速ラップを記録したドライバーには、ファステストラップポイントとして1ポイントが与えられるようになった(ただし、10位以内で完走したケースに限る)。

こうして、1年でもっとも多くのポイントを獲得したドライバーがドライバーズチャンピオンとなる。タイトルは、ドライバーだけでなくチームにも与えられる。1チームは2台体制、2人のドライバーのポイントを合計したものをコンストラクターズポイントと呼び、年間でコンストラクターズチャンピオンを競うのだ。
 

Point of view

2021年、メルセデスAMGペトロナスはいくつかの大記録に挑む。現在、メルセデスAMGペトロナスは、ドライバーズチャンピオン、コンストラクターズチャンピオンともに7連覇中。今シーズンもふたつのタイトルを独占することで、冒頭に記した“ダブルタイトル8連覇”を狙っているのだ。

コンストラクターズチャンピオンに限って見ると、2020年シーズンに記録した7連覇は、ミハエル・シューマッハが在籍していたフェラーリが1999年から2004年にかけて記録した6連覇を超えた史上最長記録。メルセデスAMGペトロナス自身が保持する最長記録を、さらに1年伸ばせるのかに注目が集まる。

ドライバーズチャンピオンも7連覇中で、このうち6回をルイス・ハミルトンが戴冠している。ハミルトンは2020年シーズンを終えた時点で、ドライバーズチャンピオンを計7回獲得しており、遂にあのミハイル・シューマッハに並んだ。2021年にドライバーズチャンピオンを獲得すれば“シューマッハ越え”を果たす8度目となり、単独でチャンピオン獲得回数1位の座に就くことになる。

ちなみにハミルトンは、2020年の第11戦アイフェルGPでF1通算91勝目をあげ、シューマッハが持つ最多勝利記録に並んだ。そして続く第12戦ポルトガルGPで92回目となる優勝を飾り、単独トップに立った。最終的に通算95勝まで伸ばして2020年シーズンを終えたハミルトン。彼がどこまで記録を伸ばすのか、世界中のF1ファンが見守っている。

ハミルトンに目を奪われがちであるけれど、メルセデスAMGペトロナスのもうひとりのドライバー、バルテリ・ボッタスも虎視眈々とドライバーズチャンピオンを狙っている。2020年シーズンでは年間ランキングで347ポイントのハミルトンに続く223ポイントの2位。ふたりがドライバーズチャンピオンを競うことは、メルセデスAMGペトロナスがコンストラクターズチャンピオンに近づくということでもある。

角田裕毅が日本人ドライバーとして7年ぶりにF1にフルタイムで参戦することで話題となるアラファタウリ・ホンダ、実力派ドライバーをふたり揃えるレッドブル・ホンダ、そしてカルロス・サインツJ.r.を迎えて巻き返しを図るフェラーリなど、今シーズンもF1は話題満載だ。

メルセデスAMGペトロナスのCEOを務めるトト・ウォルフは、新シーズンに向けてこのようにコメントする。
「もっと速く走れるんじゃないかという問いかけと、勝つことへの飢えが私たちを駆り立て、新しいシーズンを迎えるにあたって興奮している。なぜなら新シーズンではスコアボードがゼロになり、私たちはよりよいパフォーマンスを発揮する方法を見つけなければならないから。すべてがエキサイティングだ」

メルセデスAMGペトロナスへの在籍が5年目となり、2シーズン続けてドライバーズチャンピオンで2位だったがバルテリ・ボッタスは、タイトルへの思いを口にする。
「僕がチームメイトになってからルイス(・ハミルトン)がすべてのタイトルを獲得してきたことは事実。けれども、僕はタイトルのために戦うことができると信じている。それが2021年シーズンの最大の目標だ」

ルイス・ハミルトンは、こう語る。
「たとえばレッドブル・ホンダがテストで好タイムを出しているなど、ライバルたちは戦闘力を増している。間違いなく、タフなシーズンになるだろう」

ここ数年、圧倒的な強さを見せているメルセデスAMGペトロナスであるけれど、チーム責任者にもドライバーにも慢心や余裕は見られない。コメントからはむしろ、追われる立場の危機感と、勝利への渇望が強く感じられる。トト・ウォルフの言葉を借りれば「ハングリーさ」がある。

さらなる速さと強さを求めて、メルセデスAMGペトロナスの新しい旅が始まる。

DRIVERS

ルイス・ハミルトン
Lewis Carl Davidson Hamilton

ルイス・ハミルトン

1985年生まれ。少年時代よりその才能を高く評価され、10代前半の若さでF1チームのマクラーレンと長期契約を交わしたことから「マクラーレンの秘蔵っ子」と呼ばれた。2007年F1デビュー。参戦わずか2年目の2008年に、史上最年少(当時)でF1のドライバーズ・チャンピオンを獲得した天才ドライバー。
2013年にメルセデスAMGへ移籍。2014年にはドライバーズ・チャンピオンを獲得、翌2015年も2ケタの勝利を挙げ、2年連続3度目のチャンピオンに輝いた。2016年は2ケタ勝利を挙げたものの惜しくもチャンピオンの座を逃したが、2017年は2ケタ勝利を挙げ再びチャンピオンに返り咲き、2020年まで6連覇。通算7度目となるチャンピオンの座に就き、シューマッハが持つ通算7度の記録に並ばんとしている。F1通算95勝は、シューマッハの91勝を凌ぐ単独最多記録。

 

バルテリ・ボッタス
Valtteri Bottas

バルテリ・ボッタス

1989年生まれ、28歳のフィンランド人ドライバー。フィンランド人らしい、クールで思慮深い性格だというのがもっぱらの評判。2017年にニコ・ロズベルグのシートを引き継ぎメルセデスAMGペトロナスヘ加入、2017年に自身初優勝を含む3勝を挙げてランキング3位となり、コンストラクターズタイトルの獲得に多大な貢献を果たした。2018年も8度の表彰台を獲得し、ドライバーズ・ランキングでは5位、2019年と2020年はドライバーズ・ランキング2位と大躍進、2021年は悲願のドライバーズチャンピオンを狙う。今年も引き続きもボッタスの活躍は大きな期待と注目が集まる。

TEAM MANAGEMENT

トト・ウォルフ
Christian Toto Wolf

トト・ウォルフ

エグゼクティブディレクター。(ビジネス)ノルベルト・ハウグの後任としてメルセデスのレース活動全般を担当。1994年のニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝などの成績を残す。


CAR

Mercedes-AMG F1 W12 E Performance

全長×全幅×全高:5000mm×2000mm×950mm
重量:752kg
エンジン形式:V型6気筒ハイブリッド・ターボ
エンジン排気量:1.6ℓ

関連キーワード

Share on:

RELATED

RECENT POST