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【F1 2017 REPORT】第17戦アメリカGP

words:Takeshi Sato

ハミルトン完勝。メルセデスAMGペトロナスの年間タイトルを決めた!

レースの結果によっては、ルイス・ハミルトンの4度目のワールドチャンピオンが確定するかもしれない——。

前戦の日本GPの結果を受け、10月20日(金)から22日(日)にかけて行われたF1第17戦アメリカGPは、2017年のドライバーズ/コンストラクターズタイトルが決まる大一番となった。  

その舞台となるのは、テキサス州オースチンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。全長5.513km。高速コーナーからタイトな複合コーナーまでを有し、ホームストレートから最大傾斜角12.5度、高低差30m以上にもなる急こう配な坂を登りきった直後の1コーナーで繰り広げられるオーバーテイク合戦こそ、このサーキットのハイライトである。
2012年にこのサーキットで最初に開催されたアメリカGPで優勝し、その後も2014、2015年、2016年と目下3連覇中のハミルトンも、「大好きなコース」と語る。

20日(金)のフリー走行ではハミルトンがトップ、チームメートのバルテリ・ボッタスも1回目3位、2回目4位とまずまずの結果。ハミルトンは「全体にフィーリングはいい」と好感触の様子だ。
迎えた21日(土)の予選は、好天に恵まれ、気温31度、路面温度38度だが、やや風が強い。

予選Q1ではハミルトンとボッタスのメルセデスAMGペトロナス勢が交互にトップに立ち、マシンとコースの相性の良さをうかがわせる。Q3でも好調を維持。ハミルトンがポールポジション、ボッタスが2位とフロントローを独占するかと思われたが、最後の最後でベッテル(フェラーリ)が2位に滑り込んだ。これで決勝は、ハミルトンがポールポジションから、ボッタスが2列目3位からスタートすることに決まった。

予選を終えたハミルトンは、「チームが素晴らしい仕事をしてくれた」と喜びを語った。ボッタスも「少し風の影響を受けたけれど、決勝は良い戦いができそう」と手応えを口にした。

22日(日)は、午前中に雨が降ったものの午後は晴れ渡り、気温24度、路面温度34度のドライコンディションでレース決勝を迎えた。
ここでスターターを務めたのが陸上競技界のスーパースター、ウサイン・ボルト氏。会場は大いに盛り上がった。

スタートして第1コーナーに向かう登り坂では、ハミルトンがベッテル(フェラーリ)に先行を許す。結果、ベッテル(フェラーリ)、ハミルトン、ボッタスというオーダーで1周目を終えた。しかしハミルトンは慌てることなくファステストラップを連発。ついに6周目のバックストレートでベッテルをとらえる。エキサイティングなオーバーテイクシーンで、観客を喜ばせた。

その後もハミルトンは順調にラップを重ね、2位ベッテル(フェラーリ)との差を広げていく。レース中盤は、ハミルトン、ベッテル(フェラーリ)、ボッタスの順位で進行。ベッテル(フェラーリ)のタイヤ交換に乗じてボッタスが一時は2位に浮上し、メルセデスAMGペトロナスのワンツー走行となった。

ハミルトンはそのまま順調にトップでフィニッシュ。2位に10秒上の差をつける圧倒的なレースで、アメリカGP4連覇、今シーズン9勝目、通算62勝目をあげた。一方、ボッタスは健闘及ばずライコネン(フェラーリ)とフェルスタッペン(レッドブル)の猛追を受け、最終的に5位でレースを終えた。

ベッテル(フェラーリ)が2位に入ったことで、ハミルトンのドライバーズチャンピオン決定は次戦以降に持ち越しとなったが、この結果を受けて、メルセデスAMGペトロナスの2017年コンストラクターズタイトルが決定となった!

4年連続でコンストラクターズチャンピオンを獲得したことについてチーム責任者のトト・ウォルフは次のように語った。

「とてもハッピーだ。チーム全員が仕事を楽しんでいる。ただし来年は上位チームの速さが拮抗するので、さらに厳しいシーズンになるかもしれない」

表彰式では、プレゼンターとして再びウサイン・ボルト氏が登場。ハミルトンとともに得意のポーズを決めて会場を沸かせた。

ハミルトンは、レースをこう振り返る。
「スタートがうまくいかなかったけれど、焦ったりはしなかった。なぜならこのコースではオーバーテイクが難しくないことを経験から知っていたからね。だから近づいて、オーバーテイクをする過程を楽しむことができた。残り3戦あるけれど、目標は全部勝つことだね」

5位でレースを終えたボッタスは、タイヤの使い方を悔やんだ。
「第2スティントでベッテルとライコネン(ともにフェラーリ)とバトルをして、ソフトタイヤをかなり消耗してしまったんだ。それで結局、もう一度ピットに入ることになった。立ち直るには時間が必要だけれど、コンストラクターズタイトル獲得については、とても満足している。このチームの一員であることに誇りを持っているよ」

アメリカGPを終えて、ドライバーズタイトルは1位ハミルトンが331ポイント、2位ベッテル(フェラーリ)が265ポイント、3位ボッタスが244ポイント。ハミルトンの年間チャンピオンとともに、ボッタスの2位争いも注目される。
2017年のF1世界選手権もいよいよ残り3戦の大詰め。次戦メキシコGPは10月27日(金)に開幕する。

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