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【F1 2017 REPORT】第6戦モナコGP

words:Takeshi Sato

「戦いはこれからだ」の意味。伝統のモナコGP開催。

5月25日(木)から28日(日)にかけて、F1第6戦となる伝統のモナコGPが開催された。他のグランプリと異なり木曜日にフリー走行が行われるのは、モナコ公国主催のパーティが催される金曜日が休養日となるから。世界中からセレブリティが集まるこの週末のモンテカルロは、いつにも増して華やいだ雰囲気となった。メルセデスAMG ペトロナスF1チームの走りにも期待が高まる。

1929年の初開催から今回で75回目を迎える伝統のモナコGP。その特徴は、グランプリサーキットとしては一番狭いモンテカルロ市街地の公道コース(1週3.337㎞)を走ることだ。F1マシンは、第1コーナーから“美しい海(地中海)を望む”と冠したボー・リバージュの坂を一気に駆けあがり、そして、格式高いグラン・カジノ前を走り抜け、最高速が出るモナコ名物のトンネルへ。暗闇を飛び出したそのさきには世界中から集まった豪華クルーザーが停泊するマリーナエリアが広がる。

「ガードレールに“キス”するくらいに攻める」とドライバーたちが例えるように、ガードレールがタイヤ数センチのところまで迫るのがモナコの特徴的なタイトコーナーだ。それを巧みなステアリングコントロールとアクセルワークで攻略していく。モンテカルロ市街地コースにはほとんどセーフティゾーンがない。つまり、ひとつのミスが即リタイヤにつながるのだ。

こうしたトラックの特徴から、予選の順位がどのグランプリよりも大きな意味を持つ。コースの難易度の高さは、「モナコでの1勝は、他のグランプリの3勝に値する」と言われるほどだ。第5戦のスペインGPで見事な優勝を遂げたメルセデスAMGのルイス・ハミルトンは、昨年のモナコGPのウィナーである。「ここは精神的な強さが求められるコース。勝つためにマシンをセットアップするのは経験も重要だ」とだ語る。

土曜日に行われた予選では、フリープラクティスからタイヤの扱いに苦戦していたハミルトン。Q3進出(上位10台による予選ファイナルラウンド)をかけたラストアタック中に、ライバルがガードレールの餌食となった影響でタイムを更新できず、まさかのQ2敗退。予選を14位で終えることとなった。いっぽうボッタスは同じようにタイヤとマシンのマッチングに苦労をしながらもトップからわずか0.045秒差の3位を獲得。決勝に期待をつなげた。

日曜日のモンテカルロは素晴らしい好天に恵まれ、強い陽射しが紺碧の地中海に降り注ぐ。レースがスタートする午後2時の時点で、気温は26度、路面温度52度にまで上昇した。ドライバーにもマシンにも厳しいコンディションのなか78周のレースがはじまる。

シグナル消灯とともにモナコではめずらしく全車が無事に1コーナーを通過していく。フロントロウ2台のフェラーリの先行は許しつつも、ボッタスはタイヤを労わりながらラップを重ねていく。そして34週目には1度のタイヤ交換を無事に済ませ、セカンドスティントでのさらなる上位進出を狙うも、ピット戦略でライバル勢の一画であるレッドブルに先行を許してしまう。いっぽう、ライバルのグリッド降格により13位からスタートしたハミルトンは、独自の戦略を携えて辛抱強く走りじわじわと順位を上げていく。そして、誰よりも遅い47週目にピットイン。タイヤ交換を済ませ7位でコースに復帰する。終盤60周目にはセーフティカー導入となるアクシデントが発生。セーフティカー先導で再スタートがきられるも、オーバーテイクが困難なここモナコでは大きな順位変動はなくチェッカーフラッグが振られた。

自身初のモナコでの表彰台が期待されたボッタスは、あと一歩、届かなかった。しかし、ふたりのドライバーは前向きだ。ボッタスは、「モナコでの週末から多くを学ぶ必要がある。カナダではまた状況が変わるだろう」と語る。「難しい状況で7位まで順位を上げられたことは素直に嬉しい」と語るハミルトンは、「戦いはこれからだ」とチームを鼓舞したという。ハミルトンの言うように長いシーズンを通して考えれば、ボッタスが獲得した12ポイントとハミルトンがつかみ取った6ポイントが大きな意味を持つはずだ。

ドライバーズランキングを見ると、ハミルトンがトップと25ポイント差の2位、ボッタスがハミルトンと29ポイント差の3位。コンストラクターズランキングでは、首位フェラーリに17ポイント差の2位となっている。

次戦は6月9日(金)から11日(日)にかけて開催される、カナダGPとなる。北米へと移動することで気分も一新、メルセデスAMG ペトロナスF1チームの巻き返しに注目だ。
 

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