3月24日(金)、いよいよF1の2017年シーズンがオーストラリアはメルボルンで開幕した。3年連続でドライバーズ・チャンピオンとコンストラクターズ・チャンピオンを獲得しているメルセデスAMGが今季も大本命だと目されるが、決して楽観視はできない。
なぜならマシンのレギュレーションが変わり、前輪は6cm、後輪は8cmも太くなっているのだ。これに伴いボディもワイドになり、空気の流れでマシンを地面に押しつける力(ダウンフォース)は昨年までのマシンより約30%も増したと言われる。
現在のF1は全車がピレリタイヤを装着するが、ピレリによればタイヤの設計を根本から見直したとのこと。マシンの変化とあいまって、去年までの強さが今季も維持できる保証はない。王者メルセデスAMGといえども楽観視はできないのだ。
だからチームのスタッフは、3月25日(土)の予選結果を見て胸をなで下ろしただろう。ルイス・ハミルトンが2位のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に約0.26秒の差をつけてポールポジションを獲得したのだ。
ちなみにハミルトンが開幕戦をポールポジションからスタートするのは、これで4年連続となる。
ハミルトンが「バルテリ・(ボッタス)も良い仕事をしたと思う」と語ったように、ウィリアムズから今シーズンよりメルセデスAMGに加入したバルテリ・ボッタスも、予選第3位と健闘。ボッタス本人は「満足はしていない」と語ったが、マシンが新しいレギュレーションとタイヤにマッチしていることは証明できた。
3月26日(日)の現地時間16時、曇り空のアルバート・パーク・サーキットで57周の決勝レースがスタート。上位陣にスタートでの混乱はなく、1位ハミルトン、2位ベッテル、3位ボッタスのオーダーは変わらない。
レースが動いたのは17周目。ハミルトンはタイヤ交換のためにピットへ入ったが、2位につけていたベッテルはそこから6周にわたってタイヤ交換を我慢。ここでベッテルが1位に躍り出て、そのままフィニッシュした。
レース後、ハミルトンが「タイヤのマネージメントに工夫が必要だった」と語るように、新しいタイヤの使い方に課題が残るレースだった。しかし、2位ハミルトン、3位ボッタスと、表彰台の2つを独占。ベストではないが、悪くないシーズン開幕戦だったと言えるだろう。