Story / Vol.9

『ケア・フォー・ワイルド・リノ・サンクチュアリー』創設者、ペトロネル・ニーウーアウト

南アフリカの首都ヨハネスブルクから、4時間ほどメルセデスベンツGLCクーペを北東に走らせた場所に、世界最大のサイのためのシェルター『ケア・フォー・ワイルド・リノ・サンクチュアリー(以下、CareForWild)』がある。アフリカ有数の鳥獣保護区であるクルーガー国立公園にほど近く、息を飲むほどの荒野が広がる場所だ。近くの農場で生まれ育ったペトロネル・ニーウーアウトは、傷を負った動物を保護して看病し、自然に返していた少女だった。そんな彼女が南アフリカ警察絶滅危惧種保護チーム(South African Police Endangered Species Unit)での経験を経て、2001年にCareForWildを設立したのは自然な流れだと言えるだろう。親を亡くしたり、傷ついたりした動物が見つかると、すぐにCareForWildに一報が入る。彼女が特に力を入れているのは、密猟者の餌食になっているリノ(サイ)だ。


 

角が特効薬であると信じられ、乱獲され続けてきたサイは、今や絶滅危惧種。高価なものであることから、ステータスシンボルとして投資目的で購入する者もいるという。角を狙われた親サイが殺されると、子サイも傷を負っているケースが多いため、狩猟管理者が発見次第、CareForWildは子サイの保護に向かう。しかし親が傷つけられる姿を目の当たりにし、引き離された子サイの警戒心を解くのはとても難しく、忍耐力を持って恐怖心を取り除く必要があるそうだ。少しずつ子サイにシェルターが安全、安心な場所であることをわからせ、信頼を得ることができたら、“代理母”として世話をし、野生に戻すためにほかの動物とも交流させる。そして最後にするのは、二度と密猟者の標的にならないよう、角を慎重に取り除くことだ。

ペトロネル・ニーウーアウト

「野生生物を守るために必要なのは、前向きな姿勢。誰かが言ったの、『私たちがやらなきゃ! 私たちがこの子を守らなきゃ!』ってね」

子サイの保護

CareForWildの活動は動物保護に意欲のあるボランティアヘルパーや、経済的支援を申し出る後援者によって成り立っている。ミルクやブランケットなど活動に必要な物の寄付を募る代わりに、組織の円滑な運営と絶滅危惧種の救助を保証するものだ。


 

「人生は、守り、愛し、助けたい人に、たくさんのものを与えてくれるわ」

ペトロネル・ニーウーアウト

彼女にとって最大の報酬は、人間の手を借りなくても生きる術を体得したサイが、再び野生に戻っていく瞬間に立ち会うこと。そのたびに、プロジェクトの重要性を感じるという。彼女の活動に賛同し、寄付や援助を希望する人は、ぜひプロジェクトのウェブサイトを訪れてほしい。

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