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星のや東京 浜田料理長が語る、料理とクルマの大切な関係

words: Takashi Niigami
photo: Toshitaka Horiba

圧倒的な美意識と確かな技で国内外のゲストを魅了する、星のや東京の浜田統之料理長。ストイックに料理を追求する浜田さんに、愛車とお気に入りのスポットを教えていただいた。

世界に認められた美意識の持ち主のインスピレーションの源

かつて、アジアの料理人はなかなか認められなかったフランス料理の世界。そのフランス料理の中でも世界最高峰の料理コンクールにして「料理界のオリンピック」とも称されるのが「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」だ。2年毎にフランスの美食の中心地・リヨンで開催されるこの大会で2013年に世界3位に輝いたのが、今回ご登場いただいた浜田統之さん。その料理に対する評価は高く、約2万円のディナーのために世界中のVIPが自家用ジェットで食べにくるほど。ベースにフレンチの技法を使いながら、日本ならではの素材遣いやプレゼンテーションで「Nipponキュイジーヌ」を発信する『星のや東京』の料理長である。

星のや東京の浜田統之料理長

「私はもともとイタリアンの料理人だったのですが、料理の幅を広げたいと思っていた時にジョエル・ロブションさんの料理を食べる機会があり、とても美しく美味しいということに感激し、フランス料理の世界に入りました。修業に精を出し、日本最年少でボキューズ・ドールの世界大会に出ることができたのですが、その時の順位は、残念ながら12位でした。フランス料理のモノマネをしても、フランス人以上のことはできない。それならば日本人にしかできない料理を作ろうと考えたのが、今私が作っている『Nipponキュイジーヌ』なのです」
常に頭の中は料理のことばかり。自身にしか創造することのできない料理を追い求め、プライベートな時間も食材との出合いを求めて山中に赴き、アイデアを求めてクルマのハンドルを握るという。
「料理のアイデアというものは考えれば考えるほどに出てこない。ところが、クルマを運転していると自然と出てくるんです。だから運転する時はいつも鉛筆をポケットに忍ばせて、アイデアが浮かべばクルマをパーキングに停めてメモを取っています」

クルマは新しいアイデアが浮かぶ場所。だから安心できるものを

浜田さんの「Nipponキュイジーヌ」を代表するスペシャリテである「百合根のムニエル」や「鮎のブーダンノワール」をはじめ、新しい料理のアイデアはもれなく、クルマの運転中に浮かんだものだという。

愛車を運転中の、星のや東京の浜田統之料理長

「運転に集中していると、運転とは関係のない脳の“空きスペース”に新しい料理のアイデアが浮かんでくるんです。軽井沢ホテルブレストンコートの総料理長を務めていた頃はクルマで通勤していて、運転する時間で新しい料理を発想していました。星のや東京で勤務するようになり、クルマを通勤に使うことはなくなりましたが、それでも食材を見つけに長野などによく行くので、そういった時は料理のことを考えるいい機会ですね。一人の時間ですし、リラックスしながらも集中しているという状況が新しいアイデアを生んでくれるのでしょう。だから、どんなクルマを選ぶかがとても大切。安心して運転できるクルマじゃないとダメですよね。その点でも、僕は迷いなくメルセデスを選びました。車内の気密性もよくて、ブレーキのタッチに安心できる点も好きなんです」

刺激と癒しを求め、代官山で過ごす休日

そんな浜田さんが休日に訪れるというのが、代官山にある蔦屋書店。料理本のコーナーと2階のラウンジ『Anjin』がお気に入りだ。

代官山 蔦屋書店

「こちらには1カ月に2回くらいは伺っていますね。洋書の料理本のセレクトの鋭さ、品揃えは東京一だと思います。基本的には、世界中の料理人の本をチェックしにきているんです。彼らがこんなアプローチで料理を作るなら、僕らはどんなアプローチをするべきなのかと考えたり、世界の料理トレンドが綜覧できる。親しくしている海外のシェフたちの本もたくさん取り扱っていて、つい長居してしまいますね」

お気に入りの料理本

写真左はスウェーデンで「ニューノルディック・キュイジーヌ」というジャンルの星付きシェフ、マグナス・ニルソン氏の書籍。右はフランスの高級リゾート地、ムジェーヴにある3ツ星レストラン「フロコン・ド・セル」のオーナーシェフであり、浜田さんとも親交があるというエマニュエル・ルノー氏の書籍である。「レシピやプレゼンテーションの参考にすることもあります。帰宅するまで待ちきれなくて、2階のラウンジに立ち寄って読書しますね。このラウンジはインテリアもとても洗練されているし、ゆったりと過ごせるところが気に入っています」

代官山 蔦屋書店は、浜田さんの著書『Noriyuki Hamada, Restaurant Yukawatan, Karuizawa Japon』の販売イベントを行った場所でもある。

「ボキューズ・ドールの受賞式もこちらでしたし、ご縁を感じます。そもそも代官山は好きな街で、イタリアンの料理人だった頃からよく訪れていましたね。好きなブランドのショップもあるので、洋服もよくこの街で買っています。今は2歳と4歳の子どもを連れて、散歩を楽しむこともありますよ」

仕事のためのインプットとリフレッシュ、リラックスの全てが叶うこの街。代官山 蔦屋書店は駐車場も広々していて、クルマで訪れるのにもってこいの場所だと浜田さんは語る。

Spot information

代官山 T-SITE 代官山 蔦屋書店
http://real.tsite.jp/daikanyama/

ADDRESS 東京都渋谷区猿楽町16-15
TEL  03-3770-2525(代官山蔦屋書店)

家族とクルマ選びの関係、そして将来のビジョン

「軽井沢ホテルブレストンコート『ユカワタン』に勤務していた頃は、毎日のようにクルマで通勤し、生産者のもとにも訪れたりしていましたので、自分用と妻が乗るクルマが必要でした。当時はAクラスともう1台セダンを所有していたのですが、2016年に、東京に出てくるにあたり1台を整理し、Aクラスのみにしました。そしてつい先日、CLA シューティングブレークに乗り換えました。僕は食材を積み込んだり、盛り付けに使う枝や木の葉などを山で拾い集めてクルマで持ち帰ることもあります。妻が保育園の送り迎えに使うときなどは2人の子どもを乗せるためのベビーカーなどの荷物があるので、とにかく荷物がしっかり収納できるクルマが欲しかった。CLA シューティングブレークは荷物がたっぷり積載できますし、立体駐車場に入れるのも容易。それでいて、デザインもいい点がとても気に入りましたね。ハンドリングやブレーキングも安心感があります。また、ホイールベースが長いこともあり、後席の快適さや安定感も感じますね。メルセデスならではの安全機能も充実していて、子どもたちを安心して乗せられるのもいい」

星のや東京の浜田統之料理長と愛車CLA 180

昔からモノトーンが好きで、この日も全身黒い服、黒い靴で現れた浜田さん。料理以外のことをやる時間がないし、あとは子ども達と遊ぶ以外にエネルギーを使いたくないから、黒以外の色を身につけることはないそうだ。
「実は、今回のクルマも黒にしようと思ったのですが、妻が運転する機会が多く、白のほうが女性に似合うだろうということで、この色に落ち着きました」と語る。その横顔に、家族想いなパパの一面が垣間見えた。

浜田さんは、陶芸家の青木良太さんと特に親交があり、話し合い、常に刺激し合っているという。器と料理。“皿の上で勝負し合う間柄”で、時代に残るものを作らなければいけないという考えを共有している仲間でもあるそうだ。

「青木くんが中国で3000年前の陶器を見た時にびっくりした、感銘を受けたと話していて。彼の陶芸も僕の料理も、それぞれが3000年後の人が見たらびっくりするようなものでありたい、僕らじゃないとできないものを残さないといけないと語り合っているのです」

常に緊張感をもち、真摯に自らの料理を研ぎ澄ませる。そんなストイックな浜田さんが次に乗りたいクルマはGクラスだという。「あのような独自性のあるデザインのクルマは、他には絶対にない」と。
唯一無二の料理を追求する孤高の職人は、クルマにも唯一無二を求めるのだろう。

PROFILE

浜田統之/Noriyuki Hamada

大浜田統之/Noriyuki Hamada

1975年鳥取県境港市生まれ。高校卒業後、イタリアンレストランで修業をはじめ、のちにフレンチの世界へ。2004年ボキューズ・ドール国際料理コンクール日本大会において、史上最年少で優勝。2013年フランスで開催されたボキューズ・ドール国際料理コンクール決勝で日本人初の銅メダルを受賞。2016年7月「星のや東京」開業とともに料理長に就任。

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