C-Classroom Report Vol.11 メルセデスAMG C 63 S 試乗レポート続編

“レース”モードを備えたC 63 S

前回のVol10に引き続き、東京から箱根・伊豆を往復してきたレポートをお届けします。

 今回の走行でいえば、東名高速では比較的フラットな姿勢を維持しつつ矢のように駆け抜け、小田原厚木道路ではやや跳ねてボディが揺すられる感じがあった。
 そうしてターンパイクでは、ところどころで跳ねる場面もあるものの、コーナーに対してビタッと路面に吸い付く様も存分に見せてくれる。また伊豆スカイラインは気持ち良く駆け抜けることができたのだった。
 ワインディングではセンターコンソールに備わるAMGダイナミックセレクトスイッチを操作。すると、それまで抑えられていたものが放たれるかのように、その性格は獰猛な野獣へと豹変する。

 特にC 63 Sは、AMGダイナミックセレクトに“レース”というモードまで備える。こちらはサーキット走行専用のモード設定で、スイッチを操作してこのモードに入れると、セダンを忘れさせるスポーツカーへ変身する。
 排気音がボリュームを増すと同時に、アクセルをオフすると「バリバリバリッ」と炸裂音を響かせるようになる。さらにハンドルも一層ダイレクト感が増すと同時に、サスペンションも引き締まった味付けとなる。加えて車両制御安定装置も、姿勢変化を許容するようになる。だからサーキットでの、ドリフトも可能となるわけだ。
(レースモードは公道では使用せずに、クローズドサーキットでのみご使用してください)

 そしてC 63 Sではこの時、ユニークな機構が働く。“AMGダイナミックエンジンマウント”が備わっており、ダイナミックなドライビング時にマウントが固められ、アクセル操作によるエンジンおよびトランスミッションの揺れや動きを抑える。これによってドライブトレインとボディがまるで一体化したような感じになり、ハンドル操作に対して、よりソリッドなコーナリング等が実現されるというわけだ。
 このマウントは普段は緩められており、普段はエンジンやトランスミッションの振動をカットして快適性を向上する。そしてスポーツドライビング時にはソリッドなクルマの動きを実現する。
 海外試乗ではサーキットで試したが、そこでは超痛快な走りを味わえた。まさにスポーツカーを凌駕するほどの楽しさ、気持ち良さを存分に味わわせてくれたのだ。

日本で走らせて改めて知るC 63 Sの美点

 特に圧倒的にパワフルなエンジンかつ、FRならではの楽しみを満喫できた。
 もちろん今回のようなワインディングで楽しむ時にはAMGダイナミックセレクトスイッチは“スポーツ”で十分だろう。それでもハッキリと、このクルマの中に宿るスポーツカーを感じさせてくれると同時に、安心して安全にその迫力を味わえる。
 そうして箱根・伊豆から東京へと鼻先を向ける。小田原厚木道路、東名高速を経由して都内へ向かったわけだが、こうしたシーンでは改めて、その安全装備の豊富さを痛感する。

 C 63 Sはセダンおよびステーションワゴンのボディに、一流のスポーツカーを内包している1台と評することができるが、それにも関わらず安全装備は最新のものが与えられている。スポーツカーの走りと同時に、そこにはディストロニック・プラスによる半自動運転ともいえるべきアシスト機構が与えられており、帰りの高速道路ではステアリングに手を添えているだけで前走車についていってくれる。この時のステアリング操作やアクセル/ブレーキ操作の滑らかさは、目を見張るレベルになってきた。そしてこれらは休みの日の遠出の帰りに絶大なる安心を提供してくれるだろう。

 今回日本の公道でC 63 Sを走らせてみて、改めてノーマルCクラスの美点である、非常にバランスに優れた乗り味走り味を受け継ぎつつもスポーティな味わいが色濃く加わっていることを確認できた。そして同時に安全装備の充実ぶりが、この最新スポーツに最も安全なサルーンとしての顔も与えている。
 そう思うと新型C 63 Sは、まさに全方位で最強のCクラス、といえるのだ。

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